難解か無能か | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ルシアン・ボワイヨ ジュヴレ・シャンベルタン・1er・レ・コルボー 1999
購入日    2005年10月
開栓日    2005年12月6日
購入先    かわばた
インポーター 八田
購入価格   3880円

開栓早々から、香りは飛ばないは、肩すかしみたいな味わいであるは、
これはきっと「誰が悪いんだ@ooisotaro」ワインだろうと思った。
まるで味がしないので、ひょっとすると熱入りの不良品ではないか、とも思った。

だが、エア抜きして24時間後に再確認すると、順当に老けている。
なんだ、じゃあブショネでもなく、熱入りでもなく、これが本来の持ち味だったのだ。

そのくらいこのワインは分かりにくい。
もしレストランで開栓したら、まず即却下と言っているだろうし、
ソムリエも「えらいすまんこって」と言うに違いない。
レストランで売り物になるワインでないのは明らかだ。

開栓後4時間してもまるで変化はなく、昨晩は腹を立てて寝た。
もしそのまま寝ずに飲み続けていたら、今朝の9時頃がピークであったと気付いただろう。
まあ大したピークではなかっただろうが。

購入動機は単純で、ジュブレ村の飲み頃1999の1級畑だったからだ。
造り手はあまり考慮しなかったが、ルシアン・ボワイヨという人は、シャンボール村の未婚の母、
ギスレーン・パルトの子供の父親(ルイ・ボワイヨ)の父親であるらしい(ややこしい)。
このギスレーン・パルトの名前を眼にしなかったら、買わなかったかも知れない。

24時間後にはそれなりに酸化して、やや毛羽立ちながらも旨味は存在しており、
多少1級畑の面目を保ってはいたが、価格を考えたら、それがどうした、というレベルではある。
開栓2日後ではもはや品なく老けて終わっていた。

開栓をあと数年待てば大きく化けるとは到底思えないし、
こういうワインはどう扱えばいいのか困ったものだ。
造り手の個性と言えばそれまでだが、まあこれでは普通の飲み手には相手にされないだろう。

同じ畑でもっと良いワインを生み出す造り手もあるわけで、
だからブルゴーニュは個人の能力が見えるし、奥が深いとも言える。