絆 ( 21 ) | 君がために奏でる詩

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絆~二十一話~





今回は長いです。


覚悟してくださいね(汗)


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ステージに大きく貼られている、

『卒業おめでとう』

の文字。

その下には、

『未来、今までありがとう』

っていう文字。


さっきまで式場だったのに、なんかパーティ会場みたいになってて。

いつの間にか、皆着替えてるし。


「未来、ほらこっち!」


引っ張られて着替えさせられたのは、ロミジュリの衣装。

もちろん・・・ジュリエットの衣装。

よく見ると、全員そんな感じの衣装を着ていて。


陵も、ロミオの衣装だった。

ステージには、C組みの委員長が立っていて。


「学年全体、卒業記念パーティーを開催します!

ちなみにこの会場は、

昨年の文化祭でC組が行ったロミオとジュリエットを模倣(もほう)しています!」


やっぱり・・・。

て、何であたしジュリエットなの!?


「衣装提供(いしょうていきょう)は桜咲姉弟でーす」


・・・企んだな、さくらちゃん。

衣装提供するからこの衣装はあたし・・・って。


「ホント助かったよぉ、さくらちゃん!

衣装なかったら出来なかったもん」


「だよねー!

さくらちゃんのおかげだよ♪」


・・・ちやほやされてるし。

ポンっと肩に手を置かれて、振り向くと聖がさくらちゃんたちを見て笑ってて。


「すげえだろ?

桜咲な、未来の為にって呼びかけて頑張ってきたんだぞ」


「・・・え?」


「卒業くらいは良い思い出作ってあげたかったんだろ。

それに、皆大賛成だったしな」


さくらちゃん・・・。

ありがとう。

いつもあたしの傍にいたのに、そんなことまでしてくれてたんだ。


ごしごしと涙を拭いて。

笑顔を作ってさくらちゃんに抱きつく。


「未来!?////

なんや一体!」


「さくらちゃん、大好き~」


「あはは、未来まさかのGL!?」


違う!

って怒鳴る(どなる)未来に、さくらが、


「あんたの本命は陵くんやもんなぁ♪」


「・・・っ//////」


「未来可愛いー!!」


きゃっきゃと騒ぐ女子たちを見ながら、聖は笑顔を作る。

そしてステージにいる委員長に向かって手を上げたかと思うと。


ステージに照明がついて、辺りのカーテンが閉まる。


「ここで数名の生徒を表彰(ひょうしょう)したいと思いまーす!

まず始めは・・・」


隣にいるさくらちゃんに聞くと、

高校生活で良いことをした生徒を表彰するってもので。

ふーん、と思いながら見てると。


「ラストは・・・B組の唐沢未来!」


キャー!って歓声上がるし。

さくらちゃんに背中を押されてステージに上がる。


「数々の男子をボコボコにし、女子から多大(ただい)な人気を集めた唐沢未来!

ある筋(すじ)からの情報では、

彼氏の顔を殴ったという驚異的(きょういてき)な「言ったの誰よそれ!!」


あれでしょ!?

さくらちゃんと陵がキスしたときに殴ったあれでしょ!?

そんなん言わないでよ!


「スーパーヒーロー唐沢に拍手ー!」


きゃー!

って歓声と共に賞状を贈られた。

・・・喜ぶもんなの、これ。


続いて聖がステージに立つ。


「これから、あの伝説のロミオとジュリエット、もう一度演じてもらう!

専用の衣装着てる奴は準備しろー!」


!!?

あたし着てるの・・・ジュリエットの・・・。

青ざめてさくらちゃんを見ると、にっと笑ってて。


「去年は散々な思い出作ってはるんやから、

今からいい思い出作ってきぃ」


・・・感謝、するべきなんだよね?

でも、聞いてないし!

セリフ忘れたよ!!


「ロミオー!

ジュリエットが迷子になっとるでー!!」


さくらちゃんが大声で叫んだせいで、どっと笑いが起こる。

陵が苦笑しながら近づいてきて。


「行きましょう?

未来さん」


「でっでもセリフ・・・!」


「覚えてるはずですよ?

僕の記憶なんですから、僕が忘れない限りは未来さんも忘れません」


・・・実は覚えてます、ごめんなさい。

でも読まれてたなんて・・・!!


なんだかんだあったけど、無事に終わって。

楽しんで。


一生忘れられない思い出になったー・・・。