(参考:0715「プエルトリコ学生ストに、警察による排除を警告」)


米国の自由州であるプエルトリコにおける経済危機は、失業者17%を記録している。財政赤字は32億ドルとされる。2009年1月以来知事である、新進歩主義党(PNP)のルイス・フォルトゥーニョは、公共支出の削減をはかっている。その一環としてプエルトリコ大学(UPR)の授業料を現状から300%増とする、800ドルの負担増を2011年1月から実施すると発表した。


これにたいし学生たちは12月14日に、無期限のストライキに突入、10日を経過した現在もストを継続、政府案の撤回を要求している。政府案は貸付金の保証もなく、実施に移されるならば、10,000人学生に影響を与え、とりわけ貧困家庭などの学生への、大学で学ぶ権利をはく奪することになるというのが、学生たちの主張である。


学生は各科目で49ドルを支払うことになる。すでに2005年に授業料は33%引き上げられたが、政府の財政問題を何ら解決することはなかった。今年の4月21日から6月21日にかけても、授業料値上げと歳出削減案にたいして学生が抗議行動を展開、双方が合意に達し、値上げが見送られた経過がある。


学生の政府、大学への交渉要求は当局によって拒否されている。サンフアン市に近い、自然科学部などリオ・ピエドラス学舎におけるストライキは、サンフアンに近いカロリナ、ウマカオ(東部)、カジェイ(中部)の構内へとへと拡大してきた。


12月20日には、学生たちはサンフアン街頭に進出し、戦闘警察(FC)とのあいだで激しく衝突、警察は催涙ガスを使用、鎮圧にあたった。正確な数字は確認されていないが、約30人が逮捕され、数十人の学生が負傷、病院に運ばれ医療措置を受けている。


12月23日、キューバ議会は、プエルトリコにおいておこなわれている学生にたいする弾圧にたいして、これを中止するように要求した。学生たちの要求はすべてのプエルトリコ人、人権団体から支持されている。これにたいする植民地権力(米国)と共謀した警察による弾圧の中止を要求することはわれわれの義務とみなす、と述べている。


学生たちの抗議行動は、父母、教授、大学労働者から支持されているようである。UPR非教員労働組合(HEXND-UPR)は、学生の闘いへの連帯を表明し、警察による大学構内の占拠を非難した。電気工業・送電労働組合(UTIER)のアンヘル・フィゲロア・ハラミジョ委員長は、闘いはわれわれの子どもが勉強できるためのものだ。これは合法的なものであり、必要なことだ」、と支持を表明した。


これにたいしUPR学長のホセ・ラモン・デ・ラ・トーレは学生の抗議行動は授業料問題ではなく、政治的に政府を打倒しようとするものであるとの考えを表明した。警察の責任者であるフアン。セルヒオ・ルビンは学生および労働者を「かれらはテロリストである」として、その弾圧を正当化している。ベネズエラ国営ラジオ(RNV)は、プエルトリコ憲法は抗議行動の権利を保障しているにもかかわらず、大学、警察はこれを認めないと批判している。(0908)


* この記事は、Adital, BBC Mundo, DPA, EFE, RNV, を参考にしました。