(参考:0544「ベネズエラ、コロンビア間の緊張、ウナスールの会議へ」)


11月27日、エクアドールのキトにおいて、南米諸国連合(ウナスール)外相・国防相会議が開催された。10月30日にコロンビアが米国にたいして、米軍が7つの軍事基地を使用することを定めた協定を締結していらい、これを社会主義にたいする帝国の侵略ととらえるベネズエラなどとコロンビアが対立し、国境地帯の緊張関係も高まっていることに対処しようとするものであった。


コロンビアはハイメ・ベルムデス外相とガブリエル・シルバ国防相が直前になって、会議を欠席することになった。「この間の侮辱からして、会議の場において、敬意や公正さをもった議論がおこなわれるようには予想できないため」というコロンビア側の説明がおこなわれ、外務省アメリカ局長などの実務レベルの参加となった。ベネズエラのニコラス・マドゥーロ外相は、「説明のできない、大きな誤り、ウナスールへの軽視だ」と批判した。


しかし会議にはコロンビアのベルムデス外相による外交メモが提出された。コロンビアは米国との協定のなかで、「他国の内政に干渉することはない」という原則が含まれていると声明をおこなっている。また米国国務省のヒラリー・クリントン長官は前日にウナスール諸国に送った手紙のなかで、「南米諸国の主権と統合へのまったき尊重」を米国とコロンビアとの軍事条約は実行することは明白であると述べた。


コロンビアと米国による、この「保障」をうけて、ブラジルのセルソ・アモリン外相は、満足の意を表明した。「会議から楽観主義になった。なによりも我々が心配していた問題に関して、公式の保障が得られたのだ」。ペルーのホセ・アントニオ・ガルシア・ベラウンデ外相は、「かなりの前進をみた。多くの国が要求していた公式の保障をコロンビアはおこなった。満足である」と述べた。議長役であるエクアドルのファンデル・ファルコニ外相は、「今日の会議の最大の成果は、協定は他国を侵略するものではないと完全に保障する文書を得たことだ」と満足する考えをしめした。


しかしベネズエラのマドゥーロ外相は、これについてコロンビアと米国から文書による保障を得たのであって、「われわれは無邪気さで過ちを犯してはならない。文書は具体的な行動に変えなければならない」と強調した。すべての政府は文書を現実になるように、ホンジュラスのようにそれが、だましにならないように努めネければならないと述べた。


コロンビア・米国の軍事協定の内容は、11月3日からコロンビア政府のインターネットのHPで公開しているという。コロンビアのシルバ国防相は、「ほかの国もわれわれに見習うか見てみよう。たとえばベネズエラ・イラン間、ベネズエラ・ロシア間、ブラジル・フランス間の軍事協定を、かれらが公開するものか」とラジオ・カラコルで発言した。


シルバ国防相はまた、おなじところで「われわれの第1の義務は戦争を避けることである。しかし第2の義務は、何者かがコロンビアに仕掛けてきたとき、戦争をおこない、これに勝利することである」とも問題発言をおこなった。ベネズエラのマドゥーロ外相は、シルバ国防相の発言に対し、「狂った無責任な狙撃兵」でありボゴタからベネズエラにたいして発砲を始めたと非難した。(0550)