ブルゴーニュ魂さんのワイン会 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

毎年のことだが、11月は学会シーズンで12月より忙しい。
今月だけで学会発表が2回、市民公開講座質問の司会が1回、地元の
シンポジウムへの出席が1回、看護学校の講義が1回、聴衆で行く勉強会が数回等々、
診療がない木曜と土曜はいつも夜間に帰宅、という生活が続く。

そんな中、11月4日の日曜日の夕方から、ブルゴーニュ魂さんのワイン会に
お誘いを受け、いそいそと参加してきた。
場所は本町通りに面した新しいレストラン、エスポワールである。

いつも仕事場でワインを飲んでいる仲間を誘ったのだが、毎度の教授は米国出張中の
ため来られず、後輩の女性とともに参加した。

娘さんがうちの娘の大学の1年先輩、というこの後輩(ややこしい)は薬学部出身で、
ご主人も大メーカーの管理職にいるワイン好きである。
行く前は知らん人と飲むのは緊張するわ、などと言っていたが、ワインが入ると
よくしゃべる社交家である。

ooisotaroさんのブログの動画で拝見したことのあるにしかたさんとは
一度お会いしたかったので、良い機会だった。
イメージ通りの方で、わざわざロブマイヤーのグラスを12客も抱えて来られた。

あとの3人もにしかたさんとは初対面ということだったが、会場にやってきた1人目は
なんとnackさんだった。
「や~、またお会いしましたね」
そしてもう1人はまんぷくぶるごーにゅというブログの主KONAさんである。
あとの1人は女性で、なんと自転車で来られていた。


前菜


濃厚で美味しいブイヤベース

このあと牛テール煮込みが供されたが、写真は撮り忘れた。
ワインの印象はすでにnackさんもKONAさんも書かれているし、こんな達人の
コメントに追加するのはおこがましいが、印象を記録しておく。


キザン・セレクション シャルドネ 2005  機山洋酒工業

切れ味良く酸味が舞う若くて細身のシャルドネ。
にしかたさんのお導きでooisotaroさんのブログにも登場したことのある
山梨の造り手だが、阪大の醸造学科出身だそうで、奥さんは後輩だとか。
何だ、それなら夫婦ともわたしと連れの後輩の女性の後輩じゃないか(ややこしい)。


サヴィニ・レ・ボーヌ 1993 ジャン・ミッシェル・ジブロ

ヴィンテージからもっとたおやかなシャルドネを想像したが、ずいぶん若い。
酸化防止剤が多いから若さを保てるのか、これともこういうブドウなのか分からないが、
アーモンドとかバターといった熟成したシャルドネに感じられる要素が無く、
品あるのびやかな酸が印象的だった。


プィイ・ヒュイッセ クロ・ド・ムッシュ・ノリー 1995 ヴァレット

この日のテーマが、熟成した白であり、これが主役のワインである。
にしかたさんによると60ヶ月も樽熟成させているらしく、色は琥珀色で
味わいにもどっしりと重い熟成感がある。

たとえは悪いが、月桂冠の30年古酒のように風格があり、先のワインより
2年も新しいとはとても思えない。
先のは若作りだが、これは妙に老けた装いである。
シャルドネのある種の魅力を切り捨てて独特の特徴を出しているが、
ひねてはいないもののこのワインには好き嫌いはあると思う。

これまでの3本の対比が非常に面白く、手練れのにしかたさんのお手並みを
楽しませてもらった。


ムルソー1er レ・ペリエール 1992 ジャック・プリウール

この時期のプリウールはまだ超1流扱いされておらず、価格も安かったそうだが、
今とは隔世の感がある。
老けたワイン?のあとに正統派の?ムルソー・ペリエールだが、これは良いヴィンテージの
特徴が出ていたように思う。

KONAさんからピュリニーと地続きだと教わったが、たいへんキレイに熟成している。
繊細だが奥行きがあり、ムルソーのもたついた印象から解き放たれた感がある。
たしか連れの後輩は、これが1番お気に入りだったと言っていたのでは。


シャンボール・ミュジニー 2005 ユドロ・バイエ

最後にオマケみたいな赤だったが、最近人気上昇中の新ブルゴーニュである。
良いブドウだなとは思ったが、いかんせん若すぎて楽しめる域に達していなかった。
2種のロブマイヤーによる香りの立ち方と味わいの違いを体験することに
話題が行っていたが、それがにしかたさんの意図であったのかも知れない。


シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ 2004 クリストフ・ペロ・ミノ

これは何とKONAさんからのプレゼント。
若いがさすがのグラン・クル。にしかたさん曰く「中空のようなワイン」・・
う~む、言い得て妙だが、ペロ・ミノに感じるやり過ぎ感がなく、硬さの中に
いろいろな果実や花の香りが詰まっている。

こんなワインを今ごろ開けてしまっていいものか、と思いながら会は最高潮に達し、
この日が初対面であったことも忘れて6人でうち解け、夜は更けていったのであった。

会の終わりに、店にやってこられた女性から
「griotte先生、こんばんは」
と声をかけられまた驚く。
何でこんなところに知り合いが、と驚いたのだが、レ・クルールのオーナーソムリエの
大田有香さんだった。

マヌケなことにそこで初めてこの店の若いシェフが誰だか気付いたのだった。
南森町のレ・クルールのシェフじゃないか・・世の中狭い。
今年独立して自分の店を持ったそうだ。これから大きく発展することを期待したい。
また、レ・クルールも先週南森町から扇町に移転したとのことで、
ぜひここも再訪したいと思う。

6時から始まったワイン会も、気がつけば11時。
明日は連休明けの鬼の月曜日である。
わたしと2人の女性は1次会だけで失礼したが、あとの男性3人は2次会に
肩を組んで繰り出して行かれた。

「おまえら仕事真面目にやってんのか?」と思いつつも、もっと若かったら
わたしも参加したかった、とうらやましがる自分がいる。
ブログつながりで、こんな楽しい時間が持てたことを感謝したい。