ガダルカナル戦書籍一覧


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2012年に御慰霊にお邪魔した時公開した記録です。
2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次

現在公開している御慰霊行の記録です
2014年 ガダルカナル島御慰霊行 目次


現在地:ソロモン諸島ガダルカナル州 マタニカウ川 渡河点
現地時間 09:17 日本時間 07:17


対岸より、漸くマイケル氏の元気な姿を確認した我々は少し下流でマタニカウ川で渡し舟ならぬ渡しカヌーで対岸渡るべく交渉をしていた。


自分はその間カヌーの安定性に不安を抱きマイケル氏のお見舞いと打ち合わせはK隊員に一人で行ってもらおうと目論んでいたのであります。


K隊員、「支援物資とお見舞金については問題ないが爾後の行動の相談については全く自信が無い」
と難色を示す。

理はK隊員にあるのだが・・・マタニカウ川のちょっとした惨事 で懲りている自分は

「そんな事はどうでも良い!! マイケル氏のお見舞いに来たと伝え時間が出来たら爾後の相談をしたいと伝えよ」
と冷たく切って捨てる。

さらには
「あのカヌーの安定性には疑問が残る。君の方が運動神経も良く事故の可能性は低下するではないか」
さらにさらに
「なにも二人でリスクを犯す必要は無い!!」

と納得の行かぬK隊員から電子機器を預かり送り出したのでありました。


川岸を安全確認しながらカヌーに接近するK隊員


支援物資のレジ袋を先にカヌーに乗せ乗艇を試みる


やはり安定性に欠けるようであるが・・・持ち前の運動神経で・・・


無事、対岸に到着


村人にマイケル氏宅までの道案内を依頼しているらしい


K隊員、村人と共に密林に入り視界から消えた。

さてである。

暇にまかせマタニカウ川から見上げる見晴台を動画撮影。

正面の丘が第三十八師団歩兵第二二八連隊第三大隊第十中隊長・軍神・若林東一中尉(当時)が持久守備された見晴台第三陣地と思われた。

若林中隊長の戦いの記録 → 若林日誌

今の自分が立つ位置は若林中隊が持久戦を耐えていた昭和18年1月頃、米軍の占領下だった地点。
若林中隊長の艱難辛苦に耐え散華された記録を思い出しながらK隊員の帰着を時を忘れて待っていると・・・





悲劇は突然訪れたのであります。
往路の状況を考え渡河時事故の可能性は無しと判断油断しておりました。
カメラを構えた時は既に遅し


対岸村人の爆笑の声

状況: K隊員、慎重にカヌーに乗り込むも離岸する際、サポート役の青年がエイとばかり舷側を押した為バランスを崩し・・・

赤丸付近で転覆後、下流に流されながらも岸へと向かうK隊員
※ガ島の川は水温が高く夏場の海水浴で体感する位の水温


↓は事故後、渡河成功した動画



帰着後、果敢な行動を褒め称え労いビショ濡れとなった着衣装備を乾かすお手伝いをさせて戴きました。

こんなこともあろうかと電子機器を没収していたのが幸い、また今次ガ島行に備え装備したK隊員の度入りサングラスも流されず一安心。

K隊員一言「サポート役が強く押した(-_-メ」
と憮然としておりました。

K隊員の身を捨てた斥候により状況判明。
マイケル氏の村からは死者行方不明者はないが数軒流され飲料水・食糧欠乏、政府に支援をお願いする手続きと取敢えずの生活環境復旧のため忙殺されていたとの事。
然しながら明日政府に嘆願書提出にホニアラ市街に行くから午後一番位にメンダナホテルを訪ねるので待っていてくれとのお言葉を頂戴したのであります。

明日の昼迄はフリータイムとなったのでK隊員の乾燥を待ってホニアラ市外へ戻るべく歩を進めると・・・

被災後、道の復旧を待ち早々に営業を開始した乗り合いバスを発見、聞けばマタニカウ村からチャイナ・タウンまでの運行である。

ネイティブ以外乗っているのを見た事が無いが、二度目のガ島行と連れがいる安心感で面の皮も厚くなり乗客の興味津々の眼を浴びながらも初乗車。
一人2ソロモンドルはネイティブ価格、1ソロモンドル上乗せされ一人3ソロモンドルでチャイナタウンへと向かったのであります。
※村人たちの中に強烈な体臭を発する者あり、乗車する際は覚悟必要。

時は:現地時間 11:00

我々の移動経路


我々がドタバタとうろついている位置を昭和18年1月初旬の布陣図と重ねてみます。

※歩兵第二二八連隊史より
渡河点付近がガ島要図資料に散見される一本橋付近と思われました。

被災後にも関らずK隊員の転覆を大声で爆笑する底抜けに明るい村人たちが居住する此の地こそ昭和17年11月より18年1月にかけて日米両軍が対峙した最前線なのであります。

つづく


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新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト

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石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



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