みなさま、おはようございます。
熊本で離婚問題を専門に扱っている、行政書士の大谷です。
さて昨日は土曜日に参加した「ランチェスター原理・原則勉強会」の8回目の内容のおさらい(自分に対して)として、未来工業の事例を紹介しましたが、今日はその第2弾、MKタクシー
の事例を紹介したいと思います。
MKタクシーは業界の異端児?ともいうべき存在(業界初の値下げ認可申請とか)で有名なので、みなさんもよくご存じだと思います。京都に本社を構える会社で現在は全国の大都市に拠点を置いています。
そんなMKの営業戦略も未来工業と同じく差別化。丁寧なサービスを徹底することで同業他社との違いを際立たせています。
流しでお客を拾ったときでも、無線で迎えに行ったときでも、
運「お待たせいたしました。MKでございます。ご利用ありがとうございます。」
後部ドアを開け、お客が頭をぶつけないように天板付近に手をやり、
運「お足もとはよろしいでしょうか?失礼いたします。」
客「○○まで行ってください。」
運「○○ございますね。かしこまりました。」←目的地が商業施設の場合は「○○様でございますね」と言う
運「私、MKの△△でございます。〇〇様までお伴させていただきます。道順はどのようにさせていただきましょうか?」
客「お任せします。」
運「かしこまりました。では□□を通るルートで行かせていただきます。もし近道などがございましたら、どうぞお早めにお申し付けくださいませ。」
目的地に到着
運「ありがとうございます。料金は○○円でございます。」
運「〇〇円、ちょうどお預かりいたします。領収書はいかがいたしましょうか?」
客「いりません」
運「かしこまりました。(おもむろに助手席に移動してから、ドアを開け、後部ドアを開け)ありがとうございました。またのご利用をお待ちいたしております。」
で、この事例紹介ビデオではこの後実際に利用されたお客様に感想を訊くんですが、まあ10人中が10人くらい
「サービスがよかった」とか
「言葉遣いが丁寧だった」
と言います(まあ、ロケしているんだからMKの悪口は言わないでしょうけどね)。
これを全社員に徹底することで、一度乗せたお客をつかまえ、リピーターにしてしまおうというのがMKの顧客維持戦略。でも全国的にMKが有名になるにつれて、このバカ丁寧なサービスを浸透させるためには、そんじょそこらの企業努力ではできません。
まずはオーナーが率先垂範です。オーナーは毎朝営業所に出向き、社員に「おはよう。おはよう」を徹底して繰り返しました。それまではオーナーが挨拶しても「どこのおっさんや」みたいな感じで、挨拶なんてほとんど返ってこなかったそうです。でも来る日も来る日もオーナーが挨拶を続けたことで、だんだんと社員が挨拶をするようになったそうです。またオーナーは毎朝無線を通してお客様に呼びかけ、自らお客様と社員に感謝していること、仕事をさせてもらって感謝していることを伝えているんですね。
オーナーにここまでされると、社員も本気にならざるを得ません。
MKでは入社後2週間の集合研修があります。京都にある研修センターで大声をあげて挨拶の練習をしたり、自己紹介を愚直なまでに繰り返すそうです。サービスは声を出すことができなければ始まりません。お客様に感謝の念を伝えるには声が出て、しゃべりが滑らかでないといけません。そしてお客様が自分たちを見てどう思うかを常に意識することを叩き込まれるんです。こんな軍隊のような練習を積み重ねた先にMKのサービスがあるということですね。だからMKではタクシー運転手経験者の中途採用はしないそうです。変なプライドや先入観はMKのサービスレベルの向上の邪魔になりますもんね。
でもここまでバカ丁寧なサービスをすると、お客様のサービスに対する期待はどんどん大きくなっていきます。お客は自分が以前経験したサービスレベルより低いレベルのサービスを受けるとクレームを言います(よね?)。だからMKは役員が講師を務める研修や勉強会という仕組みを浸透させ、お客様の期待を裏切らないサービスを追求しているんだそうです。
マンションに迎えに行ったとき
お客が荷物を車に載せてと言ったら「載せる」
上まで迎えに来てと言ったら「迎えに行く」
部屋の中まで荷物を取りに来てと言ったら「部屋の中に入って取りに行く」
荷造りを手伝ってと言ったら「荷造りを手伝う」
ここまでしたら、お客様もMK以外のタクシーに乗れなくなる。そこが狙いですねんというのがオーナーのお言葉でした。
MKタクシーは九州では福岡にしかないようなので、私が乗ることはまずないと思いますが、一度乗ってみたいですね。どれほどのサービスレベルなのか、確認してみたいです。
でも急いでいる人にとっては、MKのサービスは邪魔以外の何物でもないと思いますがね...
ここまでサービスの研修を受けてしまうと、臨機応変な対応ができるかどうか...ここも興味ありますね。
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