博士のキャリア支援 【紹介】 | 海外ポスドクの就職活動日記

海外ポスドクの就職活動日記

高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

『物理学者、ウォール街を往く。』(エマニュエル ダーマン 著)
を読んでいたんだけど、
「1990年代後半まで、ウォール街ではPh.D.(博士号)が名刺に記載されることはほとんどなかった。これは、Ph.D.の記載は、ただちに彼らをビジネスの世界に相応しくないとして追放することを意味していたからだった。(中略)…Ph.D.の威信は、96年から99年にかけてインターネット関連企業が成功を収めるとともに、ゆっくりとではあったが、確実に高まっていった。」(7章、脚注より)
という一文が目についた。

こういったことから分かるのは、別に、
アメリカでも初めからPhDの評価が今ほど高かったわけではない。
今でこそ、彼らはキャリアの目標にしばしばPhDを挙げたり、
名刺にPhDと誇らしげに書いたりするけど、
先人たちが積み上げてきたものがあってこそなのだ。
評価されるものには歴史的な経緯があるわけだし、
それを維持する努力なしには成り立たない。


産業界や金融業界を見ると、
日本のそれはアメリカの辿った経路を10年20年遅れて
歩んでいることも多い(技術が、という意味ではないことに注意)。

自動車や半導体の産業が勃興し、衰退し、
奇妙にも金融が主要産業のひとつとなったアメリカ。
イギリスにも似たところがある。

製造業で追いかけるアジア各国と、追われる日本。
よく言うように、産業の盛衰には典型的な形がある。

これからの日本はどうなるんだろう?

アメリカでそうだったように、
日本の将来を牽引する分野で博士たちにもっと活躍して欲しい、
と思わずにいられない。


以下では、
いくつかの政府支援などによる
ポスドク・博士のためのキャリアフォーラム
を紹介するけど、
大手企業などの参加も増えてきた気がする。

「周りに博士がいないような環境や、
ガチガチに日本型の雇用制度の企業では
博士を受け入れる器量も土壌もないし、
確かめずに行ったら不幸になりかねない」
と、何人かの知人に経験からのアドバイスをされてきた。
似たようなキャリアの人がいて助かっている、と。

僕は、そんな彼ら、先輩たちの歩みによって
いくらか日本の企業の中にも規格外の可能性を受け入れるところが
出てきているのではないかと少し感じ始めている。

多分、一般に転職が普通になってきた昨今の時勢は、
ポスドクや博士にとって長い目で見て追い風にもなるはず。

時代はゆっくりだけど変わり続けている。
というより、変えていきたい。

***

2010年 物理系人材のための合同企業説明会 (東京)
社団法人 日本物理学会キャリア支援センター
http://www.ph-career.org/event/kouryu201002-tokyo.html

日時:
2010年 2月7日 (日)

場所:
(独)科学技術振興機構 [JST] 東京本部 サイエンスプラザ B1F

参加予定企業・団体
有限会社IMP *
独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)
NTT R&D (日本電信電話株式会社)
新日本製鐵株式会社
株式会社図研
チッソ株式会社
財団法人 電力中央研究所
日新技研株式会社 *
日本放送協会 (NHK)
独立行政法人 日本原子力研究開発機構
日本電波工業株式会社
三菱原子燃料株式会社
株式会社D・F・S

***

博士・ポスドク積極採用企業会社説明会 (関西)
主催:京都大学キャリアサポートセンター 協力:㈱D・F・S
https://kucp.gakusei.kyoto-u.ac.jp/

日時:2010年2月20日(土)

場所:京大会館

参加予定企業・団体
カネカ
イシダ
京セラ
グッド・フィール
ソフトウェアクレイドル
知能情報システム
ローム
構造計画研究所
日本無線
サンケイエンジニアリング
富士フイルム
ワークスアプリケーションズ

***
最後に包括的なリンクを紹介しておきます。

・科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業実施機関一覧

・博士、ポスドク、就職、エンジニア転職の【アカリクWEB】> イベント一覧