第30話 後編 | 成田家の徒然なる日々 ~15th Season

成田家の徒然なる日々 ~15th Season

来訪される皆様に支えられて15年。昭和の特撮・アニメを取り上げていきます。

↑前編の続きです。

対峙する若き日のケンシロウとジャギ。

「ケンシロウ … ジャギ … 互いの胸に記した経絡秘孔をよく狙え」(リュウケン)

構えるケンシロウと

ジャギ。

「へっへっへ。弟に … ケンシロウ如きに俺様が負ける訳が無い」(ジャギ)

ジャギの挑発に乗らず冷静なケンシロウ。

両者の構えが変わる。

「行くぞ! ケンシロウ!」(ジャギ)

無言でケンシロウも前進する。

「含み針かぁ …」(ケン)

「どの様な手を使おうと要は勝てばいいのだ」

(ジャギ)

「行くぞ! 北斗千手斬」(ジャギ)

「ぐわぁ …」(ケン)

「親父、見たか! この通りケンシロウはまだヒヨっ子だ。これでは北斗神拳を継ぐ事はできん。継承者は俺と早く決めたらどうだ?」(ジャギ)

「愚か者め。自分の胸をよく見るがいい」

(リュウケン)

「なっ、何!? 秘孔の部分に痣が …」(ジャギ)

「最初の打ち合いですれ違いざまにケンシロウが放ったものだ。しかも経絡秘孔に寸分違わずにな」(リュウケン)

「ば … 馬鹿な!?」(ジャギ)

「もしケンシロウがその気であればジャギ! お前の体は千切れ飛び肉の塊となっていただろう。お前も少しはケンシロウを見習うがいい」

(リュウケン)

「親父ぃ、あんたはいつもそうだ。見ろ、奴の面を! 俺とどっちが打撃を受けている? こいつに手加減などする余裕があるはずがない。この程度が実力だ。

いいか、ケンシロウ? お前が俺に勝つ事など有り得ん。絶対に有り得んのだ。んはははははははは …」(ジャギ)

「ケンシロウ! 何故わざと負けた? 義理とはいえ兄だからか?」

ケンシロウは答えない。

「だが、お前のその優しさは何れ禍となってお前に降りかかるであろう。特にジャギ、あの男はな」(リュウケン)

「ジャギ」(ケン)

「へっへっへ。ここでこいつをやっつければジャギ様の片腕になれる」(悪党D)

「よ~し俺がやるぜ。俺がこいつを地獄へ叩き落としてやる」(悪党E)

「いくぜぇ!」(悪党達)

「あ~たたたたたたたっ!」(ケン)

「ブチせぇ~~~」(悪党F)

「あたぁ!

あたぁ!

あたぁ!

おあぁ!」(ケン)

「とあぁぁ~~」(悪党G・H)

「おあたぁ!」(ケン)

頭上から襲ってきた悪党を砕くケンシロウ。

「よぉし! 俺様が相手だ。俺はコイツ等とは違うぜ。俺はあらゆる格闘技を身に付け、最後に覚えたのがこれだ。 ふっふっふ。ジャギ様から盗み取った北斗神拳。とくと味あわせてやるわぁ」

(悪党I)

背後から襲いかかろうとする悪党Iを無視してケンシロウは歩み去り

地面に埋められている村人Bを助けようとする。

「この野郎! 巫山戯やがって」(悪党I)

村人Bを助けながら

ケンシロウは背後から襲いかかる悪党Iに肘打ちを食らわす。

助け出した村人Bを

ケンシロウは他の村の人々に渡す。

「おらぁぁぁ~~~」(悪党I)

「どうした? やってみせろ?」(ケン)

「あちょ~。んっふっふっふっふ。やったぜ。ケンシロウの秘孔を突いた。お前はもうんでいる」

(悪党I)

「何秒後だ?」(ケン)

「んっふっふっふっふ、そうだな。十秒後ってとこだ。数えてやるぜ! … あらぁ~~」(悪党I)

悪党Iは自ら砕け散った …

「北斗神拳は2000年の一子相伝。お前如きが使えるほど甘くはない」(ケン)

「出て来い! そこにいる奴」(ケン)

ケンシロウが振り返ると、そこには生き残っていた悪党Dがいた。

「ジャギは何処だ?」(ケン)

「へっへっへ。ここから南に下ったオアシスだ」

(悪党D)

ケンシロウは命乞いをする悪党Dに近づき

つまみ上げ

村人Bがいた穴に埋める。

「な、何するんだい!?」(悪党D)

「好きにしろ」(ケン)

悪党Dの悲鳴を後にケンシロウは街と人々を救い去ってゆく。

「ケンシロウ。俺より劣る弟のお前が北斗神拳の継承者とは片腹痛い。ふははははははははぁ」(ジャギ)

「お前の優しさが命取りとなる。ジャギは必ずや禍をもたらすであろう」(リュウケン)

「ジャギ … 俺は北斗神拳唯一の伝承者として必ずこの拳で決着を着ける」(ケン)

新たな決意を固めるケンシロウ。

バットとリンはマミヤの村でケンシロウの行く末を案じる。

「ジャギ様! ケンシロウが現れました」(悪党J)

「へっへっへ。とうとう現れおったか」(ジャギ)

「奴はジャギ様の胸像を叩き潰し、部下数十人を、あっという間にやっつけたそうです。もし、それが本当なら …」(悪党J)

「本当ならば、どうした?」(ジャギ)

「あっ … いあや、その」(悪党J)

「俺様がやられるとでもいうのか?」(ジャギ)

「そ … そんな事 …」(悪党J)

「この俺様より強えっていうのかぁ?」(ジャギ)

「う … うわぁ~~」(悪党J)

「この世に兄より強えぇ弟なんぞ存在しねぇ」

(ジャギ)

悪党Jはジャギから離されるが砕け散ってしまう。

「へっへっへっへっへ、ケンシロウ。2000年の長きに渡る無敵の暗拳、北斗神拳唯一の継承者の座

この俺がもらったぞ! ははははははははは」

(ジャギ)

 

               「週刊 北斗の拳 第30話 完」