最近チームメンバーと話をしていて感じたことなのですが、コンサルティングの仕事を料理に例えると、入りたてのコンサルタントに対しても、この仕事の本質をわかりやすく伝えることができるようです。

まずは、お客さんがどういう料理を食べたがっているか、それを元に、提供する料理の大まかな方向性を決めることから始まります。懐石なのか、鮨なのか、フレンチなのか、イタリアンなのか、中華なのか・・・。提供する料理の大体の提供イメージと値段を固めます。

これは、コンサルティングプロジェクトのセールス活動に相当します。パートナーがクライアントと議論して、プロジェクトのスコープと、成果物イメージ、スケジュール、そしてフィーが決まります。

無事料理の注文が取れたら(=プロジェクトが売れたら)、どのような料理人(=コンサルタント)を集めるかを決めます。まずは料理長(=プロジェクトリーダー)を決めて、その下につく料理人(=メンバー)を決めます。フレンチであれば、料理長はフレンチ専門のシェフ(=業界やトピックに精通した人)をチームに入れますが、その下の料理人は、かならずしもフレンチではなく、異なる分野の発想を取り入れるため、和食やイタリアンと、あえて違う専門の料理人を入れることもあります。

無事チームが組成されると、次は提供する料理(=毎回のミーティングのアウトプット)の具体的なイメージを固めていきます。フレンチのコース料理だとして、それぞれの料理を、どのような食材をつかってどういう料理に仕立て上げるかは料理長(=プロジェクトリーダー)の腕の見せ所です。お客さん(=クライアント)の意見を聞きながら、食べたがっている料理(=課題/イシュー)を想像して、口に合うように味付け(=議論のトーン)を考えて、出す必要があります

さて、提供する料理が決まると、実際の調理(=資料の作成)が始まります。この時に、どういう素材を使って、どう料理するのかは、大まかには料理長が指示しますが、それをもとに実際に料理するのは各料理人(=メンバーのコンサルタント)の役目です。この時に、どのように必要な素材(データやファクト)を見つけてきて、それをどう料理するかが、各料理人の腕の見せ所です。素材の味を殺さず、エッセンスを抜き出して、旨い料理として提供することが求められます。

時として、思いがけない最高の素材が出てくることがあります。場合によっては、ふぐのように毒入りなんだけど絶品の素材もあります。そのようなときは、料理長として、これをどう料理するのか、その料理人に的確に指示をしなければなりません。うまくできれば、お客さんも期待していなかった、すごい料理が提供できることがあります。

最後に大事なことは、旨い料理を提供して、お客さんに「おいしかった」と言われることだけでなく、「次はお客さんもこの料理を作れるようになりましょうね」と言わなければならないことが最近増えてきているということです。レシピを教えながら、時に一緒にキッチンに立って、言葉では伝えきれないノウハウを伝えることも必要です。
ここ数日は、仕事に集中しなければならない状況が続いていたため、ブログが書けませんでした。
ようやく迎えた週末という感じです。

今週もプロジェクトチームで議論をする中で、今後考えを深めるべきことの発見がいくつかありました。その中の一つが、結果を生みだしていくために、クライアントとどのタイミングで何を議論していくかの道筋を明確に描くということです。例えれば、詰将棋のように、最終の詰みの形にむけて、王手を仕掛けながら確実に展開を進めていく方法です。

最終のゴールを意識しながら、そこからの逆算で現在までをつないでいくことになるのですが、議論する内容の解像度をいかに高められるかがポイントとなります。単に○○のテーマについて議論をしよう、ということではなく、議論が終わった段階でどういう状態になっていることがゴールで、そのために、いつ誰とどのような内容の議論するのかを、明確に描いておく必要があります。

ここの解像度が甘いと、上の詰将棋の例でいえば「王手」にならない一手を打ちだしてしまうことになります。そうすると、議論が全く巻き起らないか、あるいはまったく違う方向の議論が展開されてしまって、いずれにしても、達成したいゴールにたどり着けなくなります。

このことがちゃんとできれば、今の仕事がもっと面白くなるだろうなというのは分かる半面、実際やるとなかなか難しく、ちょっといま手こずっているところです。。。

前回の記事では、相手の言っていることを理解するためのステップを書きました。おさらいとしてもう一度まとめると、以下の3つとなります
 ・第1ステップ:相手の言っていることを正しく理解する
 ・第2ステップ:正確に聞きとったことをもとに、相手の思考のプロセスや、思考パターンを想像する
 ・第3ステップ:
理解した相手の思考のフレームやプロセス(第2ステップの結果)に沿って、相手の言っていること(第1ステップの結果)を整理していって、相手の言っていることを全体の構造として理解する

この中で、私が苦労しているのは、前回の記事でも書いたようにステップ2です。では、このハードルを乗り越えるにはどうすればよいか・・・。

いま思っているポイントは2つあって、一つは、相手が発する言葉の中で、経営課題やビジネスインパクトに直結するキーワードに対して敏感になるということ、
もう一つは、相手の話の中で、状況説明や事実説明の部分とそれに対する意見表明の部分を切り分けて、特に後者について漏らさずに聞き留めるということです。

・・・と、自分で書いていて、まだまだ抽象的な内容だなあと思っています。まだ自分自身として、こうすればいいと実感できるレベルになっていない証拠です。

当面は、ここに書いた2つのポイントに気をつけながら色々な人とのコミュニケーションを図っていき、もう少し具体的な方法論に落としこめるようにしたいと思います。
前回の記事の続きです。

相手の言っている事を理解するというのは、そもそもどういうプロセスなのでしょうか?正しい答えがあるものではないでしょうが、私が考えているのは、次のような3つのステップです。

まず最初のステップは、相手の言っていることを正しく聞くということです。当り前ですが、それが理解する上での大前提となります。でも、実はこれが案外難しい。単に言っていることを聞くということではなくて、どのような言葉の選び方、言葉づかいをしているかを含めて、ちゃんと逐語で聞くということです。その時に、勝手に自分の言葉に置き換えてはいけません。相手の言葉通りに聞くのです。

次のステップは、正確に聞きとったことをもとに、相手の思考のプロセスや、思考パターンを想像するということです(このことについては、以前の記事でも書きました)。この時に留意すべきことは、言葉づかいに相手の思考が(無意識に)現れるということです。つまり、相手の言葉づかいから、相手自身も気づいていない、思考のフレームやプロセスを想像することができるのです。なので、ステップ1で相手の言葉づかいに注意を払う必要があるのです。

最後のステップは、理解した相手の思考のフレームやプロセス(ステップ2の結果)に沿って、相手の言っていること(ステップ1の結果)を整理していって、相手の言っていることを、全体の構造として理解するということです。

この3つのプロセスの中で、私が今悩んでいるのは、ステップ2です。ここができないために、ステップ3で全体像を理解するときに、「相手の思考のフレーム」ではなく「自分の思考のフレーム」に当てはめてしまうのです。結果何が起きるかと言うと、前回の記事で書いたように、相手が伝えたい重要なことであっても、自分のフレームにハマらないものがすっぽりと落ちてしまうのです。

一般的にも、ステップ2が一番難しいのではないかと思います。例えば、「xxさんの言っていることがさっぱりわからない」と言うときは、その1つ1つの言葉そのものというよりも、その背後にある考え方が理解できない(なぜそのような言葉の使い方をするのか?なぜあの順で話をするのか等)ということを指しているのではないかと思います。

ただし、プロジェクトリーダー以上のシニアポジションのコンサルタントとして仕事をしていく上では、これが難しいと言って許されるわけではありません。何とかそれを乗り越える必要があります。

さてどうしていくべきか。。。また次回の記事で書くようにします。
唐突ですが、人間が物事を理解するということはどういうことなのか?最近、真面目にこのことを考えています。

その背景は、「あなたは、クライアントの幹部の言ったことを、その通りに理解していない」、というパートナーからの指摘です。自分のフレームの中でしか相手のことを理解していなくて、重要な情報であっても、そのフレームからはみ出るものが、すっぽりと落ちてしまっている、ということです。

コンサルタントとして、特にプロジェクトマネジメントを行う上で、クライアントが言っていることを正しく理解することは、絶対に必要なことです。それができていないとなると、由々しき問題です。

そもそも、相手の言っていることを理解するというのはどういうプロセスなのか?そしてそのプロセスの中の何をどう変える必要があるのか?それについて、自分なりの答えを探す必要があります。

ちょっと長くなりそうですし、しっかりと考えたいので、何回かに分けて書くようににします。また次回。