第2章 資本主義は、いかなる歴史を作ってきたのか?
1-(市場民主主義)の誕生-紀元前12世紀
未来を決定付けるであろう衝撃的な出来事を予測したいのであれば'まず過去に起きた重要な出来事を知ることだ。
これにより、これから可能なこと、変化すること、不変であることを絞り込んでいくことができる。
特に'人類の素晴らしい可能性について確認することに役立つ。
紀元前12世紀'ペルシャ帝国などの隙間にあった地中海沿岸地域で'最初の市場と民主主義が誕生した。
これらは二〇〇〇年後に(市場の秩序)を形成する。
ところで、我々はいまだに市場の秩序のなかに存在し'また、この市場の秩序は今後とも長期にわたって継続するであろう。
では'その歴史と法則を見てみよう。
これらは未来にも通用する法則である。
一般的に歴史を記す本は'商人の境遇よりも君主の運命に興味を示すとしても'また、数千年の間にわたって世界が共有し続けるであろう帝国の栄枯盛衰を語ることを好むとしても'今後の歴史上の重要な変化は他の場所にある。
それは人権を絶対的理想に仕立て上げながら生まれる個人主義の秩序である。
この秩序は'自らの理想を自らが絶え間なく裏切-ながらもへこれまでに存在した他のどの秩序より、より多くの富を生み出すことができる。
最初、この秩序は神政や帝国の社会内部で寄生していた'ごく小さな動きであった。
次に、この秩序は神政や帝国と競合するようになり'商人たちは次第にすべての王に取って代わった。
また、すべてのサービスは大量製品に置き換えられた。
市場の秩序は勢力範囲を拡大し'さらに効率的な技術を携え、暴力・不正・栄華が同時に存在するなかで'市場と民主主義を根づかせた。
すなわち、これが(市場民主主義)であり'さまざまな変化(いまだに将来の見通しを曇らせている要素となっている)にもかかわらず、市場の秩序を生み出した。
市場の秩序とは個人の自由という理想の勝利である。
いずれにせよ'準備を万端にしたものが勝利する。
市場の秩序は何世紀にもわたって、その絶頂期に達するまで、その仕組みを洗練されたものに変えていくことになる。
- 21世紀の歴史~-日本語版序文にかえて ジャック・アタリ
- 1-宗教・軍事・市場-人類史を動かしてきたころの秩序
- 2--ノマド・カニバニスム・性…
- 3--神・近親姦の忌避・定住化-(ノマド)と(定住民)の衝突
- 4--〈帝国の秩序)から(相場の秩序)へ
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14・・・アメリカ,終悪の始まり
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