アメリカのフォートワースで開催されている、第15回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(公式サイトはこちら)。
6月9日は、ファイナルの第3日。
ネット配信を聴いた(こちらのサイト)。
ちなみに、これまでの記事はこちら。
Yury Favorin (Russia | Age 30)
PROKOFIEV Piano Concerto No. 2 in G Minor, op. 16
パワフルかつ安定しており良い演奏だが、優れたコンテスタントたちの中で、とりわけ優れたポイントがあるかというと、そうでもないかもしれない。
特に、第2楽章がおとなしすぎる気がする。
終楽章もやや落ち着いてしまっているか。
攻めのテンポながら秀逸にコントロールされたヴィニツカヤ/ヴァルガ/ベルリン・ドイツ響盤(NML/Apple Music)を聴きすぎている私のほうのせいかもしれないけれども(ヴィニツカヤは2007年エリザベート王妃コンクールで同曲を弾いて優勝している)。
Kenneth Broberg (United States | Age 23)
RACHMANINOFF Rhapsody on a Theme of Paganini, op. 43
自然で素直な感じの美しい演奏。
相変わらず、音色がみずみずしい。
有名な第18変奏も、なかなかの表現力。
ラフマニノフらしいパワーはあまり感じられないが、これはこれで名演だと思う。
Yekwon Sunwoo (South Korea | Age 28)
RACHMANINOFF Piano Concerto No. 3 in D Minor, op. 30
彼らしい細かな表現力と確かなテクニックが聴ける。
パワーも、もちろんある。
ただ、先日のルービンシュタインコンクールで同曲を弾いたSzymon NehringやJaehong Parkなどに比べると、わずかながら熱気に欠けるような気もしないでもない。
テクニックの安定度の面では、この2人を上回ってさえいるかもしれないくらいなのだが。
そんなわけで、今日の3人を気に入った順に並べると
1. Kenneth Broberg (United States | Age 23)
2. Yekwon Sunwoo (South Korea | Age 28)
3. Yury Favorin (Russia | Age 30)
といったところか(1と2は逆でもいいかもしれないが)。
ただ、明日の3人にはさらに期待している。
特に、CheungとHsuは有力な優勝候補だろう。
明日の3人を聴く前の段階での私の予想は
ゴールド: Daniel Hsu (United States | Age 19)
シルバー: Rachel Cheung (Hong Kong | Age 25)
クリスタル: Kenneth Broberg (United States | Age 23)
といったところである(あるいはゴールドとシルバーは逆かもしれない)。
いずれにしても、明日が楽しみである。
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