ガダルカナル戦書籍一覧


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2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次
2014年 ガダルカナル島御慰霊行 目次
2015年 ガダルカナル島御慰霊行 目次

山浦丸 より続いております。

現在地はガダルカナル島西部戦跡ドマ湾であります。


次に向かったのは昭和17年10月、第二師団主力を揚陸した第一次高速輸送船団六席のうち一隻だけ海上に姿を残していた九州丸の擱座位置であります。

山浦丸と山月丸の姿が写っていないので第二次高速船団擱座以前に撮影された写真と思われます。

第一次高速輸送船団(平均速力18ノット時速凡そ32km)
編成:輸送船、佐渡丸・九州丸・吾妻山丸・南海丸
   護衛駆逐艦、秋月・春雨・村雨・夕立・時雨・五月雨・白露・有明
昭和17年10月12日19:00ラバウル出撃

昭和17年10月14日04:30、先行していた笹子丸・埼戸丸がイサベル島北岸で合流。
同日14:30 米軍機30数機襲来 敵機四分の一を撃墜我に損害なし
  16:30 第二波30数襲来 敵機にかなりの損害を与え我方損害軽微
  22:00 タサファロング泊地到着、揚陸開始


揚陸開始時の位置

駒宮七郎氏著「船舶砲兵」より

15日04:30 米軍機高高度爆撃損害なし
  夜明けと共に艦爆10機襲来
  05:30 友軍機飛来空中戦に移行
08:00頃より
  13日戦艦金剛・榛名による艦砲射撃で壊滅した筈のヘンダーソン飛行場より米軍機襲来
08:00前後 吾妻山丸は積載弾薬類に被弾火柱を上げ沈没


吾妻山丸と思われる写真・米軍撮影


08:20 笹子丸四番艙被弾引火火災、猛火に包まれながらやや西方に流され08:50沈没
  11:00頃九州丸被弾、11:20誘爆火災
  13:50 残存の埼戸丸・佐渡丸・南海丸退避帰途に着く
  15:00 九州丸船尾を水面下に没し擱座     



当時の九州丸の写真




↓に書き込まれた情報が正しいのであれば三隻ともほぼ同じ地点に眠っている事となる。


そして第一次高速輸送船団六隻のうち唯一海面に姿を残しているのが九州丸。
笹子丸と吾妻山丸は海面下数十米で眠っていると推察されます。

参考までに九州丸とタサファロング岬付近には舞鶴第四特別陸戦隊本部と第一中隊が海岸警備で布陣されておりました。

グーグルアースに書き込むと↓

エスペランスからクルツ岬までの西部海岸は日本軍の戦跡が続いていることがよく判ります。


そして現在の九州丸は・・・

↑撮影位置

PIARUビーチと呼ばれている砂浜でありました。

看板左下に金額は消されていますがエントランスとあります。
この地も案内人ノニ氏の親戚が居るとの事でエントランスを無料にして戴き雨の中散策する事も無くビーチを連写。

西方より


この辺りにサボ島が見える筈なのですが・・・

海の中に浮かんでいるのは雨中海で泳ぐ村人

サボ島に続きツラギ・ガブツ・タナンボコのあるフロリダ諸島も雨にけむり見ることが出来ず


この辺りに九州丸が舳先を天に向けていなければならないのですが・・・

撤退する日本兵の目印となっていた九州丸の姿は・・・残念至極、今は姿を見ろ事る出来ません。

岬の突端付近には吾妻山丸・・・

岬を超え右西方には笹子丸が眠られているはず・・・

九州丸は戦後何度も来襲したサイクロンによって海中に没したと現地の方は仰られておりましたが真実は不明であります。
ダイビングの免許を取得し潜れば九州丸には会えるのかも知れません。
吾妻山丸は水深40メートル付近との情報もあり並みのダイバーでは目にすることは出来ないようです。
笹子丸については情報を得ることが出来ませんでした。

米軍機猛爆の中、兵員・糧食・弾薬の揚陸に生命をかけられた乗組員の皆々様のご冥福を祈り・・・黙祷・合掌



結局、鬼怒川丸以外の擱座輸送船は陸上からは目にする事が出来ない事を確認するだけとなってしまいました。

擱座した輸送船の位置は笹子丸を除き↓で間違いありません。

※笹子丸だけ現地情報が得られなかった為未確定

ガ島に於いて堂々と流布されている此の輸送船沈没位置は・・・

鬼怒川丸・九州丸以外は出鱈目な位置だと指摘させて頂きます。

つづく


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