六甲縦走キャノンボールラン、パワーの部完走記(3)~関西ローカルだが、そのタフさはメガトン級! | 「最後まで諦めない」~医師、時々作家、そしてランナー

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医師であり、時々作家、そしてランナーである筆者が日々の出来事について徒然なるままに綴っております。「最後まで歩かない」事をレースでも、人生でも目指しております。

な今日は水曜日です。

本日の山口県西部、朝はそこそこに冷え込んでいました。今日も気持ちのよい青空が広がり、日中の気温は20℃を越えています。少々暑いと感じる日が今週は続いています。

本日の「金沢守クリニック」の外来総受診者数は37名でした。

キャノンボールの疲れがまだ残っていますので、今日も完全休養日にせざるをえませんでした。10月の
トレーニング記録はラン262.2キロ、バイク332キロ、スイム12キロのまま停滞しています。

今日はフィニッシュしてから後の事や、その1、その2で書き漏らした事を書かせて頂きます。

【生ゴミ状態のまま新大阪へ】

湯本台広場からJR宝塚駅を目指し、尼崎行きの電車を待つ間にホームで妻に完走の報告をして、写真を
撮りました。妻は中々電話が掛からないので心配していました。

スマホで時刻表を調べたところ新大阪まで行って、その周辺のホテルに泊まえり、翌朝の始発で山口に
戻るしかない事が判明しています。

幸いだったのは6時発の始発に乗れば、広島駅での乗り換えはあるものの、新山口に20時10分に到着する
便があると分かった事でした。

スマホで即座に予約しています。まずは一安心です。これで診療所の正規の診療開始時間である9時には
何気なく診察室に座っている事が出来るなとほくそ笑んでいます。

余談ですが阪急電車を選択して新神戸を目指したとしても、10分程しか時間は変わらない事も分かっています。こちらの方が料金はかなりリーズナブルでもあります。

日曜日の18時半までには湯本台広場に戻って、広場近くの温泉で汗を流し、着替えるつもりでいましたので、スタート前に大会主催者に荷物を預けています。

21時半過ぎに荷物を回収出来るわけもありません。さっきまでキャノンボールに参加していたままの格好で
電車に乗り込んでいます。

自分は24時間以上同じ服を着たままです。26日(土)の夕方に自宅で入浴を済ませてから、新幹線と電車を乗り継いで湯本台広場に着きましたが、それから既に28時間ほど経過しています。

20時50分の尼崎行きの電車に乗り込んだのですが、私はほぼ生ゴミ状態ですし、不審者と思われても仕方がない状態です。周囲の乗客の視線が気になっています。

足腰への負担を少しでも和らげようと思い、折り畳み式のトレッキングポールはまだセットした状態で所持しています。

今までの遠征でも似たような経験はありますが、ここまでワイルドで、強烈なのは初めての事です。

【新大阪駅にて】

尼崎駅経由で新大阪駅に着いたのは22時20分頃です。キャノンボールに出場している間、主食はエナジージェル、エナジーバーなどだったので、とにかく普通の物が食べたいと強く思っています。

しかし、もう22時も回っている状況です。店を探す気力もなかったし、ホテルも探さないとなりません。

駅前の松屋でダブルトンテキ定食、ライス大盛りを注文し、一人打ち上げを開始しています。時間は既に
23時近くになっています。

私は夕食でご飯を食べないプチ糖質制限ダイエットをしていますので、普段ならこんな時間にご飯を食べる事などないですが、この日ばかりは致し方ありませんでした。とても美味しかったです。

松屋近くのコンビニエンスストア経由で新大阪駅に隣接している“レム新大阪”というビジネスホテルに行ったところ、飛び込みでも宿泊可能でしたのでチェックインしています。

駅に隣接したホテルと言えば、不必要に豪華で、宿泊料金も高いと思っていましたが、このホテルはとても
リーズナブルでした。急な泊まりの際にはお薦めの宿です。

レム新大阪

【レム新大阪にて】

レム新大阪のフロントでもまんまトレイルレースの装束に身を纏った私は、明らかに異物だったと思います。

まだホテルは新しく、部屋は綺麗でした。残念だったのはシャワーを浴びる事しか出来ない造りになって
いた事でした。出来れば湯船に浸かりたかったです。

この日は奇しくも大阪マラソンが開催された日でもあります。日中は出場した選手や応援に訪れた方などで
新大阪駅も随分混雑したと思います。

キャノンボール本体もしんどかったし、辛かったです。

しかし、今回最も辛かったのはシャワーを浴びて汗を流した後に、さっきまで着ていたファイントラックのフラッドラッシュパワーメッシュを又着なければならない事でした。

翌日の帰路もキャノンボールに出場したままの格好で帰らなければなりませんので、CW-XのアンダーシャツとC3 fitのタイツなどをハンガーに掛けています。

一息ついた頃にはもう日付は月曜日へと変わろうとしていました。開業前から欠かすことなく更新し続けて
いたブログを更新する事なく、少しでも休む事を優先しています。

6時発の新幹線に乗るため、携帯電話のアラームを5時にセットしましたが、もし起きれなかったら一巻の
終わりだと思うと自ずと眠りは浅くなっています。ほとんど眠れませんでした。

【午前6時前の新大阪の売店は大混雑】

24時間以上動き続けた上に、ホテルでの睡眠時間も4時間程度でした。ホテルで洗面や朝食を済ませて、チェックアウトを済ませ、新大阪駅に向かっています。

驚いたことにまだ6時前だと言うのに、新大阪駅構内の売店は行列が出来る混雑ぶりでした。恐らく、出張や
単身赴任している方が月曜日の始発で職場に向かうのでしょう。

買い求めた新聞を見て、私がキャノンボールに出場している間に日本シリーズの第1戦、第2戦が終わっていた事に改めて気づいてもいます。

乗らなければならない新幹線に乗り込むと、フィニッシュした時以上の安堵感を感じています。勿論、乗客の中で私は異彩を放っています。

残念だったのは広島での乗り継ぎがあったことです。迂闊に寝過ごして、目覚めたら博多駅とかは絶対に
許されないので、新聞を読んだり、荷物の整理をして寝ないようにしています。

無事に8時10分に新山口に着くと、丁度通勤や通学する人が多い時間帯でした。山口県もこの秋一番の
冷え込みだったと夜のニュースで知りました。

夕方まで仕事をしていますが、床に就いたのは月曜日の22時頃でした。キャノンボール+遠征+仕事で48時間程度戦っていた気がします。

【キャノンボール、パワーの部に出場する時は家族によく説明すべし】

私も想定した時間を大幅に過ぎてとても苦しみました。妻に心配を掛けていますし、神戸に住む母も大層心配していました。

母にはもう六甲山を走るような事はしないで欲しいと懇願される始末でした。私は来月50歳になるのですが、
親からみたら幾つになっても子供は子供なんだなと感じています。

今度キャノンボールに出る時は母には黙って出ないといけないとも感じています。

又、暗い中を走っている途中に家族に電話して、「どうしてそんなに遅くなっているんだ」とか「分不相応な
大会に出てるんじゃないのか」などと妻に叱責されている選手もちらほらいました。

かなりタフなレースなので、家族には日曜日の何時にフィニッシュ出来るのか分からない事を事前に説明
しておかなければなりません。

【キャノンボールへの正しい出場の仕方】

今回、日中に一度試走をしただけで、いきなりパワーの部に挑むという暴挙に出た事を反省しています。

正しい出場のあり方として
・日中の試走を須磨浦公園側からと宝塚側からの両方行っておく

・キャノンボールが行われる時、こっそり参加させてもらい、夜の六甲縦走路を経験しておく、そんなにお堅い
大会じゃないので、咎められる心配はない

・エントリーする時はどんなに自信があっても、まずはスピードから、スピードを完走してからパワーやバディ
にエントリーすべし

練習は非常に大切です。日中は一人でも大丈夫だと思いますが、夜は誰か一緒じゃないと真面目に危ないので、年2回行われる大会を練習として活用する人は結構いるようです。

練習をする事でコースを覚える事が出来るだけでなく、水分やエネルギー源をどれぐらい準備すればよいかも大まかには分かると思います。

もう一点補足ですが、今回のキャノンボールはさほど寒さに困る事はありませんでした。3月に開催される
大会は又違うのかもしれませんが、10月の大会はそんなに寒くないのかもしれません。

神戸で生まれ育ったので、六甲山は慣れ親しんだものでしたが、この年になって六甲山にこれほど苦しみ、
そして又揉まれに行く事になるかもしれないとは予想していませんでした。

来年3月のキャノンボールは第10回記念大会です。小江戸大江戸203キロと2週間空いてたら、絶対に出場したいと思う今夜の私です。

「最後まで歩かなかった」~医師、時々作家、そしてランナー