ダスティホワイト | Group Ten

Group Ten

小川潤子、池田義隆、西村有加がグループ展に向けてブログを始めました。

今日、地獄のようなバイクを見た。

真っ黒で、信じられないくらいのチョッパー。
ヘッドが異常に小さく、黒い髑髏を想起させる。
後部座席の背もたれにきつく乱雑に巻き上げられたレザーベルト。
白のテーピングで修復された二本のマフラーは荒々しく脈打ち、血が噴き出てきそうな狂気を感じる。
座席下に配備されたレバーでの変速システムが異種の色気を与え、
心臓への懲罰棒と化す。
加速する度に悲鳴をあげ、その車体が纏う鋭利な空気で辺りの空間を切り裂いて逝く。
赤いブレーキランプが後続車を睨みつけ、嘲笑うかの様に遠く夜に消えていった。
たまらなくかっこよかった。
久々に血の騒ぐ生き物に出会えた。


中学の時、初めて竹下通りに行った。
そこには、当時全盛期を迎えたビジュアル信者が多数おり、
顔面を白く塗り、唇はブルーで見たこともないような服を着ていた。
私は、この人たちは普段何を食しているのか気になった。

昼食をとるため、マックに入る。
するとそこには信者が沢山いて、バーガーとポテトを食っていた。

私はガッカリした。
なぜならこの人たちは、絶対に、緑とか紫のゼリー状のものしか食わないと仮想していたからだ。
彼らの不徹底さにガッカリした。

人間が人間を超えた世界というのは、徹底したリアリティの先にあるようだ。