急行きたぐに乗車記 | F2S 雑記帖

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但馬空港リベンジ のつづき。



世の中には晴れ男、晴れ女、雨男、雨女がいるというが、

自分の場合、80%晴れ男、20%雨男な気がしている。


まぁ1年前は大雪で但馬行きを断念したわけだけど、

天気で旅行が台無しになるケースは数えるほどしかない。



話をBAGEL&BAGEL新梅田店 の前まで巻き戻そう。


大阪駅に着いてすぐ、駅員に今夜の急行きたぐにの運行予定を確認した。

というのも、連日の日本海側の大雪で運休が続いていたのだ。

昨日発のきたぐにも運休だった。


「きたぐに」は、福井・石川・富山・新潟と、もろ日本海側を通る。

今夜走らなければ、BAGEL&BAGEL行って、但馬行って、とっとと帰るしかない。

いや帰る前に残念会とかこつけて関西の友人を呼び出すか・・・なぁんて

考えたりしたが、駅員の話では「今夜は運転します」とのこと。

よっし。



今度はBAGEL&BAGEL新梅田店を出た後の話。


伊丹空港へ行くために阪急梅田駅に向かう。

と、そこで改札に入る前に紀伊國屋書店で「Rail Magazine 2012年3月号」を買った。


Rail Magazine (レイル・マガジン) 2012年 03月号 Vol.342/著者不明
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特集が、”さらば「日本海」「きたぐに」”
”緊急試乗!583系急行「きたぐに」に乗る!”

すでに地元でパラパラ立ち読みしていたのだけど、

今夜乗れることをさっき駅で確認したら、改めて記事を読みたくなり、

急遽購入したのだった。

夜までにきちんと予習をした。



さてここで”急行きたぐに”になぜ乗るのか改めてのお話。


急行きたぐには大阪と新潟を結ぶ夜行の急行列車。

首都圏に住む人間にとって全く縁のない列車で、

事実今まで一度も乗ったことがないし、見たこともなかった。


それがなぜ乗ろうという気になったのか?


それは「583系という車両の三段式寝台に乗りたい」と思ったから。


583系(僕はゴッパーサンと呼ぶ)は、昼夜兼行の寝台電車で、

昼間は座席車(ボックスシート)の特急として運転し、

夜は寝台をセットして寝台特急として運転するという、

列車の効率的運用を追求した車両だ。


この昼も夜も運転できる電車というコンセプトは世界初で、

海外は分からないけど、国内ではこの先同じような列車が登場することは

おそらくないだろうと思っている。


583系が初めて登場(厳密にいうと581系として)したのは1967年。

それから45年。

現在定期の運用で就いているのは急行きたぐにのみ。

だから、じきに”きたぐに”に乗れなくなるというより、

”583系”に乗れなくなるというのが、今回乗ろうと思った動機になる。


ちなみに583系にはこれまで乗ったことがなかったが、

583系を改造して別形式になった419系や715系には乗車経験がある。

たとえば2010年1月24日に北陸で乗った419系 がそう。


45年前の設計なので、客室設備のレベルは当然最近の列車より劣る部分がある。

その最たるものと自分で思っているが「開放型三段式寝台」。

個室でない開放型の寝台は今は上段・下段の二段式が主なのだが、

こと583系のB寝台は上段・中段・下段と三段になっている。

当時は三段が標準だったのだ。


けど、外観デザインはとても秀逸だと思っている。

時代とともに化粧(塗装)は変えてるけど、

これといった整形手術(改造)はして来ていない。

45年経った今も「観れる顔」だと自分は思ってるんだけど・・・



時間は飛んで、いよいよ但馬空港、城崎温泉から大阪に戻ってきた時の話。


時刻はもう22時。

急行きたぐにの大阪発車時刻は23時27分。


軽く腹ごしらえをして、コンタクトレンズを外して自分の「夜行モード」に切り替え、

身支度をするうちに、発車時刻が近づいていく。


きたぐにが発車するのは大阪駅11番線(JR西日本を尊重して表記するなら11番のりば)。

発車40分前にホームに行くと、人がわんさか・・・・・・と言うほどはいないが

そこそこの数の客が待っていた。


F2S 雑記帖-20120128 [きたぐに1]


定期運転廃止まで2か月を切っているし、このところ運休続きだったので

写真を撮る人が大勢いるのかと思っていたら、大したことない。

混み合うのはもっと時期が近付いてからなのか?



家を出る前にネットで調べたら入線時刻は23時03分。

ということで、23時に乗務員がホームに現れた。

ところが時間になっても列車がやって来ない。

乗務員も時計をしきりに気にし出した頃、


 業務連絡 501M テイキ 塚本9分


と女性の声で放送が入る。

501Mは列車番号。

”テイキ”の部分は本当にそんな言葉だったか記憶に自信がないけど、

塚本9分というのははっきり理解できた。

隣の塚本駅を9分に出るという意味だと思うが、塚本??


この列車は京都にある車両基地から回送されてくるはずなのに、

なぜ大阪駅から見て反対の神戸方にある塚本駅を通るのか?

この時は謎のままだったのだが、今調べてみると

京都から来るのに貨物線や回送線を経由すると塚本を通ることになるらしい。


続いて、旅客向けの放送で


 前を走る列車が遅れているため、

 急行きたぐに号の到着が遅れています。


と案内があった。



23時12分頃にようやく列車が入線。


F2S 雑記帖-20120128 [きたぐに2]


「写真撮影をされるお客様、譲り合ってお願いします。」と放送が流れたが、

乗客数人が記念に、という感じに撮る程度で、

ひと時の撮影会はなんとも和やかなものだった。


F2S 雑記帖-20120128 [きたぐに3]


列車は10両。

A寝台、B寝台、グリーン車(座席)、自由席車(座席)で編成されている。


指定された10号車5番下段の寝台に乗り込む。

ほどなくして、列車が大阪駅を出発した。



つづく。