The Heart Of Rock And Roll ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース | 自然と音楽の森

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20141021HueyLewisNews
 
 ◎The Heart Of Rock And Roll
 ▼ハート・オヴ・ロックンロール
 ☆Huey Lewis & The News
 ★ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
 released in 1983 from the album SPORTS
 2014/10/21

 今日の1曲はヒューイ・ルイス&ザ・ニュース。

 NFLも本日のマンデーナイトの試合をもって第7週が終わりました。

 わがフィラデルフィア・イーグルス、今週は"Bye-Week"、試合がお休みでした。
 17週間で16試合を戦うNFL、各チームに1回だけお休みの週があり、イーグルスはそれが今週でした。
 昔は休みなく16週で闘われていたのですが、僕が観始めた1990年代にこの制度が導入されました。
 
 ただ、この"Bye-Week"、早いチームではもう第4週目に休んだり、逆にいちばん遅いのは第11週目にあるなど、ばらつきがあり、一見すると不公平に思われます。
 どのチームがいつ休むなどはNFL本部で決めるもので、各チームの意向は反映されないにしても。

 今年の場合、3連勝したチームがいきなり4週目に休むということがあり、勢いがそがれるのではと思われることもありました。
 一方で、負けが込んでいたチームの場合、早いうちに休むと戦術の立て直しなどで有効に使える可能性がある。
 怪我人が出た場合、軽度の選手であれば、ちょうど休みにかかって試合を休まずに出続けることができる、ということもある。 

 しかし、その年そのチームが調子が良いか悪いかはもちろんシーズン開幕前には分かりようがありません。 
 結局、「勝負は時の運」、休みを上手く利用する、休んでも勢いを持続できる、そんなチームが勝ち上がるのでしょう。

 イーグルス、5勝1敗の7週目に休みというのは、今年はちょうどよかったかな。
 なんせ、アナリストに「なぜ1敗で済んでいるのか分からない」とまで言われるほどだから、うまく立て直しに使えるのではないか。
 さらには、同じ地区で1敗で並んでいるダラス・カウボーイズとの直接対決をする前というのが、分析に充てる時間も持てたことだし。
 なお、ダラスは今週も試合があり勝ったので、勝ち星では現時点でダラスがひとつ先行して地区首位となっています。

 ともあれ、今週は勝った負けたではらはらすることがなく、僕の精神的には平和ではありました(笑)。



 さて、お休みなので、鷲ではない曲。

 先日、JBのLiving In Americaを取り上げ、そこで呼ばれている都市にはすべてNFLのチームがあった、という話をしました。
 その時に思い浮かんだ、アメリカの都市名が多く出てくるもう1曲がこれです。

 先ずは曲の話。

 ヒューイの代表作にして1980年代のロックアルバムの中でも名盤傑作人気が高いSPORTS!の冒頭を飾る曲。
 1曲目から「ロックンロールのハートが息づいている」と宣言されては、聴き手もそのまままっすぐに受け止める、バンド側にも聴き手にも幸せな1曲。

 シングルカットもされ、確か第3弾シングルとして、最高第6位、見事Top10ヒットとなりました。

 写真は、僕が当時買ったこの曲の12インチピクチャーシングルレコード。
 初めて買った彼らのレコードでしたが、これだけではもちろん物足りず、すぐにLPを買いました。
 お小遣いが少ない中で、最初からLPを買っておけば、と思わなくもなかった、かな。
 いや、今記憶の底をひっくり返してみても、そうは思わなかった、それだけ当時彼らに惚れ込んでいました。
 
 今は思い出の品として家に残っています。
 まあ、思い出の品って、それだけ、ともいえるのですが・・・僕は思い出を大切にしたい人間ではあります。

 しかし、まだロックがよく分かっていなかった僕は当時、テレビでこの曲を初めて観て聴いて、「これは果たしてロックンロールなのか?!?」と。
 ビートルズが歌っていたRock And Roll Musicのように、3コードでコード進行が目に見えるようなものではなく、なんというか、複雑な曲に聴こえました。
 
 でも、よくよく考えると"heart"なんですよね。
 どんな音楽を聴いたり演奏したりしようとも、「ロックンロールのハート」が息づいている、と謳っているのだから、3コードでジャーンッ、の必要はないわけで。
 今の僕が分析すると、南部の香りが漂いながらも都会的にシャープにまとめたアメリカーナ的な曲、といったところになるかな。

 そういえば、同じ頃の少し前に、エリック・クラプトンがI've Got A Rock 'N Roll Heartを歌っていましたが、それも単純な3コードではなく、当時の僕は「これがロックンロール??!」と思ったものでした。 
 しかし、今ならそれが分かります。
 この2曲、似てますよね、曲自体がというよりは、コンセプトというか、思いが。
 80年代音楽はノスタルジーが一種のブームになりましたが、そういう流れにこの2曲はあったのかもしれません。



 さて、この曲に出てくるアメリカの都市、今回はすべての都市にNFLチームがあるわけではないですが、順に見てゆきますか。

 ・New York
 ニューヨークはJBも歌っていたので繰り返しになりますが、NFCのニューヨーク・ジャイアンツとAFCのニューヨーク・ジェッツがあります。
 ただし、スタジアムは隣のニュージャージー州にありますが。
 ご丁寧にも、ヒューイはここでNew York, New Yorkと、チームの数だけ2回歌ってくれています(笑)。 
 まあ、これは、ライザ・ミネリとロバート・デ・ニーロの映画『ニューヨーク・ニューヨーク』を意識したものかもしれないけれど。
 この歌では、ニューヨークはやはり流行の最先端であることが謳われる一方、ビデオクリップに写っていたヒューイ達は、大都会に放り出されで唖然とした田舎者のように写っていたのが印象的でした。

 ・L.A., Hollywood, and the Sunset Strip
 L.A.はロサンゼルス、より正確な発音を無理矢理カタカナで書くと「ロサンジュェリーズ」。
 この曲が出た頃は、NFCのロサンゼスル・ラムズとAFCのロサンゼルス・レイダースがありましたが、今はどちらも他の都市に移転しています。
 Hollywoodはあの映画の都、ロサンゼルス市内なんですね、近郊だと思っていたのですが。
 さらにSunset Stripとは、ハリウッドを通るSunset Boulevardを挟んだある一帯のことだそうで、知らなかった、名前は割と目に耳にするけれど。
 ビリー・ワイルダー監督の映画『サンセット大通り』の舞台になった場所のことかな。
 ここはロサンゼルスのことなのでひとつにまとめました。 
 ところで、ロスといえば僕は『白バイ野郎ジョン&パンチ』を思い出さずにはいられない。
 当時、局は違ったけれど、夜中の「ベストヒットUSA」の前後にそれを観ていたので、僕の中では洋楽とは分かちがたい存在です。
 このことはまた別の機会にでも。
 この歌ではやはりきらびやかな場所として歌われ、そこに馴染めないヒューイ達という図式が、確かビデオクリップでも描かれていました。

 ・D.C.
 D.C.とはWashington, District of Columbia、首都ワシントン。
 西部にワシントン州がありますがそれとは別、さらに首都ワシントンはそれだけで独立した行政区分であり、どこの洲にも属していない。
 NFLではワシントン・レッドスキンズがあります。
 今季はここまで2勝5敗。
 正QBのロバート・グリフィン三世が怪我で離脱、控えのQBもいまひとつどころか期待を裏切る働きで勝ち星が上がっておらず、三世の早期復帰が待たれます。
 ところで、この「レッドスキンズ」の名前とチームのロゴが、俗に言うインディアンを侮蔑しているとして、毎年シーズンが始まる前にチーム名改称が取りざたされています。
 しかし、オーナーが今のところそれを断固拒否、という状況が続いています。
 これについてもまたいつか話したいです。


 ・San Antone
 テキサス州サンアントニオ San Antonioのことでしょう。
 アントニオ猪木も「アントン」と呼ばれることだし。
 サン・アントニオはNFLとは関係ない、と思ったらこれが違う。
 オークランド・レイダースが、地元での人気がもうひとつ盛り上がらないということで移転先を模索しているようで、サンアントニオもその候補である、と、シーズン開幕前にニュースで見ました。
 サンアントニオ市の関係者も移転となれば歓迎しているそうで、これは近い将来もしかしてもしかするかもしれません。
 ただ、サンアントニオに移転すると、テキサス州にはNFLのチームが3つになるのは、どうなのだろう。
 まあでも、カリフォルニアは3チームあるから、いいのか、でも、レイダースが移転すると2つになるんだな。
 さらには、西のレイダースが東というか南に移ると、同じ地区の他3チームの移動が大変そうです。
 この問題もレッドスキンズとともに注意深く情報を追ってゆきたいです。

 
 ・Liberty Town
 リバティタウンとはどこかの愛称、例えば建国にあたって憲法が記された土地であるフィラデルフィアの愛称なのかと思ったのですがさにあらず。
 ウィキペディアで調べると、メリーランド州にある国勢調査指定地域(Census-designated place; CDP)、とありました。
 さらにCDPを調べると、ここから引用します。

 アメリカ合衆国統計局の統計上の報告のために便宜上作られた、アメリカ合衆国の地方区分の呼び名のひとつ。
 CDPは個別の行政法人(市役所や役場、市町村議会など)を持たないが、それ以外は普通の市町村(city, village, townshipなど)によく似ている。

 とのことで、概念がいまいち分かりにくい。
 日本の中部や近畿とは違うだろうし。
 でも、アメリカでは普通に通用するものなのでしょうかね。
 ちなみに、リバティタウンがあるメリーランド州にはボルチモアがあり、NFLではボルチモア・レイヴンズがあります。
 レイヴンズは今季ここまで5勝2敗。
 最初は同地区のシンシナティ・ベンガルズが無敗でしたが負けが込んできて、その間に手堅く勝ちを拾ってきたレイヴンズは地区首位に立ちました。
 去年(一昨年のシーズン)のスーパーボウル覇者、侮れない存在です。


 ・Boston
 ボストンは日本でもよく知られた場所でしょう。
 音楽でもそのままバンド名があります。
 MLBのボストン・レッドソックスは昨年上原投手と田沢投手を擁してワールドチャンピオンに輝きました。
 アメリカの古都、なのでしょうね。
 NFLでは、ボストン近郊のフォックスボロにスタジアムを持つニューイングランド・ペイトリオッツがあります。
 ペイトリオッツは今季ここまで5勝2敗。
 出だしはもたつきましたが、2000年以降スーパー制覇3回、最も多くスーパーに出ているチームの底力が見えてきました。
 ところで、Patriotsは「ペイトリオッツ」と日本でも発音されていますが、でもハリソン・フォード主演の映画は「パトリオット・ゲーム」だし、ミサイルも「パトリオット」ですね・・・


 ・Batton Rouge
 バトンルージュは、ニューオーリンズがあるルイジアナ州の州都。
 洋楽の世界では、ジャニス・ジョプリン唯一のNO.1ヒットであるクリス・クリストファソンのMe And Bobby McGeeの歌い出しの歌詞に出てきます。
 それと、そろそろハロウィンですが、日本人の留学生がハロウィーンの際に玄関先で射殺された事件があったのもバトンルージュだったと記憶しています。


 ・Tulsa
 タルサはオクラホマ州にある都市。
 人口38万とのことで、アメリカではそれくらいだともう大都市なのかな。
 タルサはエリック・クラプトンで有名なTulsa Timeでロック好きにはおなじみ。
 そうか、南部にはゆったりとした時間が流れている、ということなのか。


 ・Austin
 オースティンはテキサス州の州都、だったのか、知らなかった。

 
 ・Oklahoma City
 オクラホマシティはオクラホマ州の州都、人口53万人、日本でいえば宇都宮くらいでしょうか。
 文化よりは産業の中心地であるようです。
 オクラホマといえばプロレス技の「オクラホマ・スタンピード」でしょうか。
 そして1995年の連邦政府ビル爆破事件でも名前が知られるところとなってしまいました。
 

 ・Seattle
 シアトルは西海岸最北部ワシントン州の大都市、人口56万、あれ、意外と人口は少ないんだな。
 イチロー選手がMLBシアトル・マリナーズに入団してからは日本人にもなじみの街となった感が。
 NFLでシアトルはいうまでもない、昨年のスーパー覇者シアトル・シーホークス。
 今年は3勝3敗、負け数がもう昨年と並んでしまいました。
 開幕戦のパッカーズとの試合を観る限り、今年も盤石と思われたのですが、どうしたのだろう。 
 これ、やはり、シアトルがどうというよりは、NFLの分析力の高さを表しているように思います。
 応援しているので今後の巻き返しに期待しています。
 曲の話、1990年代にニルヴァーナやパール・ジャムが出てきてシアトル発のグランジが一大ブームになり、いまだにその影響が音楽業界に残っています。
 後から思いましたが、それより10年近く前のこの曲でシアトルが触れられているのは、元々アメリカでも音楽の街として認識されていたのかな、と。
 シアトルはジミ・ヘンドリックスの出身地でもあるし。
 まあ、歌詞としてはアメリカの隅々までという意味でしょうけど、でも、偶然ではないように思えてなりません。

 
 ・San Francisco
 サンフランシスコはもう何を言わんや、ですね、カリフォルニア州の都市。
 NFLではサンフランシスコ・フォーティナイナーズ、日本でいちばん人気があるチームでしょう。
 今年は4勝3敗、まだ本調子ではないですね。
 ただ、昨年も最終的に12勝4敗、前半に2敗していたので、まだまだ分からない。
 49ersは今週はデンヴァー・ブロンコスと敵地で戦い、17-42で敗れました。
 まあ、僕からいえば、デンヴァーが42-17で見事勝利、だったのですが。
 この試合で、デンヴァーのQBペイトン・マニングが、NFLのタッチダウンパス新記録を樹立しました。
 それまではグリーンベイ・パッカーズなどで活躍したブレット・ファーブの508でしたが、この試合で追いつき、追い越し、510まで伸ばしました。
 幾つまで伸びるか、まあそれはペイトンがいつまで現役でやる気があるかにかかっているのでしょう。
 ところで、この試合は昨日生中継があり、僕は休みで、朝一に用事を足してから観ることにしていましたが、帰宅してテレビをつけるともう新記録が達成された後で、歴史的瞬間を見逃してしまいました、残念。

 
 ・Cleveland
 ここから2つはコーダの部分で出てきます。
 クリーヴランドはオハイオ州のエリー湖沿いにある都市、人口39万人。
 NFLはクリーヴランド・ブラウンズがあります。
 今年は3勝3敗、下馬評が低かったので5割は健闘と言えますが、しかし今週はまだ1勝もしていなかったジャクソンヴィル・ジャガーズに手痛い敗戦。
 先週はレギュラーシーズンでNFL史上最多となる28点ビハインドを逆転という記録を作ったのですが、まだ本物ではないということかな。
 ブラウンズは今年のドラフトで最大の話題だったQBマンジールを獲得して盛り上がっているようですが、さすがに大学時代に鳴らしたマンジールもまだプロには慣れていない上に、正QBのホイアーが先週までは調子がよく、マンジールの出番はまだ少し先になりそうです。
 クリーヴランドといえばロック好きが先ず思い出すのは、「ロックの殿堂」 The Rock And Roll Hall Of Fame And Museumがあることでしょう。
 いつ設立されたのだろうと調べると、この曲が出た1983年。
 これは偶然じゃないかも。

 
 ・Detroit 
 最後にヒューイは「ディトゥロイ(トッ)!」と叫びます。
 ここは、1987年の後楽園球場におけるブルース・ホーズビー&ザ・レインジとのジョイントコンサートでは、「トキオゥ!」と叫んでいたのがうれしかったし、会場は盛り上がりました。
 デトロイトはJBでも出てきましたが、NFLはデトロイト・ライオンズ。 
 今季5勝2敗、意外といっては失礼ですがディフェンスがよく、地区首位に立っています。 
 ただ、ライオンズは昨年最後の7試合で6敗してプレイオフ争いから脱落しただけに、楽観視していいのやら。
 ライオンズはそれなりに応援しています。
 財政破綻したことで心情的に、そしてもちろんモータウンの本拠地だから。


 数えてみたところ、重複を除いて2曲で16チーム、ちょうど半分が出てきました。 
 しかし、わがフィラデルフィア・イーグルスはまだですね。

 というわけで、お休みはもうないので、次にイーグルスが負けた時には、またアメリカの都市名が出てくる曲を探して取り上げたいと思います。

 ファンとしては、その曲を取り上げることないよう望むのはもちろん。
 しかし、現実問題として、もう1敗もしないとは思えないから、とここは冷静に。




 最後はYou-Tube映像について。
 
 文中で触れた公式のビデオクリップがYou-Tube上では見つけられませんでした。

 その代り、ライヴものを見つけました。

 これが素晴らしい!

 レコードとほとんど同じ、小細工していない真っ直ぐな演奏。
 ヒューイはそういえば、コンサートでもレコードと同じ音を出したい、客はそれを期待して来るのだから、といった趣旨のことを言っていたのを、昔何かのインタビュー記事で読みました。

 ホーンはタワー・オヴ・パワーのメンバーではないかと思われますが、それも価値が高い。

 僕が今まで見つけた、公式映像ではないYou-Tube映像ではいちばん気に入ったといっていい。

 個人的に面白かったのは、曲の終わりの方でヒューイがポケットからハーモニカを出すところ。
 歌と歌の間にちらっとハーモニカを見ているのは、きっと上と下を確認したのでしょう。
 そしてコーダで力強く吹く。
 ヒューイ・ルイスの魅力、カッコよさは、人としてのさりげなさにあるんだな、と思いました。 

 映像と音をお楽しみください!



 最後はこれを入れないと。

 フィラデルフィア・イーグルス、Bye-Week明けの来週は、敵地に臨んでアリゾナ・カーディナルスとの試合。
 ここまで5勝1敗、シアトルとサンフランシスコ(とセントルイス)と強豪がひしめくNFC西地区で首位に立っている手ごわい相手。

 正直、来週がその3曲目かなと覚悟しています・・・なんてファンが弱気でどうする!

 Fly, Eagles, Fly !