カローリ・イ・シュート/虚像:マイセレクトロシア・ロック50選 | Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く

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大好きなロシアのロックを毎日せっせと訳しています。リクエストも受け付けますので歌詞を知りたいロシア語曲がありましたらお気軽に!

ふと思ったんですがもしも私が今凶悪犯罪など起こしたら、
まず間違いなくこのブログが晒されて、
「こんな猟奇的な歌ばかり聴いていたから! ロシアはやはりおそロシアだったのか!」と、
大好きなロシアンロックのみなさん主にカローリ・イ・シュートが濡れ衣着せられてしまうので、
私は平穏に生きていかねばならないのでしょう。そんな傍迷惑なプロパガンダはいやだ。


今日もまたカローリ・イ・シュートから、代表曲のひとつ「虚像(Отражение)」です。
2006年のアルバム「悪夢売り(Продавец кошмаров)」収録。
そしてマイセレクトロシアンロック50選入り確定の曲でもあります。何から何までちょーかっこいい!
「отражение」という語は直訳すると「反射, 反映, 反響」なのですが、
かなり悩んだ末に当ブログでは「虚像」と訳しておきます。


クリップはファンメイドなのですが、ホラー映画の「ミラーズ」の映像を使ってるので苦手な方は閲覧注意かも?


カローリ・イ・シュート - 虚像
Король и шут - Отражение


波止場のそばで軋むボート
月の夜に胸騒ぎが始まる
俺は陰気に水の中を覗き込む
そこに俺の姿は映っていない
あるのはただ悲痛な敗北だけ
何故俺の人生に踏み込もうなどと
奴は思いついたんだ……

灰色の袋の中で微かな呻き
俺の心臓はまるでゴルゴーンの犠牲のよう
憐憫など感じない 俺の中で露と消えた
凄まじい憎悪が俺を苛む
運命を理性が拒否する
俺の前に俺自身が立ちはだかったのだ 

(繰り返し)
 魂が熱を孕む 侮蔑を俺は忘れない
 誓ってお前の計画を破壊してやる
 お前は俺を知らない お前は俺の虚像にすぎない
 お前から逃れる手段はたったひとつ 水底に沈めてやる

俺は破産を味わわされた
今や俺は誰なんだ 俺自身もまた虚像のようだ
以前の俺は裕福だった すべては奴のせいなんだ
奴は鏡の向こうから現れて
俺の人生に苦難をもたらした
神よ 慰めたまえ 俺は俺だと信じさせてくれ


Лодка скрипит возле причала
Лунная ночь - тревог начало.
Мрачно стою в воду смотрю.
Нет моего в ней отраженья,
Есть только горечь пораженья.
Ну почему лезть в мою жизнь
Вздумалось ему...

В сером мешке тихие стоны
Сердце моё - как трофей Горгоны.
Жалости нет - во мне простыл её след.
Злоба меня лютая гложет,
Разум судьбу понять не может,
Против меня восстала сущность моя

Лихорадит душу, я обиды не прощаю
Я разрушу план твой - обещаю
Ты меня не знаешь, ты всего лишь отраженье
Средство есть лишь одно - сгинь на дно

Я пережил крах, разоренье.
Кто я теперь, сам как отраженье.
Был я богат. Во всём лишь он виноват
Тот, кто пришёл из зазеркалья,
Кто принёс в мою жизнь страдания...
Мой Бог, утешь меня, уверь, что я - это я

Лихорадит душу, я обиды не прощаю
Я разрушу план твой - обещаю
Ты меня не знаешь, ты всего лишь отраженье
Средство есть лишь одно - сгинь на дно

Лихорадит душу, я обиды не прощаю
Я разрушу план твой - обещаю
Ты меня не знаешь, ты всего лишь отраженье
Средство есть лишь одно - сгинь на дно


「ゴルゴーン」についてはwikiを参照のこと。→
日本では「メデューサ」といったほうが通じやすいかも。
その顔を見た者は石化してしまうが、
逆に鏡を見させてやればゴルゴーン自身が石になることから歌詞に使われたのでしょう。

いわばドッペルゲンガーものですね。カローリ・イ・シュート版ウィリアム・ウィルスン?
個人的にとても好きなテーマです!
元々自分ロシアをはじめとする世界の民話集が愛読書だったし、
そこまで詳しくもないけどポーやら何やら幻想怪奇小説も大好きだし、
さらに言えばフランケンシュタインやらドラキュラやらクラシカルな怪奇映画も好きで、
百年の恋も瞬時に冷めるであろうDVDラックの持ち主なもので、
カローリ・イ・シュートの世界観は私の心象風景そのものなのです。
おまけにロシア語というまさに非の打ちどころもなく理想的なバンド!!!
もっと前に出会いたかったっつかロシアに生まれて軽く15年くらい青春捧げ尽くしたかった!


すっげーどうでもいい余談なのですがカローリ・イ・シュートの影響でスウィーニー・トッドにはまり、
ティム・バートンとジョニー・デップの映画は言わずもがな、
よせばいいのに1997年版の映画「スウィーニー・トッド」と
70年の「血に飢えた断髪魔」まで見ちまったアカウントはこちらになります。
……や、私ね、手作り感溢れる低予算B級ホラーもわりかし好きなんだけどね、
ロジャー・コーマン映画が豪華に思えるってよっぽどだろ「血に飢えた断髪魔」!
冒頭五分であまりのしょぼさに呆然とさせられました……え、まだ一時間以上あるの?って。


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