(参考:0247「コロンビア下院、ウリベ3選の国民投票案を可決」)


コロンビア議会の、アルバロ・ウリベ大統領三選のための国民投票案を審議する両院調整委員会は、6月19日、会期満了による時間不足のため、国民投票案を採択できず休会となった。6月20日から7月20日までが休会となるため、国民投票案の審議は次の会期で再開されることが決定されているが、特別会期を政府が招集しないかぎり、その採択は7月20日以後となる。


ウリベ大統領は2002年に大統領に当選、2006年には憲法を改正して連続2期目の任期の途中にある。ウリベ大統領はみずからの3選について、その意思をなんら明らかにしてはいないが、ウリベ大統領を支持する議員は3選にむけての準備を進めてきた。2008年12月には下院で国民投票案を採択したが、これは技術的なミスで、2014年の選挙を意味する文言であった。2009年5月には上院で国民投票案を採択、こちらは2010年の選挙となった。上下両院で内容が異なるため、これを調整して、再度両院での採択が法的に必要となっている。


議会における国民投票が決定されたのち、これは憲法裁判所に送付され、合法かどうかが審議される。ファビオ・バレンシア内相によると、憲法裁判所の判断が出るのは2009年の11月、国民投票が実施されるのは2010年の1月頃になると予想している。しかし専門家によると、憲法裁判所の判断はもっとずれ込むのではないかとも見られている。そうなると2010年5月の大統領選挙に間に合わない事態も可能性として大きくなってくる。


400万人の署名による国民投票の申請という形態になっているが、ここにきて署名自体いまだ法的に正当なものと確定していないとも主張されている。ウリベ大統領3選にとって、大きく影響しているものが、大統領と裁判所との対立である。最高裁は大統領の従兄弟であるマリオ・ウリベ議員を含む86人の下院議員について、右派民兵(パラミリターレス)との違法な関係を捜査している。この86人の議員はウリベ派であり、昨年12月に国民投票に賛成の投票をおこなった。


ウリベ大統領は世論調査による支持率の高さと、財界の支持を基盤としているが、野党勢力からの独裁政治、憲法違反との批判も強い。裁判所が国民投票を承認した場合、有権者の25%以上、720万人以上が参加しての国民投票が実施されることになる。(0409)