どうも、はむばねです。

祝☆テーマ「感想」100記事目!


……いや、この場合これは果たして本当におめでたいのだろうか?
一体何がおめでたいというのか。

い、いやまぁなんというか、何にせよキリのいい数字というのはおめでたい感が漂いますよね!
たとえ、それが私の逃避の積み重ねの結果であったとしても!


そんなこんなで、記念すべき(?)100回目の感想記事は異世界修学旅行が面白かったため読んだ同作者さんの『僕の学園生活はまだ始まったばかりだ!』だよ!
ネタバレは、微妙になくもないかな?


僕の学園生活はまだ始まったばかりだ! (ファミ通文庫)
岡本タクヤ
エンターブレイン
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あぁ、これは頭おかしいな(褒め言葉
異世界修学旅行の感想では、頭のおかしさが感じられないとか書いてすみませんでした(褒め言葉
岡本先生は、立派に頭がおかしいです(褒め言葉だっつってんだろ!

ストーリーとしては、あらゆるジャンルにおいて無類の才能を発揮する天才であるも、コミュ力が皆無すぎてぼっちな主人公・高橋君が、生徒会長の座を狙うため各部活に恩を売りたい腹黒女子高生・佐藤さんと共に「高橋部」を作って他の部活を救済したりドタバタに巻き込まれたりするお話。

このお話の何が凄いって、高橋君のぼっち設定と佐藤さんの腹黒設定に一切嘘がない。
普通この手のコミュ障ぼっちキャラって、コミュ障(笑)ぼっち(笑)って感じで普通にコミュニケーション能力たけーしなんだかんだ美少女と恋仲になったりするわけなんですけども。
高橋君、マジで普通に空気読んでない(事が多い)。
特に昔の高橋君、普通に性格悪い。
知り合いと話してる時に別の知り合いが混じると話せないとか、こらぼっちも納得ですわ、という負の方向への異常に強い説得力がある。
佐藤さんは佐藤さんで、実はいい人だったとかそういうことが基本ない。
ただある意味高橋君の一番の理解者であり、(高橋君本人も述べている通り)高橋君のクズさを誰よりも理解しているのが佐藤さんでもあるわけで。
そんな二人ゆえに、ピンクな空気は微塵もありません(高橋君は一方的に期待してるけど)。

なお本作は高橋君の一人称視点であり、であるからこそ高橋君のクズっぷりが如実にわかる作りとなっています。
あ、ちなみにクズクズ言ってますが、なんというか不快な方向のクズではないです。
ただただコミュ障ぼっち思考というか、人して駄目というか。
少なくとも囚われのヒロインを助けに行くか真剣に迷った結果、帰ろうとするも周りの空気に流されて嫌々行く程度には駄目人間。
間違っても主人公の器ではありません。
才能だけ見たら俺TUEEEEEE系主人公やっててもおかしくないレベルですが。

他の登場人物も、一癖も二癖もあるというか癖しかないような連中でめっちゃアクが強いです。
ていうか、基本的に人の話を聞く奴がほとんどいねぇ。
そう考えると、根本的な価値観は自己中心的ではあっても対話可能で(一応)他人の事情も考慮できる佐藤さんはむしろだいぶマシな部類なのかもしれない。
というか、こんなにもツッコミ不在の作品もなかなかないのではなかろうか。
いや、一応高橋君がツッコミの役割ではあるのですけれど(たまにツッコミ放棄するけど)。
自分より自己中心的な人に対しては常識側からのツッコミに回る(by佐藤さん)高橋君より自己中心的な人が多いからね、仕方ないね。


まーしかし、これも「一度読んでみてください」としか言えませんね。
なにせギャグの面白さを言葉で伝えるのは非常に難しい。

ただ、割と尖った感じはあるので人を選ぶ所はあるかもしれません。
ちょっとどころではない変わったメンツがドタバタする感じであったり、一人称で滔々とネガティブな事を語る感じが苦手な人はいるかもですね。
異世界修学旅行の方は、やっぱ結構マイルドになってた方だったんだな……。
そんなにノリが変わるわけでもないのに、主人公を平凡モブ系ツッコミにするだけでここまで変わるものなのか。
まぁ、あっちはあっちでメタネタ盛々なのでその点で人を選ぶ所はありますけれど。

個人的にはこれも凄く好きな感じでしたが、『異世界修学旅』ほど人に薦めやすい作品ではない気がしますね……。
ただそれだけに、ハマる人はめっちゃハマるのではなかろうかと思う作品でした。
無論、私はハマった派です!