ガダルカナル戦書籍一覧


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2012年に御慰霊にお邪魔した時公開した記録です。
2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次

現在公開している御慰霊行の記録です
2014年 ガダルカナル島御慰霊行 目次


ツラギ御慰霊行の途中ではありますがタナンボコ島の宮川・桜井壕位置について判明した事があったのでご報告申し上げます。

そもそも、宮川・桜井壕とは何かと申しますと・・・
昭和17年8月7日ガダルカナル米軍侵攻と共にツラギ地区にも同日早朝より上陸作戦が行われガブツ・タナンボコ両島にも米軍が押し寄せて来ました。

ガブツ島には7日早朝より、タナンボコ島には7日夜上陸作戦が実施されました。

横浜航空隊の一等整備兵・宮川政一郎氏と三等工作兵・桜井甚作氏は科も違い一面識も無い関係で7日米軍夜間上陸に備え航空燃料のドラム缶を上陸想定地に配置した後、大型防空壕へ戻ったのですが壕は負傷者が一杯で入れない。
この負傷者とは、7日早朝米軍侵攻の報をうけ急ぎ発進しようとした97式大艇7機は上空より米軍の掃射を受け全機沈められてしまった際の搭乗員でありまた。

宮川・桜井両氏は壕に入れず入り口で佇んでいたところ、桜井氏の記述では浜空の勝田副長より「怪我をしていないのなら向こうの壕で見張りをせよ」と命令を受け向こうの壕へと移動したとある。
宮川氏の記述ではその後一分隊長藤沢大尉より「宮川と桜井はこの壕に留まり敵の上陸監視せよ」この壕に残ったとある。

此の向こうの壕この壕が自分が勝手に名づけた宮川・桜井壕であります。

両氏が立て篭もる壕に8日夜艦砲射撃の不発弾が壕上より貫通し土砂が崩れ生き埋めとなり両氏が意識を取り戻した時には既にタナンボコの戦いは終結しており、その後50日間壕の中で生き延びてガオミ島~フロリダ島へと渡り原住民に捕らえられ捕虜となり終戦を迎え奇跡の生還をされたのです。

此の両氏が50日間生き延びた壕を発見しようと今回の御慰霊行で現地探索したのですが発見に至らなかった訳であります。
今回の御慰霊行の前に同行するK隊員へタナンボコに野営する予定なので「此れ位は読破せよ」と貸し渡した桜井氏の「地獄からの生還」が数日前返却され再拝読した訳であります。


嗚呼・・・





何とした事か

現地へ持参した資料↓両氏の残された壕位置を示す要図
桜井氏の「地獄からの生還」より



ブロ友さまよりご提供を受けた雑誌「丸」の記事にある宮川氏の要図


遠い記憶を遡り作られた要図の壕位置は二枚を比較すると曖昧であります。



そして「地獄からの生還」の図ではなく記述には・・・

ガブツ上陸と共に激しい艦砲射撃を受けている場面
29~30頁
私の入った士官壕はツラギ・ガダルカナル方面が良く見える海側にあったので、敵側からも士官たちの出入りがまる見えだったのだろう。
・・・中略・・・
士官壕側の海辺はサンゴ礁が遠浅のように広がっていて舟の腹を削ってしまい上がってはこれまい。


艦砲射撃の合間を縫ってドラム缶を上陸想定地へ配置した後大型壕に戻った場面
30~31頁
勝田副長より「お前ら怪我をしていないなら向こうの壕で見張りをしていろ」と六倍の双眼鏡を渡されときには壕に入れて貰えない悔しさ・・・中略・・・しかたなく宮川一等整備兵と弾雨の中をもとの壕に戻った。


壕に閉じ込められ壕内の食糧を探す場面
35頁
この壕は6~7人は入れる壕で士官が緊急避難に使うところだった。
私は士官の命令で食糧を運び込んだことがあったから・・・後略




士官壕ではないか・・・


両氏の要図に頼り記述の部分が記憶から欠落していた(ノ_-。)

帰国後発見したアメリカ海軍歴史センター(US Naval Historical Center)の資料


この資料の12番は → 配置翻訳記事


指令本部・無線室

士官室である( ̄_ ̄ i)

グーグルアースに書き込むと・・・


指令本部・無線室が士官室とすれば↑の大型壕が士官壕ではないか・・・


この壕である



そして・・・此の壕はビビリながら最初に入った壕である。


あの壕が宮川・桜井壕だったのか・・・






一度に纏めようとしましたが、長くなりましたので宮川・桜井壕2へつづきますm(_ _)m




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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉  長谷川榮作さまのホームページ
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新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト

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石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



平成24年9月8日 日本青年遺骨収集団さま主催による ガダルカナル島「丸山道」自主派遣隊 の皆様がガ島御遺骨収集をされ7柱の御遺骨をお迎えされたそうです。
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