どーも。

本日は2回目の更新、大五郎です(^-^)




夜中の記事で書いたとおり、

この絵空事は、あるコンテストに提出して

落選してしまった絵空事です(汗)

このまま誰にも見られることなくお蔵入りしちゃうのが

もったいないと思ったので、公開いたします(´▽`;)




*絵空事はすべて俺の妄想です。

 登場人物や物語はすべて俺の作り話です。




では、どうぞ~(^o^)/



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オチつき大五郎え日記





オチつき大五郎え日記






 ドドドドドォ・・・


お日様が天高く昇っているうちに

大きな黄色いものが、大きな音を立てて動いていた。

次々に、このあたりの地形を変えていって、

そうして、このあたりに住むものたちは

一瞬にして住み家を失った。



「もう、あいつら、いないかな?」


お月様が天へ昇り始めた頃、


「黄色いものが止まってる。大きなやつらもいないみたいだ。」


赤い体のテントウムシが、このあたりの安全を確認している。


「こっちもオッケーよ。」


白い羽のチョウチョが空から降りてきた。


「大丈夫みたいだな。」


やれやれと言った感じで、草の陰から茶色のコオロギが出てきた。


「安全ではあるが、安心はできないな。」


小さな水たまりから緑色の小さなアマガエルが

キョロキョロしながら出てきた。


「大丈夫なの? ねぇ、本当に大丈夫なの?」


オドオドしながら青緑色のアオムシが

小石の陰からヒョッコリ出てきた。

みんな、今日までここで暮らしていたものたちだ。







オチつき大五郎え日記




同じ場所に住んでいながら、こんなふうに

顔を合わせるのは、初めてのことだった。


「とんでもない災難だったな。」


コオロギが溜め息まじりに言った。


「災難てものじゃない! こんな仕打ち、あんまりだ!」


テントウムシはイライラしている。


「ウチも・・・とてもじゃないけど、もう、ここでは住めないよ。」


ほとんど水がなくなった水たまりを見ながら、

アマガエルが肩を落としている。


「どうしよう・・・これからどうしよう・・・うぅぅ。」


アオムシが今にも泣きそうな声を出した。


「うーん・・・本当に、どうしようか?」


コオロギがなんとなく落ち着きながら、みんなに聞いている。


「・・・おなかすいたな。」


アオムシがポロリを涙を流した。


「そうだな。私もペコペコだ。花もなくなったし。

このへんで生き残ったチョウチョは私だけだろうな。」


チョウチョがキョロキョロしながら言った。







オチつき大五郎え日記





「このまま、よそに引っ越すしかないか。」


アマガエルがそう提案した。


「花も草も水たまりもなくなったから、それが正論かもな。」


コオロギがうなづいた。みんなが同じ意見のように見えたが、

テントウムシだけは違っていた。


「ジョーダンじゃない!このまま黙って引っ越せるか!」


そう怒鳴って、アマガエルの意見に反対した。


「えー、黙るも何も、仕方ないと思うんだけど・・・。」


アオムシもアマガエルの意見に賛成だったみたいだ。


「お前らは、今回が初めてかもしれないが、

オレは、これで3回目なんだ!もう我慢できない!」


テントウムシがそう言って怒っている。


「3回も?・・・ということは、ほかへ引っ越しても

また同じ目にあうということかね?」


コオロギが驚きながら聞いた。


「たしかに、このまま引っ越してもダメかもね。

じつは、私もこれで2回目なのよ。」


チョウチョが溜め息をつきながら告白した。


「2回目か・・・じゃあ、やっぱり、

こういうことは、よそに行ってもあるってことだね。」


アマガエルが肩を落とす。


「家だけじゃなく・・・家族も散り散りになった。

みんなが生きているかも分からない。

・・・オレはくやしい!」


テントウムシが怒りながら落ち込んでいる。







オチつき大五郎え日記




「じゃあ、どうすればいいかな?」


コオロギが落ち着いた声でみんなに聞く。


「オレ・・・復讐してやりたいんだ。」


テントウムシがそう言った。


「え、ふくしゅう?」


その場にいたみんなが口をそろえて驚いた。


「ど、どうやって?

あんな大きな生き物に、オレたちが刃向かったって・・・。」


アマガエルがビクビクしながら言った。


「なにか考えがあるの?」


チョウチョがそう聞いたら


「だてに3回やられただけじゃないさ。

やつらはこうやってオレたちの住み家をなくしたあとで、

決まって、大きな建物を建てるんだ。

それが、やつらの住み家なんだ。」


テントウムシが少し怖い顔でそんなことを説明した。


「それなら私も見たことあるわ。あれがやつらの住み家だったのね。」


チョウチョがうなづいた。


「じゃあ・・・やつらの住み家を、オレたちの住み家のように

壊すっていうのか?オレたちじゃ無理だぞ?」


アマガエルが首をひねって、ゲコっと言った。


「無理だよ!無理だよ!あいつら、すっごく大きいもの!」


アオムシがすごく反対している。


「このままおそってもムダかもしれない。でも、生き物には

必ず弱点があるはずだ。オレはこれからヤツらの住み家へ行って

その弱点を探してくる!」


みんなに反対されてもテントウムシの決意は変わらなかった。







オチつき大五郎え日記





みんなで大きなヤツらの住み家へ行くことになった。


「こ、こわいなぁ・・・。」


アオムシが一番後ろでビクビクしながら歩いている。


「み、みんなで行かなくてもいいような気が・・・。」


落ち着いていたコオロギも、なんだかビクビクしている。


「ヤツらの住み家には、オレたちのメシがあったりするんだ。

どうせ、さっきの場所には何もないんだから、

メシのためにもみんなで行ったほうがいいのさ。」


テントウムシがそう言った。


「早く水が欲しいよ・・・。」


アマガエルがピョコピョコ跳ねながら言った。


「私ものどがカラカラ。花のミツを思い切り飲みたいわ~。」


チョウチョがヒラヒラ飛びながら言った。







オチつき大五郎え日記





やがて、大きなヤツらの住み家へたどり着いた。

住み家からまぶしいくらいの明かりが出ている。


「いったい、どうなってんだ?あの中だけお日様があるのか?」


アマガエルがビックリしている。


「あぁ、着いたぁ。まぶしいねぇ・・・でも、眠たい・・・。」


アオムシが疲れきっている。


「なんて大きい・・・これが住み家なのか?」


コオロギもビックリしている。

一度見たことがあるテントウムシやチョウチョだけが落ち着いている。


「ここがヤツらの住み家だ。どういう仕組みか分からないけど、

中にはお日様みたいに光ってるものがある。」


テントウムシがそう説明した。


「うっかり入ったら、すぐに見つかっちゃうわね。」

チョウチョがそう言った。


「でも、中に入らないと、中が見えないよ。」


アマガエルが、透明色の壁に張り付きながら言った。


「お、おい!そんなことしたら、見つかっちゃうだろ!」


コオロギが慌てている。


「平気だよ。こっちから見えないのに、

向こうから見えるはず無いじゃないか。」


アマガエルが壁を登りながら言った。


「あんまり無理しないでね。私たちが上から見てみるわ。」


チョウチョがアマガエルにそう言って、天高く飛び始めた。

テントウムシもそれに続く。

それを見ていたアオムシが


「わぁ~・・・いいなぁ。・・・いつか、ボクも・・・。」


そうつぶやいた。







オチつき大五郎え日記





「おーい、こっちから、中がのぞけるみたいだよー!」


アマガエルが、透明色の壁から、ひときわ明かりが

もれている箇所を発見した。

その声を聞いて、みんなが集まってきた。


「はぁはぁ、上からは何も見えなかった。すごい住み家だな。」


テントウムシが息を切らして言った。


「ふぅ・・・本当に大きすぎるわね。」


チョウチョも少し疲れているようだ。


「キミたち、声が大きすぎるぞ。見つかっても知らないぞ。」


コオロギがゆっくりアマガエルたちがいる箇所に

近づきながら注意した。


「うーん・・・眠い・・・。そこから、何か見える?」


アオムシがのそのそ近づきながら、みんなに問いかけた。


「うん!いるよ!・・・1・・・2・・・3・・・3匹!」


アマガエルがそう言ったけど、あとから覗き込んだテントウムシが


「いや、4匹だ。奥から何か運んでるヤツがいる。」


そう言った。どうやら、大きなヤツらは4匹いるらしい。

大きなヤツが2匹。それよりもちょっと小さいヤツらが2匹。

大きくて妙な形をした木を3匹が囲み、

大きなヤツの1匹は、しきりにその木の上に何かを運んでいた。

そして、


「いただきまーす!」


という大きなヤツらの大きな声が聞こえてきた。


「今、いただきますって言ったよな?」


テントウムシがそう聞いた。


「うん、オレもそう聞こえた。ヤツらのメシの時間らしいな。」


アマガエルが答えた。


「・・・あ~、いいなぁ・・・。すごくおいしそうに食べてる~。」


アオムシがそう言った。


「・・・うん。なんだか・・・いいな。」


コオロギが恐る恐る覗いていたけれど、その光景を見た瞬間に、

落ち着きを取り戻していた。







オチつき大五郎え日記





大きなヤツらはメシを食べながら、大きな声で笑いあっていた。

しばらく、それを見ていたアマガエルが


「・・・なぁ?止めないか?」


と言い出した。


「うん・・・ボクもそう思ってたところ。」


アオムシがそう答えた。


「な、なにを言ってるんだ!オレたちは、ヤツらに・・・!」


テントウムシがそう言いかけたけど、あることに気がついた。


「お、おい!チョウチョがいないぞ!」


「え!」


チョウチョの姿が、いつの間にかいなくなっていた。


「チョ・・・チョウチョ、どこ行った?」


みんなでキョロキョロしていたら、明かりがもれていた箇所から、

少し離れた場所で、ゲップの音が聞こえてきた。


「?」


みんなで、その音がした場所へ向かってみると、

チョウチョが花のミツを飲み終えたところだった。


「あら、私ったら、はしたない。でも、あ~おいしかったわ~。」

そのまま花の上で寝ころがるチョウチョ。


「おいおい、ぬけがけは無しだぜ。」


アマガエルがそう言いながら、その花のそばにあった

小さな水たまりに飛び込んだ。


ポチョーン!


「あ~気持ちいい~!」


「へぇ~、ヤツらの住み家のそばなのに、ここには

こんなに花や草が残っているんだな。」


コオロギが驚いている。そうして、みんなでメシを食べ始めた。

テントウムシだけが怒って叫んだ。


「おい!みんな!オレたちは、ヤツらに復讐を・・・。」


「・・・もういいんじゃないのか?」


コオロギがやんわり答えた。







オチつき大五郎え日記






「ごめんなさい。私も・・・もういいと思う。」


花の上で転がりながらチョウチョもそう答えた。


「あんただって見ただろ?ヤツらの幸せなメシの時間を。」


アマガエルが水たまりから顔を出しながら言った。


「だ・・・だからって、なんだ!

オレたちはヤツらのせいでメシも住み家も!」


テントウムシはまだ怒っている。


「メシなら、ここにたくさんあるじゃないか。

あんたも食べなよ。ここのメシも悪くないぜ?」


コオロギがテントウムシをなだめている。


「ヤツらにメシがあって、住み家があるように、

私たちにもメシがあって、住み家がある。

それでいいじゃない?」


チョウチョがそう言った。


「し、しかし・・・しかし・・・オレたちの家族は・・・。」


テントウムシが声を震わせてそう言った。

その場のみんなも、黙ってしまった。

眠たそうなアオムシが草をゴクンと飲み込んでから言った。


「家族なら・・・ここにいるじゃない。」


みんなが黙ってアオムシを見た。


「な・・・なにを言って・・・。」


テントウムシがそう言いかけたとき、

アオムシは何の疑問も持たずに、笑顔でこう言った。


「だって、ボクたち、もう家族でしょ?」


その場にいるみんな、否定するものはいなかった。








オチつき大五郎え日記



おしまい。







オチつき大五郎え日記


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見ていただき、ありがとうございました(^o^)/


コンテストのテーマが『住まいに関する絵本』ということで、

たぶん誰もが思い思いの人間の物語を描くだろうと

思ったので、誰も思いつかないような物語を・・・

そう考えたのちに、虫たちの物語に行き着きました(´▽`;)


まぁ、「話が長すぎる」というご指摘はなしで!(><;)ノ

重々分かっていたのですが、この物語を閃いた瞬間、

もう自分でも止められないほどの想いで一気に描きましたので(汗)


コンテストに気づいたのが、締め切り1週間前!(爆)

間に合うかどうかの瀬戸際で、話の構成、イラスト作成、

そして、コンテストは製本して提出することが条件だったので

製本までして・・・怒涛の1週間でございました( ̄Д ̄;

間に合ったけど、落選です(泣)


後日、参加賞として、

送った絵本の表紙がプリントされた写真紙と

それを入れれる写真立てが送られてきました。



オチつき大五郎え日記


参加した人全員にこんなの送ってるんでしょうね。

特に参加費がかかったわけじゃないのに・・・

お金がある会社はスゴイですねぇ(´▽`;)




俺が伝えたかったことは、

「自然破壊の上で成り立っている人間の住まい」というわけじゃなく(汗)

ラストのアオムシくんが言っていたセリフに込められてます。

『家族がいる場所』が『住む場所』になる・・・

なので、「あの場所じゃないと!」とか「こういう家じゃなきゃ!」とか

あんまり関係なくて・・・

誰もが帰る場所というのは、家族のいる場所なんじゃないかなと。


みなさんが、温かい気持ちになって

家族を思い出していただければ幸いです(*´ー`*)



そのほかの絵空事は、コチラから→☆絵空事集




゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚【 CM 】゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


オチつき大五郎え日記

【年賀状承り中】 ~12月30日まで!~


あと10日しかないっすよ~(´▽`;)

ちなみに、俺からの年賀状が欲しいという方は

今日までのお申し込みまでです!


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



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「家族っていいね!」と「ことりーず」。

ムカつくこともあるけれど、きっとお互い様であり・・・(汗)

人生に必要不可欠な存在だね(^-^)



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