困ってしまうま、の哲学 | 海外ポスドクの就職活動日記

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高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

いきなり変な駄洒落のタイトルで始めてしまってすみません;

中学生の頃なんですが、
理科の先生が馬の形の頭蓋骨の標本を持ってきて
「これ~、動物園から借りてきたしまうまの頭蓋骨です。
しまうまは~♪
しろいうまにもなれなくて、くろいうまにもなれなくて~♪
困ってしまうま~~

と頭蓋骨をパクパクさせながら突然歌い出したものですから、

それ以来、
僕の頭の中では「困ってしまった」と浮かぶ状況で
困ってしまうま
と出てきてしまうようになってしまうま~
あれ?

おかげで、困っているのか、ないのか、
分からなくなってハッピーですニコニコ
教育というのは重要ですね!
(おっと、実在の曲でした…)

***
さて、で、僕は何に困ったのかというと
ホンモノとニセモノが素人には見分けがつきにくいな
ということです。素人とは僕のことです。

経済のことをもっと勉強したいのだけど
ちまたでは“カツマー”というのに結構人気があるそうですね。
カツラー、ではないよ(ちょっとしつこい?)。
勝間和代氏のことです。

一方で、
経済学者とか金融関係者とかのブログを見ると
カツマー派に対してかなりこてんぱんな記述や
それが流行ることに対する危機感みたいなものが多い印象です。

世の中には
1.主流(正しいかどうかは別として)
2.価値のある傍流
3.消えるべき傍流
があるわけですけど、
そんなわけでどうも経済界ではカツマーは主流ではなさそうです。

とはいえ、
自分への警告も含めて、人間って
異質なものや少数派には思考停止して敵視する傾向があるので
決めつける前に、
ほんとにそうかな?とまず自分を疑うべきですから、
もう少し慎重に検討してみたいと思います。


経済理論って少し前に主流だったことが、
いつのまにか時代遅れの否定された理論になってたりしますよね。

「ニューエコノミー」とか明らかに胡散臭いのもあった。
もう少しまともな例では、
経済学の教科書を読むと、
財政・金融政策を説明するのにIS-LM分析とか定番で、
実は何十年も前に実際の経済との比較で否定された理論なのに、
日本ではなぜか未だに大学で教えら続けているそうですよ。

なのに、それを学生の頃に勉強した政治家や官僚が
財政支出でばらまいて負債を際限なく増やしている日本の滑稽さ。


そんなことがあるから素人的には、
逆に今の主流だってそのうち間違いだったとか言い出すんだろ
と疑念の目を向けてしまう。

経済学では本質的な意味で原理は存在し得ないので、
妥当な仮定の下で再現性のよいモデルを提唱することしかできない。
精密科学をやってる僕からみると、その辺がすごくもどかしい。

とにかく、最新の理論でも確固たるものでない以上、
カツマー派を一概に否定することもできないね。

ま、経済学者の方々が、そうやって議論で切磋琢磨して
信頼性の高い政策につなげてくれたら嬉しいわけだけど。


なんだか、全部を否定的に見てしまって、
じゃあ何も判断ができないじゃん、
と言われてしまいそうだが、そんなこたない。

少なくとも、
現代的な経済学は、
ここ数十年の経済情勢を説明するのに耐えた理論
を採用しているわけで、
時代遅れな理論をより所とするカツマー派の不利感は否めない。


結局、何が問題を複雑にしているのかは、
以下の文章を読めば明白になる。

勝間氏本人が池内氏のブログにコメントし(リンク)
「タイトルも内容も含めて、ある意味、確信犯的にやっています。意図は以下の通りです。
自分よりも若年層を中心に、どんなにあざといタイトルでもいいから、本を手にとってもらうこと
・そして、本の内容をきっかけに、自分のアタマを使うことにひとつでも多く、目覚めてもらうこと
です。なので、知識層が見ると不満に感じることも、あざとく感じることもあるのは承知の上での施策、戦略です。
と書いていて、
要は、
「自分の作家としてのターゲットは経済に疎い人々でありそこに売れれば自分としては成功なのだ」
って解釈できます。

巷を賑わす話題の本、の正体が見えましたね?
“売れればいい本”なわけじゃない。

僕のような素人が、受け売りで批判をしても意味がないので
内容には踏み込まないけど、
今回の場合はケース3とみなしてよくて、
まじめに経済を勉強したい人が
貴重な時間を割くほどのものではないのだというのが結論です。


いつもながら長たらしくなったけど、
正しそうな人も怪しそうな人もどっちも公平に疑ってみる、
というのが科学の見方ですもんね~
要点は意外と分かり易かったので取り上げました。

***
今回は、
ホンモノって何か?
と考えてたら、
1.情報自体の不確実性と
2.情報の不足
という問題が出てきてしまうから、
ちょっぴり哲学的なトートロジーにはまりそうになった。

僕らは自分で考えているつもりでいるけど、
情報が限られているなら
ホンモノを知ることは不可能で、
ホンモノだと思い込むことしかできないじゃないかと。


これは、哲学どころか結構深刻な問題で、
日常生活でも
ニュースソースがどうしても主要なインプットになっちゃうから
政府の記者クラブの制度とか(要するにマスコミ)は情報操作だし、
情報を意図的に制限してホンモノと思わそうとしていることを
意識しないと忘れてしまう。
でも、情報がないのにどうやって見抜けというのか?

それで、ブログとか時々漁ってるんだけど、
いいのがあったら教えて欲しい-

シロだかクロだか分からないしまうまの謎は深まるばかりです。



___________________
【参照】
アゴラ 言論プラットフォーム
など
(その他は、企業のWebなどなので省略させてもらいます。)