ISIL日本人人質事件は2月1日早朝、後藤健二さんの殺害という動画がネットに流れ、事件は大変悲しい結果となりました。
事件後、マスコミやネットで報じられた情報から、先に殺害された湯川さんと後藤さんはお互い政治・思想信条はかなり違うようで、おそらく間逆といっていいほどでしょう(湯川さん右系、後藤さん左系)。
しかし湯川さんは後藤さんを慕っていたそうで、後藤さんも傭兵稼業の湯川さんの救出の一助になればと(無論それだけではないでしょうが)、退避勧告地帯へと足を踏み入れました(渡航の是非はここでは置いておきます)。そんなところに後藤さんの思想信条を超えた人間性を見る事が出来る気がします。
さぞ無念だった事でしょうが、どうか安らかにお眠りください。

 

後藤氏殺害を受けて記者会見をする安倍首相 (2月1日早朝 読売オンラインより)


また、これまでのヨルダン国及び関係者の協力にも日本国民の一人として感謝申し上げます。

後藤さんが亡くなられた以上、後藤さんの遺志を継ぐ事が最も大切な事だと思います。彼は紛争地帯で苦しむ弱者に心を寄せていた人だそうです。
政府は菅官房長官が「政府として有志連合に資金援助や後方支援などは行わない」と表明しており、政府が行なおうとしている人道支援こそが彼の遺志に一番忠実で理にかなっていると思われますが、馬鹿な連中は早速、こんなデモを官邸に対して起こしているようです。憎むべき相手は残虐非道なISIL。どうして子供でも分かる理屈が通じないんでしょうか?
この手の人質事件では政府にやれる事は元々限られています。その大前提を無視して事件に便乗し、己の政治目的の為に意味不明なレッテル貼りに精を出す輩たち。
顔にモザイクかけようかなとも思ったのですが、既にネットに大量に出回っているので、そのうちの一部の画像をそのまま下に晒しておきましょう。

 

         


また宋文洲という中共の走狗の経済評論家は、後藤健二さんの斬首された遺体写真を画像処理もせず引用し、安倍非難をツイッターで散々流しています。さすがに当該ツイは引用出来ませんが、ここまでくるとISILと本質的に変わりません。日本人には理解できない異常な行動です。

さて、この事件は日本の国のあり方を問うている気がしてなりません。
安倍政権に批判的なメディアは、テロリストたちの非道な行為を非難する前に、例えばISILがはびこる遠因としての欧米の中東政策と価値観に異を唱え、その延長線上で安倍総理を批判します。梅之助も欧米、特に米国の中東政策が良いなんて必ずしも思っていません。
しかし70年前の戦争に敗れ、自前で国を守ることを禁じた憲法を強要されているからこそ、多くの場合日本の安全保障上の生殺与奪を握る米国の言いなりにならざるを得ず、例えば10年前のイラク戦争などへ関与していったのです。
こういう矛盾をもうそろそろ左翼は気付かないフリをするのは止めて頂きたい。
ただ梅之助は、安倍総理の思想は必ずしも米国の言いなりではないと感じています。むしろ言いなりだったのは小泉純一郎元総理の方。彼なら有志連合に積極的かつ具体的に関与する道を模索していったでしょう。
その点、安倍総理はそこまで踏み込んではいない。日本人と日本本土防衛の為の環境整備を、現在の日本の置かれた歪な環境の中で進めているだけなのです。それは時として米国追従に映ってしまう事もあるでしょう。

世界は冷徹な軍事力の程度によって発言力が決まってしまいます。
歴史に「IF」は禁物ですが、もし昭和の大日本帝国が例え米国に嵌められたという史実があっても、ファナティックな思想に捉われず、暴走せずに国内体制と軍内部を時代に合わせて漸次改革することが出来ていたら、今頃イスラム諸国の価値観と欧米諸国の価値観との間で、良いバランサー役を務める事が出来たかもしれない、と思っています。
ちょっと夢想し過ぎですかね。


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