アストライア・トア・ダイクン ~ダイクンの死に苦悩したのは、妻もだった~ | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~

2009.7.19up 2012.4.20更新



シャアに恋して ~ガンダムマニア~

参考文献

 機動戦士ガンダム THE ORIGIN

 

 

人物評

 

 

アニメ版には登場しない。

 

製作当時の富野由悠季による構想を記載した通称「トミノメモ」に名前のみ登場。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 」に初めて登場した。

 

ダイクンの死によって人生が狂ったのは、シャア・アズナブルとセイラ・マスだけだと思いがちだが。

二人の母、ダイクンの妻である彼女の生活もかなりつらいものとなった。

 

彼女の人生は、あまりにも悲しい。

その闊達な民間人から、貞淑な妻、未亡人とシリアスな人生になっていく様を見ると、

皇族となったダイアナ妃、雅子妃の苦悩が想像できる。

 

彼女のような女性は、一般社会では幸せな人生を送れると思う。

生まれた時代が悪かったのかもしれない。

 

 

 

 


シャアに恋して ~ガンダムマニア~ 略歴

 

ジオン公国のカリスマ思想家・ジオン・ズム・ダイクン の妻。

シャア・アズナブル(キャスバル)セイラ・マス(アルテイシア) 兄妹の生母。

 

元はサイド3のナイトクラブ「エデン」で、ランバ・ラル

内縁の妻クラウレ・ハモン とともに歌姫だった。

そこで、当時一介の政治活動家だったダイクンと

恋仲になった。

 

そのため、ランバ・ラルの部下クランプとも旧知の仲。

 

 

そんな小さな幸せな生活は突然、終わりを迎える。

ギレン・ザビ により、ダイクンは暗殺されてしまうのだ。

その危機に、ランバの父のジンバ・ラルの屋敷にかくまわれた。

 

しかし、ギレンの巧みな先導で押し寄せる民衆に

身の危険を感じた彼女は、故ダイクンの屋敷に

もどることになる。

 

だが屋敷に戻った後も、ダイクンの正妻ローゼルシアに

よって幽閉状態に置かれてしまう。

正妻は、彼女がダイクンから寵愛を受けるのに、

嫉妬心の塊となっていたのだ。

 

彼女はその生活に行く末を悲観し、二人の子供を地球へ逃す決心をする。

 

 

 

脱出の前夜、しぶるアルテイシアにこう言い聞かせる。

 

 

地球では空に星が見えるの。

一番大きくて、まあるいのがお月さま。

 

そのお月さまが半分になって

細くなって

またまん丸くなる回数を数えて。

 

その回数が百回になる頃には必ず行くわ。

だから・・・待っていて。

 

 


シャアに恋して ~ガンダムマニア~ アルテイシアは答える。

 

 

眠っちゃったら朝になっちゃう。

すぐに朝になっちゃうもの・・・。

 

朝なんかきらい。

朝なんか来なければいい。

 

ずっとこのまま夜だったらいいのに・・・。

 

 

母は言い聞かせる。

 

 

それじゃあ、お月さまを数えられないわ。

朝にはいいことが待っているのよ。

 

ずっと今のままなんてだめ。

アルテイシアは、大きくなるんでしょう?

 

大きくなって

立派な人になって

 

たくさんの人にしあわせをあげなきゃ・・・ね。

 

 

 

親子の愛情が、痛いほど伝わってくる。

このシーンは、私が大好きなシーンである。

 

 

 

遠くに旅立った子供たちの健康を、幽閉された塔の窓から彼女は祈り続ける。

そのあまりの憔悴ぶりに、クラウレ・ハモンは塔に何度も足を運ぶ。

 

しかし、親子は再会することはなかった。

 

 

ダイクンに愛された彼女は、嫉妬した正妻が亡くなった後も幽閉が続き

半ば衰弱死するような形で病死してしまうのだ。

 

その子供たちを残して力尽きる彼女の人生、

冥福を祈らざるをえまい。

 

 

 

 

このことが、シャアにさらなる復讐の炎を燃やさせることになる。

 

 

 

 

 



 

他の人物伝

 

 

 

 

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