春宵一刻値千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院内夜沈沈 ―蘇軾「春夜」より
色鮮やかな花々が咲き開き、
すべてが輝きはじめる絢爛の春のこんな朝はいかがお過ごしですか?
由美本店 www.yumi-ito.com
さて、春の淡い緑や黄色の芽をふいた木々が光るようなこの時季を、
中国では「翠靄(すいあい)」(“緑の靄”や“霞”が山々を覆う4月であるという意味)と呼びますが、
今の季節にはぴったりの言葉で、
とくに桜の散り終えたあとは“さらなり”で、
山や野の春は、まだ形や色の定まらない草木の生命そのものの明るさに満ち、
まさに掲詩の蘇軾「春夜」の如く・・・
春の宵はほんの僅かな時間が千金もの値打ちがあるように思えますね。(毎日新聞「余録」より)
また、この歌は、“春の夜の静かな情趣”を詠じた詩で、
下記、王安石の「夜直」と共に、“春夜”を詠じた詩では双璧と称せられており、
清らかな花の香りが漂う中、月は朧に霞む情景が浮かんできて、
金曜日に由美ママは銀座8丁目『酒菜 おかだ』 http://www.shusai-okada.com/
へと出かけました。
この日のワインは「魚には水、私にはワイン・・・」と自称し、10万本のワインを飲み干したといわれる“日本のワイン王”中川ワイン販売のオーナー・中川一三氏からの提供でしたが、この中川氏とは、カリフォルニア・ワインの日本におけるパイオニア的存在です!http://www.nakagawa-wine.co.jp/
金爐香尽漏声残
翦翦軽風陣陣寒
春色悩人眠不得
月移花影上欄干 ―王安石「夜直」より
翦翦軽風陣陣寒
春色悩人眠不得
月移花影上欄干 ―王安石「夜直」より
絢爛の時に煌めき、花達はすべて咲き誇るこんな“晩春”のひとときは、
“黄金の香炉”の“香”の、微かな花の香を乗せた風に誘われるようなよき休日をお過ごし下さい。