夏の故郷 | Group Ten

Group Ten

小川潤子、池田義隆、西村有加がグループ展に向けてブログを始めました。

友達が嫌いな月が出ていた。

それは、熟しすぎた甘すぎる果実の色をしている。

友達はその月に何か不吉なモノを感じるらしい。

そんな月を友達と二人、初めて見たのはこんな暑い夜だった。

きっと、日中の照りつける夏の太陽が月をあんな色にするのだろう。



夏がくるといつも思い出すのは、実家で出されるカボチャの煮付けだ。
青と白の器に緑とオレンジの色が映える。
柔らかくて甘いカボチャは私にとって夏の味だ。
亡くなった祖父と食卓で一緒に食べた。
夏のカボチャは今の私をつくった。いわばルーツとも言える。


もう何年も口にしていないが必ず思い出す大切な味なのだ。