(参考:N0892「ベネズエラ議会、右派議員への捜査を要求」)

http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11800967354.html


[La Jornada による]


3月20日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、これ以上の暴力行為を国は容認することは出来ないと警告した:「誤りを犯した市長は法により罰せられなければならない」。3月19日夜、タチラ州とカラボボ州の市長が、反対派の抗議行動にたいして公共の秩序を守る行動を取らなかったことにより、逮捕などの措置が取られているなかでのマドゥロの発言であった。


サンクリストバル(タチラ州、西部)のダニエル・セバジョス市長、サンディエゴ(カラボボ州、北部)のビセンシオ・スカラノ市長は、カラカス郊外のラモベルデ陸軍刑務所に移送された。ここには約1か月前から、野党指導者レオポルド・ロペスが暴力を扇動したことによって収監されている。


最高裁(TSJ)はスカラノにたいし、禁固10か月と15日の刑を宣告し、市長の職務を罷免した。かれは12月8日に再選されていた。ミゲル・ロドリゲス・トルレス内務・法務相は、これは抗議行動のなかでの道路封鎖、その他の秩序の破壊にたいして、これを避ける行動を取らなかったことによると説明した。


またサンディエゴの警察署長であるサルバトレ・ルチェセも、職務を果たさなかったことを理由に拘束された。これらの措置は法に基づいており、裁判がおこなわれ、かれらの人権は保障されている。これら極右の市長の逮捕は、民間および公共の組織がTSJの憲法法廷に保護を申し立てたことによる。


カラボボ州、サンディエゴの警察は、数時間以内に介入により活動停止となると、マドゥロは表明した。


ロドリゲスによると、スカラノにたいしては14の組織が訴えており、セバジョスの場合も7件以上の告発を市民はおこなっている。かれらは公共にたいする秩序の破壊を防止する行動を取らず、このため暴力的なものたちが道路にバリケードを築き、自由な交通の権利を侵したものである。


全国選挙評議会(CNE)は、「サンディエゴにおける市長の逮捕と罷免という事態をまえに、あらたな選挙」を実施することを伝えた。


マドゥロは法を遵守しない市長にたいして、その代償を支払わせることに何の躊躇もないと強調した。かれらが暴力を助長することによって、最近の最高検察庁の報告によると、2月12日以来、死者31人、負傷者461人がうまれている。「いかなるものであれ、どのような立場であれ、法の上に立っていると考えることは許さない。許されると考えることは」、マドゥロは語った。


これらの市長が、国の安定化のために呼びかけられた対話への参加を拒否したことを非難したのち、カラカスのチャカオの市長、ラモン・ムチャチョについて、2人の市長とともに、反政府抗議行動を容認、助長したことから刑務所送りとなることを警告した。


マドゥロはビデオを紹介した。このなかでラモン・ムチャチョは地域の住民たちの集会のなかで、抗議闘争は方向を変えさせるための圧力となること、あるいは「政府を変えるのだ・・・この街では民兵や治安部隊は注意して行動している。ここは世界から見られていることを知っているのだ」、と話していた。


引き続き「クーデターの試み」を失敗させるのが戦略であるとマドゥロは強調した。「いかなるものも(国家とベネズエラ人民の)正義の意思に危害を与えることはできない」。「われわれの国軍からはピノチェトが出てくることはない;それは道徳の歴史から、イデオロギーから、われわれの軍の価値観から否定されている」、知事と市長の会合のなかで、チリの独裁者アウグスト・ピノチェト将軍(1973-1990)に言及した。


ムチャチョ市長は、ツイッターによって、ビセンシオ・スカラノにたいして連帯を表明した。「言い表すことのできない攻撃」であると決めつけた。


野党の指導者でミランダ州の知事であるエンリケ・カプリレスは、セバジョスとスカラノの逮捕について、「火に油を注ぐようなもの」と批判した。この国で起こっていることの責任はマドゥロ一人にあると主張した。


市長の逮捕が伝わるや、学生たちは3月20日のカラカスにおける抗議行動を呼びかけ、これには若者を中心に3000人が集まった。3日間カラカスの街頭での衝突はなかったのだが、この日治安部隊と急進派はいくつかの場所で衝突した。警察部隊は催涙弾と放水車によって、デモ隊を解散させた。


衝突は反対派の市であるバルタにおいて、デモ隊が高速道路を封鎖して、警察部隊を阻止しようとして始まった。


サンディエゴでは、スカラノの支持者たち数百人が、明け方まで広場にとどまり、3月20日には、道路が何カ所か封鎖された。


政府との対話を拒否する急進派野党にたいする法的攻勢は、マリア・コリナ・マチャド議員をも射程にいれている。彼女はもう一人のマドゥロ追い落としの急先鋒である。3月18日、議会の多数を占めるチャビスタは、マチャドを抗議行動での「犯罪の扇動、祖国への裏切り、テロリズム、殺人」で告発した。


米国は2人の野党市長の逮捕について、「深い懸念」を表明し、カラカスの当局にたいし、即時かれらを釈放することを要求した。国務省報道官のジェン・プサキは、これらの人物は「不正義に」収監され、したがってマドゥロの政府は、反対派の意見を「犯罪にする」ことなく、かれらを含んだ対話を開始するように語った。


ラパスにおいては、ボリビアのエボ・モラレス大統領は米国の5人の議員と会談し、バラク・オバマの政府が、民主主義とニコラス・マドゥロの政府を尊重するように要請した。議員との2時間におよぶ会談のなかで、両国関係の問題を検討し、またベネズエラ情勢についても話し合われた。モラレスは、ラテンアメリカ・カリブの政治的立場が尊重されることを主張した。


モラレスは、ワシントンをラテンアメリカにおける反帝国主義の政府を打倒することを目指しており、ベネズエラにたいして石油のために介入しようとしていると告発した。「これはリビアにおいても起こったことだ」、モラレスは指摘した。(N0895)