Where Eagles Dare アイアン・メイデン イーグルス5勝目! | 自然と音楽の森

自然と音楽の森

洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20141016IronMaiden

 ◎Where Eagles Dare
 ▼イーグルス・デア
 ☆Iron Maiden
 ★アイアン・メイデン
 released in 1983 from the album PIECE OF MIND
 2014/10/16

 今日の1曲はアイアン・メイデン。
 
 わがフィラデルフィア・イーグルス5勝目!

 今節はホームに同地区ライヴァルのニューヨーク・ジャイアンツを迎え、サンデー・ナイトの試合を行いました。

 試合結果

 ニューヨーク・ジャイアンツ 0-27 フィラデルフィア・イーグルス

 なんと完封勝ち!
 ディフェンスがリーグ32チーム中28位のイーグルスがっ、驚きました。

 相手のジャイアンツもこのところ3連勝して勢いが出てきていたところだから、ここで叩けたのはよかった。

 実は、先週の試合の後、NFL JAPANのサイトで不安になる記事を見ていました。
 
 今シーズン「評価が下がったチームや選手」の中に、わがフィラデルフィア・イーグルスがあったのです。
 それによれば、QBフォールズは調子いまひとつ、エースRBルショーン・マッコイも1回辺りの平均ラッシングヤードが昨年の半分以下でまだ100ヤードを走った試合がない、オフェンスラインメンに怪我人続出、ディフェンスもいいとはいえない、という主旨のことが書かれていました。
 しかし、それでも先週まで4勝1敗というのは不思議だ、どう評価してよいのか分からない、今後この調子が続くとは考えにくい、と、記事は終わっていました。

 さらにもうひとつ、アメリカのNFLのFecebookページで、そこの記者か解説者が見た今年のクォーターバックのランキングの記事も見ましたが、そこには10位以内にフォールズの名前がなかった。

 やっぱりな、研究されたんだろうな、2年目のジンクス(実際フォールズは3年目だけど実質2年目)、というよりは、NFLの相手チームの研究分析能力の高さを思い知らされました。

 今週の試合はテレビ中継がありましたが、忙しくて、今日漸く観られました。
 記事が遅れたのも、せっかく放送がある試合だから録画を観てから、と思ってのことです。

 試合を観ると、解説の板井征人さんが、フォールズとマッコイの不調について解析していました。

 イーグルスは昨年、ヘッドコーチがチップ・ケリーに代わり、新たにノーハドル・オフェンスを取り入れた。
 昨年は相手のディフェンスがそれに対応しきれなかったので、フォールズがパスを投げる際の余裕が生まれやすかった。
 さらに、ノーハドルにすると相手ディフェンスが真ん中に集まって来るところを、マッコイは外に展開して走路を見出すことが容易でラッシングヤードが伸びた。
 それが今年は相手に研究されてきた、とのことで納得しました。

 ノーハドル・オフェンスについて。
 プレイを始める前、オフェンス選手が円陣を組んで次はどの攻撃を仕掛けるかを話し合う、これをハドルというのですが、それからフォーメーションをとって攻撃を始めるのが普通。
 ノーハドル・オフェンスはその通りハドルを組まずすぐにフォーメーションに入って攻撃を始めるため、相手にこちらの陣容を見て考える余地を与えない、という攻撃方法。
 もちろん、オフェンスは事前に綿密に組んでおくのですが、それだけに高度な理解力、記憶力が求められるものです。

 試合は最初の攻撃でフィールドゴール、次の相手の攻撃は1回のファーストダウンだけでパントに追い込み、それを受けた攻撃でタッチダウン。
 その間、マッコイのランが以前の冴えを取り戻し、フォールズもパスを何人かに投げ分けて解説の人がほめていたほど。

 しかしこの試合はディフェンスがQBサック連発。
 ジャイアンツのオフェンスに文字通り何もさせることなく試合が終わりました。

 フォールズは結局パスが34回投げて21成功、248ヤード、2TD、2インターセプトと、数字的にはもうひとつでしたが、ディフェンスのおかげでそれが目立たない、いい仕事をしたといえます。

 マッコイは22回走って149ヤードを獲得。
 1試合70ヤード走れば年間1000ヤードの計算になる、一流選手といえるレベルですが、今回は100ヤード超えさらにその倍を走りました。
 それまではセインツから移籍してきたダレン・スプロールズの活躍の陰に隠れていましたが、見事本領発揮、今後もこのまま行ってほしいです。

 なお、そのスプロールズは試合中に捻挫したものの、次の試合は出られる軽傷だそうで、よかった。

 ただ、イーグルス、来週は"Bye-week"、試合が休みなんですよね。

 年間17週で戦うNFL、各チーム1度だけ試合が休みの週があり、イーグルスはそれが来週なのです。
 調子が出てきたところで休むのは痛いかな。
 でも、立ち直ってきているのでここでしっかりと引き締められるのはよかった、と前向きに受け止めましょう。
 休みの間にスプロールズの怪我が癒えれば試合を休むことなく出られる、ということもあるし。



 さて、今週のイーグルス応援歌はアイアン・メイデン。

 1982年に発表された4枚目のアルバムPIECE OF MIND 「頭脳改革」の冒頭を飾る曲。
 
 曲名の話からいきましょうか。

 Where Eagles Dareは、冒険小説の第一人者、英国のアリステア・マクリーンの小説のタイトルからとられています。
 さらにその小説はマクリーン自身の脚本により1968年に映画化され、『荒鷲の要塞』として日本でも公開されました。
 僕は、本は未読ですが、映画はビデオで観ました。
 
 第二次世界大戦中、敵に囚われた捕虜を救出するために、「鷲でさえやっと行ける場所」言われた要塞に潜入し、捕虜を救出して脱出するという任務を受けたチームの話。

 主役はかのリチャード・バートン。
 エリザベス・テイラーと何度か結婚離婚を繰り返したことでも知られる名優ですが、そんな人がアクション映画に出るというのが、観るまでは違和感大有りでした。
 しかしいざ観ると、毅然としたところはこの人にしか出せない味であると納得させられました。

 しかし、僕がこれを見たのは、若き日のクリント・イーストウッドが出ているから。
 彼はリチャード・バートンを補佐する役割ですが、りりしくてやはり任務に対する毅然としたところが実にカッコよかったです。

 そしてこれ、後の時代の人間が観ると、配役の妙というか、イーストウッドが出ているのだから絶対に助かるだろうな、と思えますよね。
 あ、実際はどうでしょうか・・・それはぜひ観てください(笑)。
 とても面白くかつハラハラドキドキした見応えのある映画でしたよ。



 さて、アイアン・メイデンはこのように冒険小説やSF小説からタイトルやテーマをとった曲名が多いですね。
 思いつくところを挙げてみると
 
 The Number Of The Beast (3rd) 
  = ロバート・A・ハインラインの同名SF小説のシリーズ名 『獣の数字』としてハヤカワSF文庫より刊行
 
 Stranger In A Strange Land (6th)
  = ロバート・A・ハインラインの同名小説、『異星の客』として東京創元社創元SF文庫より刊行

 Childhood's End (9th)
  = アーサー・C・クラークの同名小説、『幼年期の終わり』としてハヤカワSF文庫より刊行

 Brave New World (12th)
  = オルダス・ハックスリーの同名小説 『すばらしい新世界』として講談社文庫より刊行

 確かまだあったはずですが、それでももう5つあるので、メイデンには多いということがお分かりいただけるかと。

 僕はこの中で読んだことがあるのは『幼年期の終わり』だけ。
 でも、これがよかった。
 僕はSF小説はせいぜい40冊しか読んでいないというくらいであまり熱心ではないですが、その中では『幼年期の終わり』がいちばん面白くて好きな1冊です。
 これだけは2回読んだ、と書けばお分かりいただけるかと。

 『異星の客』は、1960年代後半のヒッピー文化に影響を与えた書と言われており、ロックとの関わりとしても読んでみたいのですが、なんせ文庫で厚さが3cmくらいある大作で、まだ踏み切れていません。

 『すばらしい新世界』は1932年の作品で、スティーヴ・ミラー・バンドやスティックスにも同名タイトルのアルバムがあり、ロックへの影響はこちらも大きい本ですね。
 これは買ってあるのですが・・・話はここで終わります(笑)・・・



 曲の話。

 メイデンの中ではスラッシーともいえる激しく熱い曲。
 
 聴きどころはなんといっても、このアルバムから新加入したニコ・マクブレインのドラムス。

 ドラムスのプレイは僕はよく分からないのですが、でも、ニコのプレイはキレ味の鋭さが魅力。
 新加入のアルバム冒頭のこの曲では、名刺代わりとばかりにキレ味鋭さがいきなりフルスロットル。
 特に、最初のヴァースのヴォーカルとヴォーカルの間のプレイは、ベースの鉄人スティーヴ・ハリスと張り合っている、そして勝っているというからすごい。
 
 ニコはペダルさばきがあまりにも速くて、「ツーバス疑惑」が持ち上がるほどですが、少なくともライヴで見る限りはワンバス。
 いったいどんな足をしてるんだと不思議でしょうがない。
 なんでも、本人はツーバスにしたいのだけど、マネージャーのロッド・スモールウッドに止められているという話。
 まあそうですね、彼がツーバスにすると「間」がなくなり音が埋まり過ぎてかえって疲れるでしょうから(笑)。

 ニコはしかも、それでいてユーモアたっぷりのキャラクター。
 関西弁でギャグを言いそうな人。
 リンゴ・スターとも通じる人懐っこさもあって、ほんと僕は、キャラクターとしては大好きなドラマーです。
 ドラマーとして、というと、ドラムスのプレイが分からないのに見栄を張っているように思われるので・・・(笑)。

 アルバムはいつか記事に上げることしているのですが、ひとつだけ。
 スティーヴ・ハリスは以前のインタビューで、もう20年近く前だけど、いちばん好きな自分達メイデンのアルバムはこれと言っていました。
 僕とメイデン英国ファンクラブ正会員の弟は、えっ、これがいちばん、とその時思いました。

 このアルバムは、コンパクトな曲でまとまっていて、メイデンらしい大作、長い曲がない、というのがマイナスポイントでしょう。
 ただ、今はメイデンにそればかりを求めるわけでもないし、そうなると楽曲の質は高いので、大好きなアルバムです。



 今回は、You-Tube映像でこの曲のライヴを見つけました。
 
 調べると、2008年7月26日、SOMEWHERE BACK IN TIME WORLD TOUR 2008/09におけるスウェーデンのエーテボリ公演からのライヴ音源だと思われます。
 
 ライヴだからメイデンらしさを味わえますが、ライヴだからニコのドラムスが多少控えめなのは、でもまあいいか。
 この曲はこのツアーの後は演奏していないようだし、この時は過去のアルバムからの曲を中心としたコンサートでやはり久しぶりに演奏したようで、貴重な映像といえますね。

 そうそう、Voのブルース・ディッキンソンの小さなひらひらがついたミノムシみたいな黒いパンツが、面白い、でもかっこいい(笑)。



 今回のイーグルス応援歌はアイアン・メイデンでした。

 ところで、この同じアルバムにThe Flight Of The Icarus 「イカルスの飛翔」も入っています。
 イカルス=イカロスは、高く飛びすぎて翼が溶けて墜落死した、という神話ですよね。
 
 わがイーグルス、調子が出てきたところでこの先落ちるだけ・・・なんて不吉なことを自分で言ってはいかん!

 ただ、今年は、同地区ライヴァルのダラス・カウボーイズが下馬評を覆してなぜか(?)調子が良く、昨年のスーパーボウル勝者のシアトル・シーホークスにも今週勝ってしまい、5勝1敗でイーグルスと並走しています。
 そのダラスとフィラデルフィアはまだ今年は試合をしていません。
 同地区だから2回当たるのですが、イーグルスとしてはダラス戦がカギになってくるでしょうね。

 そしてイーグルスはシーホークスとも対戦する、そこも大事。 
 昨年1位になっただけにタフな試合が続きますが、1週休んで心身ともにリフレッシュしてほしいものです。

 なお、来週はお休みなので、鷲ではない、NFLに関係する曲の記事を上げる予定です。
 
 Fly, Eagles fly!