世界No.1トレーナー、フレディ・ローチのRADIOインタビュー! | Go↑kunの海外ボクシング記♪

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ボクシング…勝者と敗者のあまりにクッキリとしたコントラスト…。魅力的な選手達のバックグラウンド、ボクシングビジネスの側面、プロモーター達の思惑、選手の声、あまり入ってこない海外ボクシング情報を書きたいと思います!宜しくお願い致します!

こんばんは。

仕事が忙しいです…。忙しいというか疲れる(爆)
頭がパンパンだぜ…。

さて昨晩、途中で力尽きたロングインタビューです。
どうぞ~:

Q:
ボクシング界最大のスター、マニー・パッキャオのトレーナーでお馴染みのフレディ・ローチさんです。フレディ、調子はどうですか?

ローチ:
全ては順調さ。貴方は?

Q:
OKです、ありがとう御座います。お招き出来て嬉しく思います。先ずお伺いしたいのはHBOの24/7でも再三出ておりますが、パッキャオのキャンプは最高の状態ではないと…。キャンプを共に過ごして如何ですか?実際キャンプはどうなんでしょう?

ローチ:
LAに戻ってきてからは順調だよ。凄く集中しているしスパーリングも素晴らしい出来だよ。今すぐにでも試合が出来る程だし、KO勝ちは約束された様なもんさ。本当にスピードは恐るべきだよ。

Q:
対戦相手はマルガリートですね。過去に一度貴方へトレーナーとしてオファーがあったかと思います。彼のトレーナーになろうと思ったことはありましたか?

ローチ:
いや、彼が直接アプローチしてきたわけじゃないんだ。ボブ・アラムの会社、トップランクが最初に聞いてきたってのが本当のとこさ。その後にマルガリートも言ってきたことがあったね。1回か2回しか会ったことがないし、彼は英語が喋れないから、通訳を介して少し話をしただけだよ。ハローとグッバイとかね。トップランクは彼の評判を良くしたかった様だから、俺に結構お願いしてきたけど、まぁ実現はしなかったね。マルガリートは良いファイターだし、一度は真剣にトレーナーを引き受けようかと考えたよ。でも彼のことはあまり良く知らないんだ。でも…不正をする様な奴は好きじゃない。彼のここ8戦位を観れば…正直どの試合で不正をしていたか、どの試合でしていなかったが明らかだよ。俺はトレーナーとして対戦相手の試合を2ヶ月間観続けるからね。ああいう不正は絶対にしてはいけないことだから、俺はやっぱり好きにはなれないね。

Q:
マルガリートは、バンテージに仕込んだことを認めて、知っていたと明らかにした方が、逆に良かったと思いますか?

ローチ:
彼らはトレーナーのせいにしだだろ?でも考えてみてくれ。自分のバンテージに何が入ってたか分からないと思う?知らないわけないでしょ?シントロンとの第二戦、彼は試合後グローブを外さなかったね。コット戦もそうだった。パッキャオのスパーリングパートナーで呼んでいる連中にも、マルガリートとスパーしたことあるのが結構いるんだ。ある男は、マルガリートのパンチ力に驚嘆していたけど、もう一人は、女の子のパンチみたいだって言ってたよ。練習でも不正してたんだろうね。今回は勿論、俺がチェックするよ。マルガリートなんて怖くないさ。パッキャオが彼を破壊するだろうね。

Q:
分かりました。それではパッキャオが苦しむ要因はありますか?

ローチ:
そうだね。リーチも長いし、背も高い、そしてでかいよね。まぁでもスキルで勝っているし、全てのスピードで遥かに上回っている。パンチのタイミングでもね。何も恐れることはないよ。マニーが正しい戦法で臨めば、簡単な試合になるね。心配な点は、マニーが負けん気を出して打ち合うことかな。マニーは負けず嫌いだし、でかい奴とは打ち合えないとか聞くと、逆にそれをやるんだよ。だからその為の練習もさせてる位だ。安全策ならアウトボクシングが良いけどね。

Q:
ウェイトに関してですが、パッキャオはキャリア最高の150ポンドで戦います。その点でスピードが落ちる等の不安はありますか?

ローチ:
いや、マニーは昨日の段階で147ポンドだった。多分148か149でリングに上がることになるよ。彼のベストウェイトだ。153とか154になると少し重いね。スピードも落ちる。俺は彼のトレーナーと長年やっているから分かるけど、現段階でのベストは149だね。マルガリートは多分試合当日は160以上で来るだろうけど、こいつのサイズは全く関係ないよ。スピードとスキルが勝負を決めるからね。

Q:
フレディ、カーンについて伺います。12月11日にマイダナとのビッグマッチを控えてますね。彼のトレーニングはどうでしょうか?

ローチ:
彼はとても良くやっているよ。マイダナは凄いパンチャーだから、1Rから12R終わるまで危険な相手だよ。アウトボクシングをしながら、常に注意して、本当に戦術的に戦う必要がある。マイダナはパンチは凄いけどスキルは大したことないからアウトボックスはそんなに難しくないだろうね。マイダナのビデオを観て研究しているよ。彼はパンチを出す時に癖があるから、分かるんだ。勿論それでも注意を払って戦わなければならないけどね。アミールにとってはジャブが生命線になるだろう。打ち合いは避けるべきだね。ワンパンチで終わらせる力があるからね。

Q:
パンチ力に関して言うならば、本物のパンチャーと戦うのはプレスコット以来という声が多いと思います。ご心配な点はありますか?

ローチ:
いや、そんなことはないよ。プレスコットにはKOされたけど、彼がKOされたのはあの試合だけだ。そうしたら皆は急にカーンの顎が弱いって言い出したと思うんだ。俺がトレーナーになってからアミールは1Rたりとも落としていないよ。コテルニクやバレラの様な質の高いファイターとも戦ってるし、ポーリー・マリナッジともやってる。まぁポーリーにはパンチがないけどね。とにかく今度の相手はパンチャーだからしっかりゲームプランを立てる必要はあるよ。アミールはそれが出来るボクサーだ。彼は俺が見てきた中でも最も真面目な生徒だし、ゲームプランを忠実に遂行することが出来る。完全に崩してからじゃないとゴーサインは出さないつもりさ。そしてアミールにはそれが出来る。

Q:
数週間前にアミールをこのラジオに迎えた時、彼はマイダナ戦後、ブラッドリーとアレキサンダーの勝者と戦いたいと言ってました。貴方の見解はどうでしょう?

ローチ:
良いプランだと思うよ。今回の試合が一番タフだと思っているんだ。マイダナは多分残りの2人より強いんじゃないかな。今回の試合が140ポンドのビッグファイトさ。ブラッドリーとアレキサンダーなら、同じ日に戦っても良い位さ。マイダナの方が遥かに強いと思う。だから心配はないね。140ポンドをキレイにしてから、147に上げて、メイウェザー戦を追うのも良いかもね。

Q:
ブラッドリーとアレキサンダーのどちらが良いですか?

ローチ:
アレキサンダーの方が少し簡単かな。サウスポーだけど、アミールには関係ないからね。どちらでも全く問題ないよ。奴らは真っすぐなストレートが打てないんだ。遠回りするパンチが得意なのかね?どちらにせよアミールがスピードで圧倒出来るだろう。アミールはアマチュアでの実績も凄いんだ。奴らもアマで経験豊富みたいだけど五輪には行ってないだろ?アミールは五輪でトップレベルまで行ったんだ。アウトボクシングさせれば簡単な試合になるだろうね。

Q:
メイウェザー戦の可能性についても言及されましたね。もし実現したらどうなるでしょう?

ローチ:
メイウェザーはマニーと戦いたくないみたいだから、アミールとだったらやるかも知れないよね。良い勝負をすると思うよ。まだ1年以上先になるはずだから、メイウェザーも又一つ年齢を重ねるわけだしね。スピードとパンチを兼ね備えたアミールは間違いなく良い勝負をするはずさ。メイウェザーは勿論、偉大なファイターだけど、対戦相手を選んでいるのは間違いないしね。マニーと戦いたくないんなら、アミールとやって欲しいね。

Q:
24/7でパッキャオとカーンのスパーリングが流れていました。もし両者がリングで激突したら、カーンはどの程度やれますか?

ローチ:
マニー・パッキャオとアミール・カーンは一緒に素晴らしい練習をしている。競争相手でもあるしね。走るのも一緒だし、良き友人でもある。試合が実現するなら、マニーの経験が上回るだろうね。序盤はアミールも良い動きをするだろうけど、試合が進むに連れ、マニーの経験とクレバーさが試合を支配すると思う。良い試合になるだろうけど、現時点では実現の可能性は低いんじゃないかな。

Q:
パッキャオのキャンプがいつも通り順調でなかったのは、政治家としての活動やその他多忙なせいでもあると思いますが、やはりボクシングを引退してから政治家になって欲しかったですか?

ローチ:
そうだね。引退後の方が良かったと思うけど、彼は欲張りだからね。いつも何かをしていたいタイプなんだろう。今までもそうだったよ。政治家になる前も歌ったり、演技をしたりしていたから。だから否定は出来ないよ。フィリピンで練習していた時は、政治運動が忙しかったからさすがに心配になったけど、彼はLAに来てからしっかりやっている。今は邪魔するものがないからね。ジミー・ケネルの番組で歌を一曲披露していたけど、ああいうことも彼は楽しんでいるんだ。忙しくしているのが好きなんだろうね。ジムでは集中してやっているし、ジムを離れれば歌とか政治活動を一生懸命やっている。それがマニー・パッキャオなんだ。我々が取り上げることは出来ないよ。

Q:
後、何試合位、パッキャオの試合が観れるんでしょうか?

ローチ:
マニーは以前も引退について話していたよ。俺もメイウェザー戦が実現したら、もう何もチャレンジはないかもねって伝えたこともある。正直言って、マルガリート戦後に彼が引退したとしても、俺は世界一幸せな男だよ。彼は俺の人生を変えた、史上最も偉大なチャンピオンだ。8個目の世界タイトルだよ!他に何を望める?勿論マニーが望めば後、2試合、3試合と出来るだろうけど、対戦相手は誰がいる?160ポンド?さすがに重過ぎると思うよ。でもちょっと前までウェルターもS.ウェルターも俺は重すぎると思っていたから分からないけどね。メイウェザー戦が実現しなかったら、160ポンドでやるかも知れないし。今は分からないよ。

Q:
話を変えましょう。マイク・タイソンが2011年の世界殿堂入り候補になったそうですが、資格はあると思いますか?

ローチ:
タイソンには殿堂入りの資格があると思う。彼は間違いなく時代最高のヘビー級だった。俺も2試合だけだったけど彼のトレーナーとして仕事が出来たし、マイクとの時間は楽しかったんだ。本当に良い奴なんだよ。皆、信じてくれないけど俺は彼が大好きだ。尊敬すべき男だし、殿堂入りを願っているよ。

Q:
タイソンとパッキャオというボクシングにインパクトを与えた男達を比較するとどうですか?

ローチ:
似た点はたくさんあるよね。彼ら2人共、一時代を築いたしボクシング界の救世主だよ。タイソンの時代には、皆がタイソンの試合を観たがっていたし、マニーは正に今がそうだよね。興味深いのは、タイソンが現役の頃、マニーの練習を観てたんだ、その時タイソンは、『フレディ、彼を少しスローダウンさせた方が良いんじゃないか?もうすぐ試合だろ?』って言ってきたんだ。俺は笑って『いや、これでスローダウンしてるんだ!』って答えた。タイソンも驚いていたね。マニーの才能に気付いたみたいだった。彼らは、それぞれの時代で最高のファイターであり、最も人気のあるボクサーであり、ボクシング界への貢献は大きいと思うよ。

Q:
フレディ、もし貴方がこれまで携わった試合で、一つだけ最高のパフォーマンスを選ぶならどれですか?キャンプから試合内容まで全て含めてです。

ローチ:
パッキャオvsモラレスIIかな。初戦負けていたし、あの試合でマニーは両腕で戦う様になったんだ。それまでは左しか使えなかったからね。記憶に残っている中では、あの試合が最高だったし、人生最高の夜だったね。

Q:
マニーが160ポンドへという話もありましたが、11月20日にマルティネスvsウィリアムスIIという興味深い戦いがありますね?どちらが勝つと思いますか?勝者とパッキャオの試合は観たいですか?

ローチ:
今はマルガリートのことしか考えていないよ。試合後にその試合について考えたいね。両者とも良いファイターだしね。50-50の試合かな、でもウィリアムスは再戦に強いよね。まぁとにかく今はマルガリート戦を観てくれ。その後、次のことは考えるよ。勿論、メイウェザー戦を一番に望むけど、もし無理ならその試合の勝者でも良いかもね。オファーが良ければ当然検討するさ。

Q:
パッキャオのキャッチウェイト契約が批判されていますが…。

ローチ:
今回がマニーにとって人生2度目のキャッチウェイト契約だよ。今までもシュガー・レイ・レナードがやってたりしてたけどね。そもそもマニーはウェルター級ファイターだから、今回の試合も147契約でやりたかったんだ。でもマルガリートが落とせないっていうんで、交渉の末、150になった。もしポール・ウィリアムスの様なでかい連中と戦うことになったら、又交渉するよ。だってマニーはミドル級ファイターじゃないからね。

Q:
後、少しだけお付き合い下さい。マルガリート戦に集中している中、失礼ですが、パッキャオにとって、メイウェザー戦の勝利は必要なものでしょうか?

ローチ:
いや、そんなことはないね。最初の交渉は血液検査云々で決裂したよね?2度目は、我々は全てに同意したんだ。メイウェザーの要望を全て飲んで戦う準備をしたのに戦えなかった。どちらにせよ、マニーはメイウェザーを必要としていない。メイウェザーが戦いたくないなら、無敗の戦績に傷を付けずに、6,000万ドルを無駄にしたいなら、仕方ないさ。

Q:
フレディ、貴方はここ10年間パッキャオと共に過ごしていますが、彼の成し遂げたことを全て見返すと、彼は歴史上でもトップクラスですよね?ランク付けするとしたらどの辺りでしょうか?

ローチ:
彼は間違いなく俺が一緒にトレーニングした中では最高のファイターだよ。初日から今日まで、彼は誰よりも多くのことを成し遂げ、誰よりも多くのことを学び、最高の生徒でい続けている。彼のお陰で俺まで評価されちゃってね。そして彼は何でも吸収するんだ。俺が何かを指示すれば、その通りにやってくれる。彼は俺の人生を変えたんだ。彼のお陰で俺もより良いトレーナーになれたと思うし、人間としても成長したと思う。感謝しているよ。最高の時間を過ごしている。この10年は楽しかったよ。

Q:
マルガリート戦に戻りましょう。モズリーがマルガリートに圧勝したことで、パッキャオはマルガリートを甘く見てるなんてことはあり得ますか?

ローチ:
いや、それはないね。俺が甘く見てるかも知れないね。フットワークは酷いし、パンチも大きい、ストレートは打てない、顎は強くてタフだけど、スキルは大したことない。ただ、パッキャオは誰のことも甘く見たりしないよ。彼の信念は、勝者は神が決めることで、しっかり準備をするってことだからね。素人と試合をすることになっても甘く見ないよ。誰と戦うにしても同じ様にハードな練習をするんだ。今回も序盤は政治活動と重なって少し問題はあっただろうけど、その後しっかり仕上げている。それに政治は彼が本当に望んでいる仕事だしね。だから彼はマルガリートを見下してなんかいない、それどころか誰のこともね。それがパッキャオさ。

Q:
正式な予想をお願いします。どの様な展開になりますか?

ローチ:
マルガリートはスロースターターだよね。だから序盤から積極的に行くよ。コンビネーションとスピードで圧倒する。徐々に崩していって8Rか9Rでストップするだろう。スピードに対応出来ないんじゃないかな。

Q:
最後に、世界中のボクシングファンへ一言お願いします。

ローチ:
いつもサポートをありがとう。マルガリートのファンの皆さん、ごめんね。多分俺の発言は気に入らないと思うけど、ただ自信があるだけなんだ。パッキャオはいつも通り仕事をやり遂げると思う。ダラスで会おう。

以上