春の夜梅の花をよめる
春の夜の やみはあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やはかくるる
―凡河内躬恒
雨に濡れて梅の花”の“香”が匂い立つ、早春の祝日はいかがお過ごしですか?
今日はこれから雨に煙る“春の香”に誘われて、近所の白金の森の一角「東京都庭園美術館」へと行き、
紅や白に“思いのまま”可憐な色合いで咲く“梅の花”を愛で、
その優雅な香りと清楚な花姿を愉しもうと思っておりますが、
この寒風の中でも、あたり一帯に漂う“梅の香”に、いち早く春の訪れを感じられるといいですね。
昨夜、由美ママは贔屓の『銀座小十』 http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10446143291.html (2010年1月30日号他)にて、食べ納め?の島根県隠岐よりの“松葉かに”を食べました!
ふぐの白子と身と皮の水菜和え
さて、“梅”は元は中国からの渡来木ですが、中国では正月明けて直に咲くことから、
「百花初見」とか「百花元始」と呼ばれ、古くから「春を呼ぶめでたい花」として重宝されてきましたが、
この“梅”が日本に伝来したのは、今から約1500年前頃で、
遣唐使の小野妹子らによって伝えられたとされ、
江戸時代には、すでに300種以上の“梅”があったと言われています。
また古代の歌人には、“桜”よりこの“梅”の方が人気で、
「万葉集」に於いては“梅”100首に対し、“桜”40首が詠まれており、
その後、平安時代の「古今集」では、“桜”100首に対し、“梅”20首へと変わってしまいましたが、
“桜”は散り際を、“梅”には昔を思い出させる“香り ”があるのでしょうか、
白金の森の“梅の香”は、今でも昔のままの“香り”で咲き誇っているのでしょうね・・・
長崎壱岐産の鮪を切る『銀座小十』奥田 透ご主人
鳴門の鯛とにゅうめん
そんな遥か万葉人にも愛された“梅”は、その名も風雅なものばかりで、
南高、道知辺(ミチシルベ)、春日野(カスガノ)、暁枝垂(アカツキシダレ)、浮牡丹(ウキボタン)、
御所紅(ゴショベイ)、薫の雪、光輝(コウキ)、楊貴妃、蝶の羽重(ハガサネ)、幾夜寝覚(イクヨネザメ)、
紅千鳥(ベニチドリ)・・・ など数多く、
中でも“輪違い梅”「思いのまま」は、八重咲きで、花の色は白・淡紅・紅色・絞りなど、
“枝による咲き分け”となるため、この名が付られていますが、
まるで“梅”に寄せる日本人の深い想いと、
王朝文学の世界に迷い込んだような“雅”な趣きが感じられるかのようで、素敵な響きですね。
http://www.umeya-farm.co.jp/info/syurui.html
締めのご飯はアマダイと自家製カラスミの炊込みご飯!!!
ミシュラン3年連続三ツ星を獲得した『銀座小十』 http://www.kojyu.jp
は“世界でいちばん小さな三ツ星”料理店http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10363332436.html
(2010年10月13日号)ですが、是非この贅を尽くした旬魚を召し上がり下さい。
月夜に 梅の花を折りて と人のいひければ 折るとてよめる
月夜には それとも見えず 梅の花 香をたづねてぞ 知るべかりける
―凡河内躬恒
今宵はこんな“春の夜”にあやかり、“白梅”の装いにて出かけたく思う由美ママですが、“梅の花香”の甘美な匂いに酔えるようなよき一日をお過ごし下さい。