FACT Kazukiさんのギター製作9(塗装編) | ESPギタークラフト・アカデミー東京校のブログ☆

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楽器の街・御茶ノ水にある「ESPギタークラフト・アカデミー(GCA)東京校」
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授業風景や製作・リペアを中心に楽器の事、日々の出来事をアップしていきます!

こんにちは、ESPギタークラフト・アカデミーです。国内でも屈指のHR/HM系ギターメーカーのSCHECTERからの依頼による、ロックバンドFACTのKazukiさんのシグネイチャーモデルの製作記です。


第8回目までの記事はこちら↓↓いきさつは第1回目に書いています。

さて、前回は塗装前の研磨まで終わりました。研磨終わりのボディはコチラ






いわゆる木地上がりの状態というヤツです。

ここから始まる塗装工程は非常に時間と手間がかかるので、ボディ・ネック共にここまで来てようやく工程の半分というところです。

ここからの工程はといいますと

ヤニ止め

中塗り

研磨

着色

トップコート

仕上げ研磨(バフがけ)

という手順になります。

各塗装工程に乾燥期間などが加わるので、やはり長い道のりになります。

さて、Kazukiさんとの相談の結果、今回の塗装は全ての工程の塗料をラッカーにするオールラッカー。

かつ仕上げは鏡面仕上げということになりました。

お店にある多くのギターがそうであるように、シースルーカラーでなければ木材だとわらかないくらいツルツルピカピカにします。

ということでまずは下塗り





木はキレイに磨いても繊維や導管があるので、塗料を吹き付けてそのままではプラスティックのようなツルツルにはなりません。木材の塗装は、まずその表面の木質を埋めることから始めます。

下地をコーティングして塗料の吸い込みを防ぎ、その上でサンディングシーラーという透明な塗料を吹き付けます。

サンディングシーラーは中塗りの塗料で、吹き付けて作った塗装の膜を磨いて平らを出すためものです。

表面を研磨して平らにしたら、いよいよ着色です。

まずは色の調合です。

今回はシースルー着色なので木目が透けます。作った色に木の色が透けるので、塗った色がイメージ通りになるように下地の木の色を考慮して着色料を配合していきます。





そして色が決まったら着色!





じつは業務用スプレーガンによる着色の経験があるKazukiさん。

シースルー着色のポイントを覚えた後はかなりスムーズに色を吹いていくことができました。

一通り塗れたら一度冷静になって色の確認です。

シースルー着色に夢中になっているといつの間にか色が潰れてほとんど黒に・・・なんてこともあるので、落ち着いて色味を確認します。





同じ着色料でも吹付け方や回数によって色の濃さが変わるので、いい具合になるように調整します。
グリーンを基本色として使いましたが、ブラックなども混ぜて落ち着いた色味になりました。

それにトップコートを吹きつけて着色面を保護します。それがこの状態。





そしてそれを研磨し、さらに磨き上げるために使うのが

これ





バフマシーン。

ご覧の通り円形の布が回転しますので、これでギターを磨き上げます。

するとこんなふうに





ぴかぴか。

これでボディの完成です!!

ということで今回はここまで。

次回からいよいよこれをギターとして組み上げるための組み込みという作業に入ります。お楽しみに!!



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