人造人間キカイダー 第11話 その2 | 成田家の徒然なる日々 ~15th Season

成田家の徒然なる日々 ~15th Season

来訪される皆様に支えられて15年。昭和の特撮・アニメを取り上げていきます。

その1↑からの続きです。


美しい星空の下

で佇む

ジローを

ミツコが

探してやって来た。


足音を聞きジローは振り向く。

「ミツコさん …」(ジロー)

「ここにいたの? 早くその腕を直さないと」(ミツコ)

「ミツコさんが? 博士に教わったの?」(ジロー)

「ううん …」(ミツコ)

ジローの隣にミツコは座る。

「少しは父を理解できるかと思って … 自分で勉強したの」

(ミツコ)

「まだ … ロボットは嫌い?」(ジロー)

「えっ?」(ミツコ)

「嫌いだったんでしょ?」(ジロー)

少し考えた後ミツコは言葉を紡ぎ出す。

「確かにそうだったわ。父が私達を顧みないのはロボットのせいだって思い込んでいた。

でも今は研究に没頭するしかなかった父や家を出ていった母の気持ちが少しだけ分かるの。私の気持ちも変わったから。

ジロー、あたなもね」(ミツコ)


「僕も? でも僕は機械だ。人間の様にはなれない」(ジロー)

「それで、あなたには心がある」(ミツコ)

ジロー、あなたは人に造り出された事を、生まれた事を後悔してない?」(ミツコ)

「後悔?」(ジロー)

「戦う為に作られて、訳も分からず狙われ続けて、そして本来なら持たなくてよかった心を … ジェミニィを持った事で苦しんでる」(ミツコ)

「ミツコさんも悩んだり苦しんだりする?」(ジロー)


「それは … 人間ですもの、当たり前よ」(ミツコ)

1人と1体の間に心が通い合う。

「僕も人間の様に色んな感情を知りたい。ジェミニィがあるから確かに苦しい事もあるけど嬉しい事も悲しい事も感じる事ができるんだから」(ジロー)


「ジローは強いのね。

これは、あなたに搭載されているジェミニィの設計図よ」

(ミツコ)

「えっ!?」(ジロー)

「父さんがあなたの持っていたギターに隠していたの」(ミツコ)

「ジェミニィの …」(ジロー)

「これがあれば不完全なジェミニィを直す事ができるわ」

(ミツコ)

「直したらどうなるの?」(ジロー)

「多分 … 今までの様にギルに操られる危険が無くなるわ」

(ミツコ)

「今、感じている気持ちはどうなるの?」(ジロー)

「えっ!?」(ミツコ)

「僕は今 … 色々な物を感じている。ミツコさんと一緒にいられて嬉しい。この場所も懐かしい。星の光が綺麗で、そして戦う事を考えると

少し不安になる。

ジェミニィは確かに不完全かもしれないけど、この気持ちを持っていたいんだ。

そう思うのは変かな?」(ジロー)

ミツコは優しく微笑み

そう思うのは変ではないと首を振り

立ち上がる。

「本当に … 僕は生まれてきて良かった。大好きなミツコさんに会えて …」(ジロー)

1人と1体は互の気持ちを交わし合い



腕を直す為に室内に戻る。

注)腕を直す為の準備中です。

注)腕を直す為に服を脱がしているだけです。

注)ロボットの腕を修理しているだけです!

注)腕を修理されているだけです!

注)ロボットの腕を修理するのに集中しているだけです!

時は流れて

ジローの修理に疲れたミツコは微睡み

ジローは

腕が戻った事を確かめる。

朝になり、ジローは隠れ家を出ていく。

サイド・マシーンを

始動する前にジローは残してきた

服部探偵や悦子、

マサル、

ミツコに思いを馳せ


彼らを危険な目に遭わせずに光明寺博士を救う為にダークの基地へと

向かうのであった。

それから、どれくらい時間が経ったか分からぬがマサルの「ジロー兄ちゃんがいない」の声に

ミツコ、服部探偵、悦子は安眠を破られる。

特にミツコは

ジローの真意が理解できず茫然自失の状況である。

「やっぱりサイド・マシーンがない」(服部)


「こんな時間に一体、何処へ?」(悦子)

「あっ!」(ミツコ)

ジローが何処へ向かったのか(愛の力で)ミツコは悟る。

ダークの基地に

ジローが向かっていると

横の森蔭から

白いカラスに乗った

サブローが現れる。

「やっぱり来たな、待ってたぜ」(サブロー)

「サブロー!」(ジロー)

サブローの蹴りを

受けても


サイド・マシーンを


ジローは


立て直した。


「やるな」(サブロー)


バイクを操りながら2体は戦いを続ける。


サブローは


サイド・マシ-ンへと飛び乗る。

「逃げるなよ、キカイダー」(サブロー)

「止めろ! 戦いたくないんだ」(ジロー)

宿命の2体の死闘はどうなるのか …


その3↓へと続く。