日本成長戦略　40歳定年制　経済と雇用の心配がなくなる日＠柳川範之

ひぇ～っ、40歳で定年迎えちゃうの

日本成長戦略 40歳定年制経済と雇用の心配がなくなる日/さくら舎: ￥1,470; Amazon.co.jp

東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授、もう経歴が凄いんですよ
小学校をシンガポールで卒業、高校時代をブラジルで、大検合格してから
大学受験を経ている、先日のちきりんさんとの『未来の働き方を考えよう』の
イベントにも参加させていただきました、柳川範之さんの著書です

あの時のこと、ちょっとだけいうと、40歳定年制についての賛否を問う
アンケートがあって、かなり多くの参加者の方が賛成にしていたと
記憶しているのですが、私は反対にしました
分かるんだけど、分かるんだけど、65歳定年制がいいとはちっとも思わないけど
40歳って、うちの息子くんはお金のかかる時期だし、

娘にもいろいろ費用がかかる時期だし、

そんな時に「定年でーす」なんて言われたとしたら
余裕がない時期に、さらに余裕がなくなっちゃって、

ついでにお金もなくなっちゃって
なんて考えていたら、どうしても賛成できなかった

でも、この本を読まずして論じるのも違うだろうと、その講演後に購入し
拝読したというわけでありました
著者は東大教授だけど、お若いし、いい感じの方で好感が持てました

20代前半で就職活動をして人生が決まってしまう、

大多数の方はキャリアの初めをそんなカタチでスタートすることに

なるのではないかと思います
私もそうですが、転職するもしないも、最初に入った会社のことは覚えているし
社会人になる上でも重要なポイントになることは間違いないと感じるわけです

でも、20代前半で人生のすべて決まってしまっていいのか
ほとんどの方が「NO」という気がします
そりゃぁ、そうですよねだってキャリアを積む前と積んできてからでは
経験値も違ってきて、考え方も変わるし、物事の見方も違ってくるわけで
好きな異性のタイプが変わるように、仕事の価値観だって変わってくる
それがごく自然なことなのではないかと思います

ただ、その多様化に対し全く対応できていないのが

今の日本社会かもしれません
とりわけ終身雇用制度なんていう、労働者は機械かって思っちゃうような
すべての人が同じ環境で同じ制度で同じように働いていくことに対し
私たちはもっともっと疑問を持たねばならないのではないかと思うわけです

人口増加がずっと続けていけばよかったのでしょうが

残念ながらこれからの予測で
日本は人口減少となり、労働人口はますます減っていくわけです
また、若者が少なくなると言うことは購買活動も経ることを意味していて
今の給料では少ないって思っていたら

この先もっと減ってしまうのではないか
アベノミクスに頑張ってもらうしかない状況であることは間違いないのです
（まぁ、アベノミクスにも賛否がありますが）

人間は変わることに対し、とかく抵抗したがり

イヤがることをします
既得権益なんてその際たるものだし、夫婦別姓や薬ネット販売のことなど

時代に合わせればと思うんですがねぇ～
参議院選挙が今月行われますが、それまでの選挙では

ネットで選挙活動をしてもダメだったなんて

まぁ時代錯誤もいいところと思われても仕方がありません

40歳定年制、40歳でクビになるということではありません
むしろ、自分の人生を見つめ直す機会をつくってもらう
40歳になってバリバリ働きたければ、猛スピードで行っちゃってほしいし
学び直したいことがあれば、大学院や専門学校、留学したっていいわけだし
自分の人生は1度っきりだから、何かの制度に縛られるのではなく
もっと選択肢を多く、より選べるようにして働き方を考える、人生を見つめる
そんなような提案を含んでいるのが40歳定年制
なかなか斬新な感じがします

ただですねぇ、40歳定年制ってネーミングは何か代わりがないかなと
どうしても、「40歳定年制＝40歳でクビ」ってイメージが
年齢だけではない、子育ての問題や介護の問題、ある講演会でおっしゃっていた
女性がいらっしゃいましたが、やっぱり子どもを出産すると仕事をやめざるを得ない
環境になる、女性だけがどうしてキャリアの変更を余儀なくされるのか
このあたりの問題を解決してくれそうな、それが40歳定年制だったりするのではないか
そのインパクトは計り知れないものだし、

ぜひ多くの方に読んでもらいたい
そんな感想を持った一冊でした

社会全体で子育てのこと、介護のこと、考えることができるといいな

今までと今からは違います
過去の成功体験はあっさりと捨て去る勇気、縛られない生き方
会社員だと、なかなかそれができないかもですよねぇ～
でも、ある日突然、サラリーマンという制度がなくなったとしたら
でも、ある日突然、働いていた企業ががなくなったとしたら
そう、会社の名前でなく自分の名前で仕事をするんだ
40歳定年制は、それを容易にしてくれる制度なのかもしれませんね