ガダルカナル戦書籍一覧


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↓ガ島見晴台配置図
ガダルカナル Guadalcanal


作文 従軍慰安婦・慶子
同日の 西山日誌
前日の 若林日誌
前日の 亀岡日誌
五日の アウステン山の記録
三日の 堺台第一拠点の記録
堺台第二拠点 歩228連隊12中隊のガ島戦 


第三八師団歩兵第二二八連隊 第十中隊長
見晴台 若林東一中尉 の日誌

昭和十八年一月七日 木 ガ島上陸64日目
本日、中隊患者集合所にいたりぬ。
予を見るや、皆声をあげて連呼し「すまぬすまぬ」と泣く。
その状態、得も云われず。
衛生材料乏しき状態なれば、療養意に任せず、逐次化膿する者多し。
その如何ともなし難きを残念とす。
昨夜の砲撃物凄きものなり。
恐らく、我が陣地附近のみにても二〇〇〇発は下らざるべし。
概ね一時頃より五時頃迄撃ち続けたり。
敵の事ながら砲の破損を心配す。
今朝我が陣地附近は為に一段と清掃さられ、木は裂け壕は崩壊して中々の絶景なり。
最近に於ける敵の常套手段は、概ね午後より翌朝まで間断なき砲撃を実施、砲撃終わるや飛行機上空に出現して爆撃、地上掃射を実施、其の間に敵の歩兵わが第一線に近接、バラバラと探り射ちを始む。
若し我れ之に引き付けられて途上射撃を始むるや、機を失せず後方に合図をなして、軽迫撃砲の射撃を命ず。
斯くて、概ね午前中に終え、午後の段に入る。
その間砲兵は、砲の手入れ及び前夜の疲労を回復しあるならんか。
斯くて、我に一睡の余裕も与へざる考えなるか。
吾も又、その手に乗らず、次第に図々しくなりあり。
結局、突撃力なき敵は恐るるに足らず。

"衣食足りて礼節を知る"
上官も部下も軍人精神も 此の飢餓のどん底にありて
明確に其の正体を暴露す 其の期間短かからず
利己心は遺憾なくあらわる 体裁もかききえて
何もかもさらけだしなり 階級も其の観点よりして
何の価値なき遮蔽物なり 部下より上官を見ば
それ明に白 日月のごとし

本日某地域に於いて敵はGを使用せりとその卑怯憎むべし

   もののふは名こそ惜しめ桜花
     散りてぞ人にたゝへられなむ

   わが家の血筋たとへ絶ゆるとも
     すめらみくには永遠にはえなむ

       絶筆                

若林中尉の日誌はこの日以降綴られておりません。
戦死されたのは1月14日となります。
米軍の見晴台への本格的侵攻は十日からですが、恐らくこの日以降日誌を綴る余裕のない程の砲爆撃が繰り広げられ陣地補修等に没頭していたと想像します。

他の資料から
1月12日米軍の活動は活発となる。
13日
砲爆撃熾烈を極め払暁より十数倍の米軍による攻撃が開始され戦死傷者が続出し、中野中尉戦死、若林中尉頭部負傷。
負傷した若林中尉は屈せず兵を督励陣地を死守。
この日だけで七十余名の戦死者を出す。
14日
払暁より攻撃再開、各拠点は包囲され、間隙より浸透し後方へも米軍が回り込み若林中隊は孤立、若林中尉は意を決し残る部下数名を指揮し弾幕激しい敵陣に突入、敵将校を含む数名を倒すも迫撃砲により散華された。
14日15:30の事である。
とあります。

↓若林中尉の同期生、谷晃夫氏の画、10加中隊長としてガ島戦に参加。
ガ島戦線重傷の身を兵に扶けられ大隊本部へ報告に行く若林中隊長
ガダルカナル Guadalcanal
大隊長の西山日誌をまだ読了していないので明確ではありませんが13日頭部負傷の際報告へ向ったのではないかと考えます。
また若林中尉の遺された「後ニ続クモノヲ信ズ」は日誌には綴られておらず、この報告の際に西山大隊長へ託された言葉となります。

若林東一中尉の日誌原本は靖国神社の遊就館に展示されております。
11中隊で見晴台で戦われた斉藤氏の→記録

若林中尉を偲び発刊された書
かかる中隊長ありき
 ガダルカナルで散華した
  軍神 若林東一の日記
ガダルカナル Guadalcanal
軍神若林中隊長追悼録
 後に続くものを信ず 十全会編
ガダルカナル Guadalcanal

本年二月にお邪魔した若林中尉の墓所→常楽寺

若林中隊、ガ島戦御戦没者名簿(敬称を略させて戴きます)

大尉 若林 東一 18.1.14 山梨
少尉 曽根 正三 18.1.14 岐阜
少尉 日江井  ○一 18.1.11 岐阜 ○字※金へんに皇で一文字
准尉 岡崎 茂次 18.1.14 岐阜
准尉 渡辺 年雄 18.1.1 愛知
曹長 藤原 健二 18.1.12 岐阜
軍曹 吉田 弘之 18.1.12 岐阜
軍曹 宮嶋 守 18.1.12 岐阜
軍曹 森田 利雄 18.1.12 愛知
伍長 林 正 18.2.1 愛知 戦病死
伍長 河井 盛 18.1.14 愛知 戦病死
軍曹 竹内 満 18.1.14 愛知
伍長 加藤 勇 18.1.14 愛知
伍長 山田 政義 18.1.12 愛知
伍長 鈴木 和夫 18.1.19 愛知
衛生伍長 溝口 常寛 18.1.19 愛知
伍長 井上 巌 18.1.13 岐阜
伍長 山田 薫 18.1.31 岐阜
伍長 正田 啓蔵 18.1.31 岐阜
大尉 中野 正敏 17.12.27 愛知
軍曹 浅野 藤吉 18.1.5 愛知
軍曹 長瀬 晋 18.1.5 岐阜
軍曹 小栗 幸平 18.1.19 岐阜 戦病死
伍長 鈴木 由雄 18.1.19 愛知
伍長 伊藤 傳七 18.1.12 愛知
伍長 伊藤 俊一 17.12.27 愛知
軍曹 河野 廣仲 17.12.27 愛知
伍長 山田 金幸 17.12.27 愛知
兵長 山田 一郎 18.1.10 岐阜
伍長 杉山 駒男 18.1.19 岐阜
軍曹 高瀬 廣之 18.1.14 愛知
伍長 佐藤 年夫 18.1.11 岐阜
兵長 土井 益三 18.1.11 愛知
伍長 小山 太郎 17.12.27 岐阜
伍長 山田 兼一 17.12.29 岐阜
軍曹 澤田 精視 17.12.29 岐阜
伍長 柴田 弘 17.12.9 愛知
兵長 尾関 孝信 17.12.13 愛知
伍長 原 枝四郎 17.12.6 岐阜
曹長 木村 栄一 17.12.20 愛知 戦病死
伍長 佐藤 春吉 18.1.12 岐阜
伍長 石川 七三郎 18.1.7 愛知
兵長 瀬永 金夫 17.12.7 愛知
伍長 山田 京光 17.12.27 愛知
兵長 市石 鴻健 17.12.21 愛知 戦病死
兵長 山田 喜一 17.12.11 岐阜 戦病死
伍長 山田 悳夫 18.1.17 岐阜
伍長 稲垣 章義 18.1.13 愛知
伍長 長崎 正雄 18.1.19 愛知
伍長 後藤 源 17.12.14 愛知
伍長 市岡 七五三吉 18.1.12 岐阜
伍長 丹羽 徳一 18.1.19 岐阜 戦病死
伍長 塚本 太郎 18.1.13 岐阜
軍曹 長谷川 一郎 18.1.3 愛知
伍長 後藤 清松 17.12.30 岐阜
伍長 山田 一美 17.12.13 愛知
伍長 鈴木 宇助 18.1.12 愛知
軍曹 羽根田 桂三 18.1.14 愛知
伍長 山田 環 17.12.11 愛知 戦病死
伍長 渡辺 勇 18.1.14 愛知 戦病死
伍長 福井 太郎 17.12.26 岐阜 戦病死
軍曹 加藤 宇一 18.1.14 岐阜
伍長 森 爲太郎 17.1.17 大阪
軍曹 大岩 又蔵 18.1.13 愛知
伍長 堀田 由太郎 18.1.12 愛知
兵長 日比野 師郎 18.1.19 愛知
伍長 石原 良平 18.1.11 愛知
兵長 西垣 千代太郎 18.1.19 愛知
伍長 蟹江 伊久男 18.1.10 愛知 戦病死
衛生伍長 加藤 密翁 18.1.19 岐阜
中尉 岡田 武夫 18.1.13 愛知
曹長 大塚 重一 18.1.13 岐阜
軍曹 竹内 政義 17.12.28 岐阜
伍長 辻 正雄 18.1.11 岐阜
兵長 杉山 利一 18.1.12 愛知
兵長 杉浦 九一 18.1.19 愛知
伍長 河井 五郎 18.1.11 愛知
伍長 井原 純造 18.1.19 岐阜
伍長 平井 善一 18.1.11 岐阜
兵長 麻田 常三郎 18.1.5 大阪
軍曹 平井 麗一 18.1.11 岐阜
伍長 小川 寛一郎 18.1.19 愛知
伍長 柴田 義音 17.12.25 岐阜 戦病死
伍長 新見 倉太郎 18.1.10 愛知
伍長 大沢 嘉重 18.1.17 愛知
伍長 鈴木 竹夫 18.1.26 岐阜
伍長 柘植 忠義 18.1.19 岐阜
兵長 加藤 弘 18.1.11 愛知
伍長 橘 ○久 18.1.1 愛知 ○字※秋の下に太で一文字
伍長 河合 進 18.1.16 岐阜
伍長 岩島 君男 18.1.13 岐阜
軍曹 三宅 操 18.1.13 愛知
兵長 牧野 末松 18.1.11 愛知
伍長 中島 勇 18.1.10 愛知
伍長 大野 満三 18.1.13 愛知
衛生伍長 中野 秀夫 18.1.13 愛知
軍曹 横山 粂雄 18.1.10 岐阜 戦病死
兵長 小林 大 17.12.20 愛知
伍長 熊沢 五郎 18.1.13 岐阜
伍長 伊藤 勝司 18.1.18 愛知 戦病死
兵長 伊藤 吉幸 17.12.1 愛知
伍長 杉浦 久雄 18.1.13 愛知
軍曹 加藤 一夫 18.1.13 岐阜
兵長 安井 勇 18.1.12 愛知
曹長 林 勇一 18.1.12 愛知
兵長 堺 福三 18.1.11 大阪
上等兵 藤井 浅次郎 18.1.11 大阪
伍長 伊藤 忠夫 18.3.7 愛知 ブーゲンビル島にて戦病死
兵長 太田 正由 18.2.11 愛知 ブーゲンビル島にて戦病死
兵長 服部 一夫 18.2.25 愛知 ブーゲンビル島にて戦病死
衛生伍長 石原 金次郎 18.2.27 岐阜 ブーゲンビル島にて戦病死
軍曹 塚原 章 18.2.11 岐阜 ブーゲンビル島にて戦病死
兵長 加藤 孝市 18.2.20 愛知 ブーゲンビル島にて戦病死
兵長 大宮 吉春 18.2.18 愛知 ブーゲンビル島にて戦病死
                             以上114柱
見晴台に散華された若林中隊の御英霊に心より哀悼の意を表します 合掌



第一線要図 
ガダルカナル Guadalcanal

↓ガ島中央戦跡要図
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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉  長谷川榮作さまのホームページ
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冥府の戦友(とも)と語る
お立ち寄り戴けましたら幸いです。



新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト

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石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



平成24年8月18日(土)より9月1日(土) 日本青年遺骨収集団さま主催による ガダルカナル島「丸山道」自主派遣隊 の皆様がガ島御遺骨収集をされ7柱の御遺骨をお迎えされたそうです。
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○原発関連情報○

独逸天気予報より →  放射能予報

文科省発表 → 全国放射能濃度一覧

武田邦彦教授の → ブログ





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