ハカイダーは
メンテナンス中。
メンテナンスを終えた
ハカイダーが振り返った先には
冷凍カプセルに
冷凍保存された光明寺博士の姿があった。
ハカイダーは何を考えているのだろうか?
サブローに姿を変え
メンテナンス・ルームを出て行く。
第11話 夢みる器械
量産ロボットの生産ラインを通り抜け
サブローはプロフェッサー・ギルの元へと行く。
プロフェッサー・ギルは最終兵器の
実験に余念がない。
「出力をもっと上げろ!」(ギル)
「しかし、それでは安定性が …」(部下)
「何の為の実験だ。これは今までのものとは違う。ダークの全てを結集した最終兵器なのだ。失敗は許さん」(ギル)
「はっ」(部下)
「あんなおもちゃが
最終兵器とはねぇ。
何に使うんだ?」(サブロー)
「お前には関係のないことだ」(ギル)
「ロボットの生産ラインも軌道に乗って、いよいよ世界に乗り込もうって所か?」(サブロー)
「知ってどうする?」(ギル)
「ただの好奇心だ」(サブロー)
「何故キカイダーを破壊してしまわなかった。あの時お前にはできたはずだ」(ギル)
「だから言っただろう。ヤツの性能を最大限に出させ、それを俺が叩く。そうしてこそキカイダーを破壊する為に作られた俺の存在意義を示す事になる」(サブロー)
「お前はロボットだ。
命令に従っていればいい」(ギル)
「やり方は俺に任せると言ったはずだ」(サブロー)
「やはりお前も光明寺の作ったロボットということか。キカイダーは一刻も早く処分しなければならん。他の物に任せても …」(ギル)
「プレオフェッサー・ギル」(サブロー)
1体と1人の間に緊迫感が漂う。
「ヤツは俺の獲物だ」(サブロー)
「ならばキカイダーを破壊しろ」(ギル)
「決着はつける。但し
俺のやり方でな」(サブロー)
サブローが立ち去った後
思案したプロフェッサー・ギルは
笛を奏でて
ギンカメを呼び出し何事かを命じた。
命令に従いギンカメは何処へとか飛び去る。
プロフェッサー・ギルの命令とは何か …
ジローやミツコに関わる様々な事件から光明寺邸に張り込む警官たちの様子を
物陰から、まさる、服部探偵、悦子は伺っていたが
逆にあっさりと警官に見つかってしまう。
悦子の機転で何とか切り抜けるが
前途多難である。
破壊された光明寺博士の研究所跡
ここの
地下が
ジローやミツコの隠れ家だった。
ジローの腕の修理の準備に余念のないミツコの下へ悦子がやって来る。
「外は警官だらけ。食料調達も大変だわ。ああ、それと頼まれてた部品。
はい」(悦子)
「すいません色々と」(ミツコ)
「これで直せるわね」(悦子)
「こんな風にロボット工学を役立てる日が来るとは思わなかった」(ミツコ)
「じゃあ今夜 …」(悦子)
「ええ …」(ミツコ)
応接間に移動する。
「とりあえず、ここはまだダークにも警察にも見つかっていない、いい隠れ家だ」(服部)
「こんな地下があるなんて思わないもんね」(悦子)
「でも服部さんと悦子さんは無関係なのに … こんな事に巻き込んでしまって …」(ミツコ)
「なぁに乗りかかった船だ。最後まで付き合いますよ」(服部)
「先生で役に立つなら、もう遠慮なくこき使っちゃってください。どうせ暇ですから」(悦子)
「どういう意味だ、悦子君」(服部)
「えっへっへっへっへ」(悦子)
「僕は … 僕はみんなに会えて良かった」(ジロー)
「ジロー …」(ミツコ)
「僕1人だったら何もできなかった。ギルに破壊されていたかもしれない。
みんながいてくれたから僕はここにいられるんだ。ありがとう」(ジロー)
「うっ … 何、水臭い事を。君は僕達の仲間なんだから」
「ジロー兄ちゃん。
これからも、ずっと一緒にいられるよね…」(マサル)
寝言を言うマサルをミツコは優しく見守る。
同時刻、ジローを取り巻く明るい雰囲気とは正反対の孤独な状況にサブローはいた。
「ダークの基地 … ここで間違いない?」(服部)
「はい。母が残してくれたメモだから間違いないと思います」(ミツコ)
「本当は警察に任せた方がいいんだろうが …。
ジロー君は指名手配されているし、
第一、誰も信じてくれないよなぁ~。悪の組織がロボットを使って悪事、働いてますって言ったって」(服部)
「先生なんだかんだ言って怖いんでしょう」(悦子)
「ば … 馬鹿言っちゃいかん。この名探偵服部半平、ダークになんぞ引けは取らん」(服部)
「うん、その調子。必ずお父さんを助け出しましょうね」(悦子)
「でも … 場所が分かっても父はもう …」(ミツコ)
「諦めちゃ駄目。まだ希望はあるわ」(悦子)
「そうだ、博士はまだ生きてる。脳を移植してまで人質として生かされてるって事は身体も保管してあるはずだ。きっと元に戻る方法はある …
多分」(服部)
その2↓へと続く。