在日米軍再編:与那国自衛隊誘致問題:住民投票へ向けて運動中 | 端事些事のブログ

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在日米軍再編:与那国自衛隊誘致問題:住民投票へ向けて運動中

たね蒔きで与那国の自衛隊誘致問題をやっていたので、ちょっと最近の動向を調べた。

20120625 [1/2]たね蒔きジャーナル「自衛隊誘致に揺れる与那国島」
20120625 [2/2]たね蒔きジャーナル「自衛隊誘致に揺れる与那国島」
(tacc77 さんが 2012/06/25 に公開)
今夜は、大阪から遠く離れた日本最西端の島、
沖縄県与那国島の女性がゲストです。
与那国町では、町長と議会が
「町の活性化」のために自衛隊の誘致を決定。
防衛省が陸上自衛隊の沿岸監視部隊(約100人)を
配備する方針で、準備を進めています。
今夜のゲスト・田島琴江さんは
自衛隊誘致に反対する女性たちの会を結成し、
賛否を問う住民投票条例の制定を求めています。

さな島を二分する自衛隊誘致の問題は、
今の日本の政治と社会の状況を映し出します。

この中で、田島琴江さんの、次のような内容の発言があった。

/*島の漁師は、中国の脅威を感じたことはない。かえって基地が出来た方が、漁が危険になるし、海の環境も悪くなるだろうと言っている*/
/*国際問題は話し合いで解決すべきだ。武力で解決できない。*/
/*基地が出来るとかえって相手に狙われて危険になる*/
/*島の豊かな自然を守りたい。自衛隊ではなく、自然を愛するダイバーや内外の観光客に来てほしい*/


俺的なブログでの与那国自衛隊問題は、八重山教科書問題とも絡みながら、主には2011年末に集中している。→参照

この頃、誘致反対署名が賛成署名を上回ったり、与那国初の反対集会があったり、だいぶ反対意見の盛り上りがあった。

で、最近としては、、

:6月4日に、与那国改革会議が住民投票条例案を町に提出。

住民投票条例案を提出 「自衛隊誘致」で改革会議(2012/06/05 八重山毎日)
署名運動経て7~8月実施へ 与那国町

 【与那国】与那国町への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に反対する与那国改革会議(崎原正吉議長)は4日午後、自衛隊誘致の賛否を問う住民投票条例の制定に向け、条例案と直接請求の要旨を外間守吉町長に提出した。町は条例案や要旨の中身を精査、不備がなければ県議選終了後の11日以降に町選挙管理委員会に提出する。問題がなければ告示、1カ月間の署名活動が行われる。そこで条例制定の請求に必要な有権者の50分の1以上の署名を集まれば議会に直接請求、住民投票を実施する。これは早ければ7月後半か8月上旬になる見通し。

 条例案の提出を受けた外間町長は、「20日以内に選管に資格要件が整っているかなどの審査をお願いし、適正であれば告示する」と回答した。
 与那国改革会議は、町議会で誘致賛成派が反対派を上回っていることから、署名運動にあたって町議会の解散を求めることができる3分の1以上を目標としており、崎原議長は「大事なことはみんなで決めよう」として、「運動期間をフルに使い、目標以上の署名を集めて条例案を制定させたい」と強調した。

 住民投票は昨年、反対住民が町に提出した署名が賛成派(514人)を上回る556人となっていることや、防衛省、衆院沖縄北方特別委員会でも「地元の理解が得られるよう尽くしたい」と回答していることなどを挙げ、「住民の声を切り捨ててはいけない」と投票実施を訴えている
 崎原議長は「町民が熟考し、一人一人の意思を明確に表明する機会を創出するとともに、島の民意を適正かつ正確に明らかにする必要がある」と強調した。
 これに外間町長は「自衛隊誘致については既定方針通り進めていくが、これだけの反対の声があることは無視できない。住民自治を預かる者として、その意見をくみ入れ、所定の手続きを取れば住民投票もやぶさかではない」と受諾した

/*外間町長は「自衛隊誘致については既定方針通り進めていくが、これだけの反対の声があることは無視できない。住民自治を預かる者として、その意見をくみ入れ、所定の手続きを取れば住民投票もやぶさかではない」と受諾した*/ 首長は、最低これぐらいは言わないとね。どこかの原発住民投票を蹴った首長に聞かせたいね。

ただし、本心かどうかは今後の行動で。。。(番組中の話ではちょっと疑わしい)


:19日、町は、代表者証明書を交付、直接請求があったことを告示した。

条例の直接請求告示 与那国住民投票(琉球新報 6月20日(水)10時40分)
 【与那国】与那国島への自衛隊誘致の是非を問う住民投票条例の制定を求める直接請求の申し出があったことを受け、外間守吉与那国町長は19日、請求した与那国改革会議の崎原正吉議長に代表者証明書を交付、町民に直接請求があったことを告示した。同会議は20日から署名収集を始める請求に必要な50分の1(約25人)の署名が集まるのは確実な情勢で、住民投票が実施されるかどうかは、署名提出後に招集される町議会の判断に委ねられる
 与那国改革会議が町に提出した請求の要旨は「自衛隊誘致で賛否両論さまざまな意見が存在する中、2008年9月に町議会が誘致決議を強行した。町は、町民が要求した町独自の住民説明会開催にも応じていない」と指摘。「町民が熟考し、各人の意思を明確に表明する機会を創出し、島の民意を適正かつ正確に明らかにする必要がある」として、住民投票の実施を求めている。

/*住民投票が実施されるかどうかは、署名提出後に招集される町議会の判断に委ねられる*/ って、

さてこれが「代議士制民主主義」(議会制民主主義とも言う)の困ったところやね。

少数の議員を懐柔すれば、圧倒的多数の住民が反対しても「住民の民意」とはされない。

俺的には、最初から、議員に投票や決定を任せない、いわゆる「直接民主主義」の方がいいと思うけど。

そうすりゃ、議員に高い給料も、「議会」の維持運営などの費用も払わなくても済むし。。。


:議会の動き

6月与那国町議会 陸自配備要請を可決、地域経済の配慮求める(2012/06/20 八重山毎日)
各種施設整備など9件

 【与那国】開会中の6月定例与那国町議会(前西原武三議長)は19日、与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備に伴う沖縄防衛局への要請を糸数健一氏が提案し、賛成3、反対2の賛成多数で可決した

 要請書では▽光ファイバーの整備▽陸上競技場の整備▽官舎の分散配置▽駐屯地の自然および景観への配慮▽ごみ 処理施設の整備▽伝統工芸館の建て替えまたは改修工事▽老人福祉施設と保育施設との複合施設の整備▽自衛隊医官などによる医療支援および緊急患者空輸への協力▽地元経済への配慮‐など9件を求めている。

 地元経済への配慮では、建設工事を地元優先発注することや地元の雇用創出に努めるとともに、地元から生鮮食品などの購入を求めた
 糸数氏は「さまざまな問題を抱える町と沿岸監視部隊の共存共栄を図る観点から、この要請書を提出する。特段の配慮をお願いしたい」と要請文を読み上げた。
 要請書は後日、沖縄防衛局に送付される。

町議会は、まだ、誘致賛成派が多数のようだ。

たしか、町議会の「自衛隊誘致決議」自体は2008年の事だ。


/*▽光ファイバーの整備▽陸上競技場の整備…▽ごみ 処理施設の整備▽伝統工芸館の建て替えまたは改修工事▽老人福祉施設と保育施設との複合施設の整備▽…医療支援および緊急患者空輸…*/ こうした当たり前の要求を、

自衛隊誘致や原発と絡めないと要求できないというのが。。。日本の政治の実情だ。

/*▽地元経済への配慮*/、と言うが、沖縄は基地の島と言われるほどだが、経済は発展していない。

原発のある「地元」では、「原発は爆発する」と分かっても、原発から離れられない経済状態になっている。

勿論、住民が進んで望んでいるわけではないだろう。

実際、豊北や上関など原発誘致を跳ね除けた(ている)実例もある。

馬毛島問題でもそうだが、住民にとって、こうした話は、たいてい「国」ほうが突然持ってくる。

(形としては、「住民からのXX」としても、ホントに形だけだったりする)

そして、慎ましく穏やかに協力し合って暮らしていた町や村の住民が、国あるいは行政による「アメとムチ」によって分断され、対立させられる。

まず、住民を貧困化させてから、或いは、そういう所に目をつけて、XXを売り込む、まるで、TVドラマか何かでXXの売人が、一般人をXX漬けにして儲ける手口のようでもある。


:20日から署名活動スタート。

署名活動スタート 与那国改革会議、住民投票条例制定目指す(2012/06/21 八重山毎日)
 【与那国】与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う住民投票条例の制定を求める署名活動が20日から町内で始まり、配備に反対する与那国改革会議(崎原正吉議長)や賛同者が町民に協力を呼びかけた。

 同改革会議は去る4日、自衛隊誘致の賛否を問う住民投票条例制定に向け、条例案と直接請求の要旨を外間守吉町長に提出。外間町長が19日、崎原会長に請求代表者証明書を交付し、直接請求があったことを町民に告示した。 
 署名活動期間は告示後、1カ月以内、条例制定の請求に必要な署名は有権者の50分の1(6月2日現在24人)以上
 同改革会議では、署名目標を町議会の解散を求めることができる3分の1(同406人)以上としている

 2011年に反対住民が町に提出した署名が賛成派(514人)を上回る556人となっていることや、防衛省、衆院沖縄北方特別委員会は「地元の理解が得られるよう誠意を尽くしたい」としており、同改革会議は「住民の声を切り捨ててはいけない」と住民投票実施を求めている。
 崎原会長は「何としても住民投票を実施し、町民の意思として自衛隊誘致反対の声を挙げていきたい」と話した。
 署名した町民は「与那国島に自衛隊はいらない。議会は町民の声を無視しないでほしい」と訴えていた。
 署名は7月中旬に議会へ提出される見通し。

/*条例制定の請求に必要な署名は有権者の50分の1(6月2日現在24人)以上*/ は、まず間違いなく集まるだろうと前の記事に有った。


:町長、中立の立場を表明。

自衛隊の配備協力 住民投票の推移見て判断、与那国町議会一般質問(2012/06/22 八重山毎日)
抜粋
【与那国】開会中の与那国町議会(前西原武三議長)6月定例会は最終日の21日、一般質問を行い、糸数健一氏、崎元俊男氏、崎原孫吉氏、嵩西茂則氏、田里千代基氏の議長を除く5人全員が質問した。そのなかで糸数氏がただした陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の候補地受け入れや今後の協力について、外間守吉町長は「行政としては測量調査など部隊配備に向けた必要な協力を行うことを近々、防衛局に回答する考えをもっているしかし、住民投票の請求も出されているので、その推移を見ながら状況を把握して回答を出したい」と述べ、中立的な立場であることを示した



社説:与那国住民投票 自己決定に向け実施を(2012年6月21日 琉球新報)
 日本最西端の島・与那国島への自衛隊誘致の是非を問う住民投票をめぐり、与那国町は直接請求の申し出があったことを告示した。
 直接請求を行った与那国改革会議は初日の20日だけで、住民投票条例制定に必要な有権者数の50分の1を超える署名を獲得した。
 今後は、外間守吉町長、誘致賛成派が多数を占める町議会が住民投票を認めるかどうかの判断が最大焦点となる。
 自衛隊配備は、国境の島の将来を左右する重大な問題だ。賛否が割れる中、島民は重い選択を迫られている。だが、自己決定権を発揮することには大きな意義がある。
 町長と議会は、民主主義的手続きの本旨を厳粛に受け止め、賛否の主張をしっかり出し合い、公明正大に与那国の意思を見いだす住民投票実施に踏み出してほしい。
 ここへきて、沖縄防衛局が外間町長に対し、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に向け、基地設置許可を出すよう促す文書を出していたことが明らかになった
 外間町長は「住民投票の動きを見る」として回答を保留している。民意を見極め、見切り発車を踏みとどまる対応は支持できる。
 町長の姿勢に対し、誘致派の与那国防衛協会や賛成派町議が動き、早期受け入れの決議を提出し、賛成多数で可決した予算の概算要求を視野に、焦りを見せ始めた防衛省と気脈を通じた動きだろう
 基地や原子力発電所誘致をめぐり、国と通じた地方議会の動きは、民意を反映する営みに影を落としてきたことを見つめ直したい
 推進派の与那国防衛協会副会長の糸数健一町議は、軍事力を強化する中国を視野に「最低限の抑止力は必要だ」と主張し、「何でも住民投票で決着すると、議会制民主主義を否定する」と訴える。
 一方、反対派の崎原守吉与那国改革会議議長は町単独の説明会が開かれず、誘致をめぐる情報が不足していることを挙げ、「住民が直接関わり、解決のきっかけにしたい」とする。
 専門家の中には「外交・安保は国の専権事項」として住民投票になじまないとの見方もあるが、民意が反映される機会がないまま、基地の過重負担が続く沖縄の実情こそ、外交安保を聖域にすべきでないという教訓を宿している
 住民の意思表示は、議会制民主主義を否定するものでもない
 沖縄社会全体の問題として与那国の住民投票の動きを見つめたい


/*基地や原子力発電所誘致をめぐり、国と通じた地方議会の動きは、民意を反映する営みに影を落としてきたことを見つめ直したい*/

/*民意が反映される機会がないまま、基地の過重負担が続く沖縄の実情こそ、外交安保を聖域にすべきでないという教訓を宿している*/ ここ重い。

/*住民の意思表示は、議会制民主主義を否定するものでもない*/
/*沖縄社会全体の問題として与那国の住民投票の動きを見つめたい*/

日本社会全体の問題として、与那国の住民投票の動きを見つめたい。

(ていうか、俺的には、誘致反対を支持するのだ。。。w)



PS:

「たね蒔き」の番組中、「在日米軍はまずいが自衛隊は必要なのでは」のコメントに、田島琴江さんは、

/*国際問題は話し合いで解決すべきだ。武力で解決できない*/
/*基地が出来るとかえって相手に狙われて危険になる*/

と応えた。同感だ。

また、俺的な者の考えとして(勿論、与那国や沖縄の人々なら周知だと思うが)「自衛隊を入れることは米軍を入れること」というのがある。

「自衛隊はいらない」与那国で初の反対集会(2011.11.20 八重山毎日)
/* 一部抜粋
【与那国】「自衛隊にNO!与那国島を守る大集会」(主催・同実行委員会)が19日夜、祖納の与那国改革会議事務所隣で行われた。反対集会が開かれるのは初めて。集会には島外から参加した平和団体や労組など65人を含め約120人が参加。「平和な島に自衛隊はいらない」「自衛隊を入れることは米軍を入れること」など自衛隊配備反対を訴えた。また、同島への自衛隊配備断固反対の決議を採択した。当初、集会前に予定されていた集落内での自衛隊配備反対パレードは降雨のため20日朝に延期された。
*/

「米軍隠し」や「なし崩し」は常套手段だ。

さらには、米海軍の掃海艦2隻が2007年6月に与那国島・祖納港に初めて寄港したが、具体的に、与那国を掃海艦の基地とする考えを持っていたようだ。→参照