ひさかたの あまのかぐやま このゆうべ 霞たなびく 春立つらしも
―柿本人麻呂
先週2日4日は“春立つ”「立春」を迎えましたが、まだまだ「余寒」が残るは朝はいかがお過ごしですか?
先週由美ママは贔屓の『オテル・ドゥ・ミクニ』 http://ameblo.jp/ginzayumimama/entry-10252950621.html (2009年5月2日号他)の新館にて“立春”の宵を過ごしました。
「立春という声を聞くと心に春の暖かさが住みつく感じで、空をゆく雲の色、野をわたる風のひびきも
急にやわらいできたように思える・・・」と言ったのは、俳人・水原秋櫻子ですが、
昨日「寒明け」の休日は、まさに「冴え返る」寒さに震えましたね・・・
さて、暦上での“春”は、「立春」から「立夏」(5月6日頃)までの間のことで、
“春”は「早春」「闌旬(らんしゅん)」「晩春」の三つに分かれますが、
「立春」以降の寒さは、冬が残していったものとして「余寒」と云い、
「残暑」の対語で、寒が明けてからの寒さのことを表し、
したがって、この「余寒」は、春の季語ですが、
今朝はそんな春が少しずつ“うつろう”季語について触れてみることにしました。
先ず、この「寒明け」の季語は、道縁にも少しずつ緑が見え始め、
おおいぬのふぐりが可憐な花を開かせる・・・この春の先駆けのような今の時季を
「草萌える」とか「下萌」と云いますが、「いぬふぐり」はそのまま季語となり、
このような季節感を「二月尽」といい、「余寒の頃を過ごして爛漫の春を迎える・・・」
そんな心躍るような気持を表します。
また一方では、“春”の恩恵に授かりつつ、油断していると、
突然の如く「寒の戻り」に襲われ、再び冬に逆戻り・・・といった日を
上記「冴返る」とか「余寒」と言いますが、
そんな日でも日中には春を感じさせるような風「東風」(こち)が吹くこともあり、
菅原道真の有名な歌に・・・
「東風吹かば、にほいおこせよ梅の花、主なしとて春を忘るな」
と、この季節の情景を自身の思いを重ね合わせて見事に詠っています。
この日の“特別メニュー”は、先ず、鮑・ツブ貝・帆立貝の“春巻き風エスカルゴバター風味”!
フランス・ヴォークリューズ産トリュフと国分寺で獲れたインカのめざめのサラダ、トリュフヴィネガー風味!
1983年は『由美』本店 www.yumi-ito.com がOPENした記念の年!
フレッシュトリュフのシュープリーズ、ほうれん草のソテー添え、ポルト風味の中身は・・・???
新鮮なトリュフが丸ごと出てきます!!!
こうしていよいよ本格的な“春”となりますが、明るく輝くような春の光の中を吹き渡る風は、
時には眩く光るように感じることもあり、そんな情景を「風光る」と云い、
そして殺風景だった山々にも、少しずつ色が戻り始め、沸き立つような季節を予感しますが、
そんな山の感じを「山笑う」と表現します。
そして“春”の明方は、早やウグイスが鳴き始める「春暁」で、
日中は「うららかな」日が続き、さらに「春昼」、「春の暮」、「春の宵」、「春の夜」と続きますが、
そんな中でも、ビバルディーの「四季」の中の“春”に表現された一日は、
目まぐるしい季節の変わり目を見事に表現していて、
おなじみの[第1楽章]では、「春風」の穏やかな一日が、「春雨」や「春嵐」に変わり、
また突然の「春雷」に驚かされたり、まるでその情景が目に浮かぶかのようですが、
この「四季」は[第2楽章」では、ゆったりした曲へと変わり、
楽譜のパートでいうと、ヴァイオリン(ソロ)が眠る山羊飼い、
ヴァイオリン(第1・第2)が、木の葉のささやき、ビオラが吠える犬を表しますが、
[第三楽章]に入ると、全体的に華やかな感じの曲となり、途中で転調して“さび”に入るところが絶妙で、
華麗に“春”の変化を表していますね。
ちなみに、この「四季」の譜面には、恐らくビバルディ自身がつけたであろう詩文が散見されているそうで、
興味のある方は、この機会に調べてみてはいかがですか?http://www2.kct.ne.jp/~monohito/kigo.html
http://www.interq.or.jp/classic/matui/midi/3_m_data/com_arr/vi_fs_sp.html
由美ママ好みの“黒葡萄”から作られた「DRAPRIER」http://www.terravert.co.jp/
カナダ・モントリオール・リードヴォーとジロールのフリカッセ、赤ワインソース
白毛の阿部さんがアイヌから教わって育てた黒毛和牛三歳雌の処女牛ロティ、江戸川産小松菜と百合根のグラチネ添え、ペリグリーンソース和え
今の時季のみの“ヴァシュラン・モンドール”!
『オテル・ドゥ・ミクニ』は今年25周年を迎えましたので、是非、“25周年記念メニュー”もご賞味下さい!http://www.oui-mikuni.co.jp/cgi-local/top/index.cgi
http://r.gnavi.co.jp/g860700/
霞立つ春の初めを今日のごと 見むと思へば楽しとぞ思ふ―「万葉集」第二十巻
今日由美ママは、この「寒明け」の“春の初め”にふさわしい、ビバルディの「四季」の“春”を聴きながら、万葉の歌の如く・・・「霞が立っている春の初めを、毎日見ようと思うのは、何て楽しいことなのでしょう・・・」と、そんな想いで今日も一日過ごします!!!