<ターニングポイント4>
忘れもしない高校卒業から2年たった、20歳の4月9日。
2年以上付き合った彼女に振られる。僕が振り回していたことに耐えられなくなったため。(まぁあれでは将来も考えれないと思う。)今考えると振られるように持っていってました。最後の方はバイトばっかりでしたし、あんまり遊ぶ時間もなかったですしね。
でもそこからは少し自棄になり、友達に遊びのアポを取り始める。そんな感じの13日後の4月22日の深夜、友達と遊びに行って車で友達の家に送った帰り道のことでした、パトカーの赤ランプを発見。検問かな?と思ってシートベルトを締める。当時はほとんどしてなかったので。そこは別に検問ではなかったのですが、それから約15分後に車が事故に合う。(過失割合が10:0で飲酒運転で前から車が突っ込んできました。スローモーションも体験。)
フロントガラスは被りましたが、救急車を自分で呼べるぐらいの軽傷。一応初救急車に乗って、運ばれる。その後、初の検査入院。
「頭を撃ってたら死ぬかも」と言われる。が、シートベルトのお陰か、軽傷で助かる。でも頭の検査が終わってなく、入院中は暇だった。
さすがにお医者さんに死ぬかもと言われてから検査結果が出るまでの数日間、自分の生き方を考える。自分が悪くなくてもいつ死ぬかわからんし、どうせ死ぬかもしれないなら後悔しないようにやりたいことやって生きたいと思うようになる。
でもやりたいことって別にない。
サウンドクリエーターだって、やりたいか?って訊かれると、どんな仕事かも知らないしなんとなく好きなものの掛け算と手に職を持てて社長になれる可能性があるってだけ。
むしろよくわからないけど、人生の目標がなくなることの方が怖くて好きかどうかなんて考えもしなかった。
<ターニングポイント5>
姉が買って来てくれた雑誌に「誰でもなれるカウンセラー」という怪しげな文字を発見。
高校生の頃、進路に心理学部(精神科医・臨床心理士)も考えたので心理カウンセラーと呼ばれる人は大学院に行って、国家資格を取得しないとなれないことは知っていた。
だから誰でもなれるカウンセラーという言葉は僕にとって怪しげな言葉でしかなかったんです。
でも大学に行ってないことで職業選択の幅が狭まっている自覚のある僕にはコンプレックスをくすぐる意味でも、諦めた夢をまた見れるかもしれないという期待で惹きつけられる文字でした。
その言葉は、某お稽古雑誌の内容のような特集で、いわゆる民間の学校の特集をしていました。内容は、「一般の人が最短で半年でプロデビュー!」とか「プロのカウンセラー達は某番組にTV出演中」とか書いてて、信じられませんでした。
でも気になる情報が欲しい、どうしよう。と悩んでいたところ、よく見るとHPアドレスが書いてあるじゃないですか!当時は今のようにスマホなんてありませんでしたし、一家に一台パソコンなんて時代でもなかったのです。うちの生活レベルやITリテラシーを考えると絶対に持ってなかったし、必要もなかった。が、僕は運が良かった。パソコンショップで働いていたことによって、店長から店員が持ってないのは具合が悪いから、1台買いなさいと勧められていて、かーーーーなり格安でパソコンを買ってインターネットなるものを家に引いていたのでした。
退院後まずは、例のテレビを見てみると確かに雑誌に載っていた人が出演していました。
ここで少し怪しさが薄れます。でもまだ怪しい。。
更にHPを見ると、当時にしてはかなり力を入れてHPを作っていました。作りこんでいました。実績の数々。キレイな写真。思わず、資料請求をしていました。
じゃ~ちゃんと素敵なパンフレットなどが届き、丁寧に無料体験講座と無料説明会のご案内がありました。この時点でかなり信じていたと思います。
その後無料説明会に申し込もうと思っていたのですが、通院やリハビリなどもあったことと、再度、過失割合が10:0の別の接触事故に合うなどの機会があったので(通ってた病院にまた運ばれていったから先生が驚いていたのは別の話。)、夏の終わりぐらいにやっと申し込めたのです。
<ターニングポイント6>
カウンセリング体験。
無料説明会に行ってみるとなんと、講師のカウンセラーさんが1対1で案内と説明をしてくれるという。一通り説明が終わり、「最後に何か質問はありますか?」ときかれたので、僕は思い切って自分の感じていることをきいてみました。
・自分には学歴がないこと。つまり大学の知識がない。
・アルバイトしかしていないので社会人経験がない。
・年齢は20歳。若い。
・やるなら一生の仕事にしたいし本気。
・お金も正直そんなにあるわけじゃない。
そんな僕でもなれるんですか?プロとしてやっていけるんですか?と。
しっかりと話を聴き切って下さった後に、
静かにカウンセラーの先生は口を開きました。
「森さん、正直プロとしてやっていけるかどうかはわかりません。それはご本人さまの持っているものや、やる気、取り組み次第なところもありますから。。。
でもね、『私は』今日森さんとお会いしてお話しさせて頂きましたが、才能がお有りだとおもいますよ。正直向いていると思います。」
と力を強く伝えて下さいました。
その答えをきいて、
「ありがとうございます。」
と感謝の言葉を伝え帰路につきました。
後で振り返ると、高校を卒業してから自分としっかりと向き合ってくれ、そこから自分の想いをまっすぐ伝えて下さる大人の人に初めて出会ったんだと思います。気がつくと心の中がスッキリしていました。カウンセラーと呼ばれる人の凄さを身を持って実感し、その職業に確実に惹かれていました。