(3月18日 18時前のメール投稿に一部追記しました)

ちょうどお二人から同時にこのタイトルの情報をいただきました。
ありがとうございます。

本来はもっともハイリスクな設備を稼動させ、公共性・公益性が高く、
(あえて言ってみれば)当然どこよりも高いモラルを持つべきで
かつ持っている「ことになっている」、私企業である電力会社が、
もしも(あえて仮定形で言ってみれば)耐震偽装をしていたとしたら、
しかも、もし(あえて仮定形で言ってみれば)経済産業省も内閣府も、
その不完全な調査内容を「スルー」していたのだとしたら、
本当に震撼すべき事態、という陳腐な表現を超えて恐ろしいことです。

さらに(あえて言ってみれば)当然、どこよりも高いモラルを持つべき
電力会社とお政府様が、こんな評価偽装をしていたとしたら、
こういった怠慢や不作為や恣意的なやり方はやはり氷山の一角では、
と懸念するのが通常の生存維持の感覚でしょう。

お上のすることに間違いはないという善人である方には、思いもつかない
愚論・妄想だと言い放って個人的に安心していただくのは心情の自由ですが、
少なくとも、すでに毀損された原発、
 「想定を超える揺れでいったん止まった原発」
にはどんな内部不良が内在しているか、検証しきれていません。

しかも、覚えているでしょうか、調査委員の一人は、
「地震の被害を受けて原発はかえって強くなった」とまで言いましたね。
(過去の弊ブログエントリーが今は引用できませんが、あとで
 リンクをつけておきます)


追記: 後段につけました。

塑性変形でかえって強くなる、どういう都合のよい衝撃条件を想定しているのか、再読してやはり驚きます。


~~~ここから

柏崎刈原発の運転再開で あの専門家が「耐震偽装」と指摘
(週刊朝日 2009年03月20日配信分掲載) 2009年3月17日(火)配信
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20090317-03/1.htm



07年7月の新潟県中越沖地震で建物や一部の機器に被害が出て以来、稼働していなかった東京電力の柏崎刈羽原発7号機の試運転を、国が2月に認めた。

 だが、30年以上前に東海地震説を唱えた地震学者の石橋克彦・神戸大学名誉教授はこう首をひねる。

「いまのまま営業運転を認めることは、政府・東電主導による『耐震偽装』といっても過言ではない」

 石橋氏は現在、新潟県の原子力発電所の安全管理に関する技術委員会「地震・地質」小委員会メンバーだ。

 石橋氏によれば、東電が想定する地震の評価は著しく過小なのだという。

「経済産業省原子力安全・保安院は昨年11月、東電の想定を妥当と判断。翌月、内閣府の原子力安全委員会もその判断を了承しました。しかし、両者とも東電の言い分を厳格に審査したと思えません」

たとえば、東電は原発沖の海底にある長さ36キロの「F-B断層」によって起こるマグニチュード(M)7・0の地震が原発にいちばん影響を与えるとしているが、地質学者の間では、海底に「佐渡海盆東縁断層」という別の活断層があると推定されている。この断層は全長約60キロもあり、M7・5前後の地震を起こすとみられているが、東電側は「我々が行った海上音波探査では、その断層は確認できていない」(広報部)と存在自体を否定している。

 さらに、想定を超える揺れでいったん止まった原発が、再び大地震に襲われたときに確実に緊急停止するのか、という不安もある。

 石橋氏の所属とは別の小委員会は、住民に安心感を与える策として、7号機を起動させた後、緊急停止の実験をすべきだと提案したが、東電側は「技術的に必要ない」との考えを崩さない。石橋氏はこう危惧する。

「音波探査は海底下数キロまでしか詳細がつかめず、海底活断層の確認方法としてはけっして万能ではありません。緊急停止実験も、単なる技術的な問題として片付けず、住民感情も考慮して検討すべきなのです」

 地震国日本で、これだけの揺れを受けた原発を再び動かす例は、過去にない。



~~~

「かえって強くなる」というのはここです。


2007-12-09

『電子投票の既存技術と将来の危険性・柏崎刈羽原発は「震災を経てより強くなった」(WG小林委員談)』

http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10059245572.html


まさか精錬技術をイメージ?

CNICの記事から該当箇所を引用します。


―――――――――――――――――――――――――――
■[1]地震による機器の損傷(ゆがみ)の問題[井野博満]
~『原子力資料情報室通信』402号より
―――――――――――――――――――――――――――

『原子力資料情報室通信』402号(2007/12/1)より

地震による機器の損傷(ゆがみ)の問題


井野博満
(東京大学名誉教授、柏崎刈羽・科学者の会)


(略)


○小林(英)委員

(略)

"そういう意味で、できるだけ従来の規制だとか規格にとらわれない
技術、最新の科学技術で実力値を使って評価を是非実行していただ
きたい。それが希望です。その意味は、多分降伏点を超えて塑性変
形するとかで、損傷、損傷という言葉が出ているんですけれども、
それは多分違うと思うんです。非常に大きな塑性変形を受けたとし
たら、かえって強くなるという問題で、損傷という心配はむしろな
いと思うんです
(管理人注: 驚きました!!)


それは従来の耐震基準とか設計基準の中ではそう
いう考え方はないわけです。"ないけれども、我々、日本にいると、
こういう想定外の地震を受ける。大橋先生はあり得ないと言いまし
たけれども、私はこういうのを2回、3回経験するのではないかと
思っているわけです。では、2回、3回経験するということに対し
て、我々が本当に2回目は大丈夫ですよということを言い切れるか
どうかという問題。そういう新しい視点を入れていくべきだと思う
んですね。それで、現在の機器に何が起きていますかという現在の
我々の持っている科学技術でベストの答えを是非期待したい。逆に
言うと、我々はそういう観点からは幾らでもお手伝いできますとい
うことだろうと思うんですね。"要するに、耐震基準とか設計基準と
いう話は、その後の話にしていただきたい。現状の耐震基準とか設
計基準でいいとか悪いとかという話は、ほとんど今の問題に対して
役に立たないと思うんです。アウトという答え以外出てこない"ので
あって、それを是非お願いしたいと思います


○関村主査
ありがとうございました。非常に重要な御指摘でございますので、
今後、予断をもたず進めていくという中で是非取り込んでいきたい
と考えています


 この発言の問題点は2つある。

機器の「実力値」?
 1つは耐震基準とか設計基準とかは後の話にして、機器の「実力
値」で評価をやろう、そういう新しい視点を入れてベストの答を期
待したいと言っていることである。平たく言えば、耐震基準や設計
基準ではアウトという答え以外出てこないけれども、実際はセーフ
なんじゃないのか、そういう新しい考えで評価せよ、と読める。こ
れは安全性を無視した非常に危険な考え方ではないか。


地震で材料は強くなる!

 もう1つは、「損傷、損傷という言葉が出ているんですけれども、
非常に大きな塑性変形を受けたとしたら、(金属材料は)かえって
強くなるという問題で、損傷という心配はむしろないと思うんです。」
と発言していることである。これは本気だろうか?
 図1に示すように、塑性変形をすると材料が変形に耐えられる応
力はAからBへ大きくなり、材料は強くなったように見える。しかし、
さらに塑性変形を続ければ材料は×印の破断点へ向かうのであって、
B点はその途中まで進んだことを意味する。このように塑性変形を受
けた材料は破断までの余力が減ってしまう。破断までの余力が減る
ということは、材料が外部の力(地震動など)を吸収できなくなる
ことを意味する。この吸収エネルギーは耐震設計においても重要な
ファクターであり、吸収エネルギーが減ればそれだけ弱く、脆くなっ
てしまうのである

 塑性変形によって金属材料は強くなるのではなく、硬化するので
ある
。硬化というのは脆くなることへのステップである。動脈硬化
を起こしたとき誰も血管が強くなったとは言わない。こういう金属
材料は塑性変形で強くなる、損傷という心配はないというような認
識で健全性を評価されてはたまらない。


「たわごと」が方針になった

 このワーキンググループでの会合を傍聴していて、単に一委員の
「たわごと」に過ぎないかとも思ったが、驚いたことに原子力安全・
保安院はこれを真に受けて今後の評価に取り入れるというまとめを
行っている。
「第1回運営管理・設備健全性評価WG資料に対する意
見等を踏まえた対応について(その1)」(2007.10.2)で次のよう
に質問を要約し、保安院として答えている。


【問】経験した地震に対して、機器が実力としてどのような挙動を
したか、どのような応答をしたかについて確認する必要がある。ど
うして耐えたのか、塑性化すると強度は増す。規格にとらわれない
実力値で評価するといった新しい視点をいれた評価を期待する。そ
の結果が耐震基準、設計基準に役に立つ。(小林委員)

【答】外観上特に損傷が認められない機器について、地震による応
答が認可された工事計画上の耐震設計における許容応力を超える場
合には、御指摘のとおり、機器の実力としての評価を行う必要があ
ると考えている。


 一体どういう評価をやろうとするのか。何が解るというのだろう
か。機器に塑性変形(ひずみ)があってはならない、塑性変形した
機器や材料はもはや使うべきでない。これは鉄則であろう。それを
踏みはずすというのだろうか。


(略)


UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA
引き続き、柏崎刈羽原発を廃炉へ!

東電の運転再開申し入れがなされました!火災が頻発する異常事態です。

くず湯の上に建つ原発の再稼動は許されません。


===


3月4日、イスラエル軍による戦闘員の狙撃が再開されています!

日本国際ボランティアセンターのガザに関する最新情報です(支援情報あり)

http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine/200812gaza.html


ガザからの叫び、以下に日本語で新しい情報が追加されます。

http://www.news-pj.net/npj/gaza/index.html
先の虐殺で失われた1300人以上の生命と失われた生活はガザに戻ってきません。

戦闘の犠牲と封鎖は続いています。

この問題は初めから「どっちもどっち」では決してありません。


※引き続き、「もやい」への寄付とカンパをお願いいたします!!

いくらからでもOKだそうです。政官財の非情がこれ以上漫然と繰り返されないためにも、もやいを支援しながら、積極的に反貧困を訴え続ける必要があります。

http://www.moyai.net/modules/weblog/details.php?blog_id=384

(もやいの危機について解説したエントリー: http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10147525072.html

サポーター会員も募集中とのことです。


汚染と利権まみれの市場移転計画に反対する「東京大行進」へのご参加と、真実を明らかにする署名へのご賛同ありがとうございます。

「壊すな築地 7.12東京大行進」 

→2008年7月、好天のうちに今回終了です。ありがとうございます。

 またよろしくお願いします。
http://tsukiji-iten.org/
江戸街初夏示威行歌舞伎座引幕版
(↑管理人による勝手バナーです(^^;)


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