東京オリンピック立候補ファイル、その俯瞰図イラストからして嘘ばかりです【追記あり】

まずはイラストをご覧ください。

東京都が提出した立候補ファイル（http://www.tokyo2016.or.jp/jp/plan/ からダウンロード可。体裁だけはお金がかかっています）に添付されている、会場俯瞰図イラストのうち湾岸地域「結クラスター」画像に、明らかな間違いや問題点を書き添えました。

これ↓が元の図（幅に合わせて縮小しています）。

こちらが突っ込み付記。

【図に追記訂正：　清掃工場は抜けているのでなく、白飛びした描画でそれと分からないようになっています】

抜けている・描かれていないという点は、お詫びして訂正いたします。

「他と描画のタッチが異なり、清掃工場とは分からないように描かれています」、と読み替えていただくようお願いします。　★次のエントリーで多少の解説を示します。

こちら↓はクリックで拡大します。多少画質がよく、貼り付けた文字も読めるとと思います。

【追記訂正内容は上記と同様】

ざっと見てわかる範囲で、ポイントはいくつかあります。

◆その1　スタジアム隣接の清掃工場が描かれていないこと。

【追記訂正：　描かれていないのでなく、後光の差すように白飛びしてそれと分からない状態です】

東京オリンピックの晴海メインスタジアムは図の左側、短辺寄りのドーナツ状部分となります（Iなお、図の下側のループはゆりかもめです）。

ピンクで○をつけたところに、「東京二十三区清掃一部事務組合清掃工場中央清掃工場」があります。

なのに、イラストには掲載されていません。

【訂正：　よく見ると何かが描かれていますが、まったくリアルでない表現が使われています】

東京都から、この利権づくめの招致計画が持ち上がり、現地を見学に行った方々がなにしろ驚いたのは、

　「えっ？清掃工場のすぐ隣にメインスタジアムを作るんですか？」

でした。

あ、いえいえ、もちろんのこと、お東京都様のすばらしいエコでグリーン~~な余人をもって代えがたい~~テクノロジーがその清掃工場では駆使されまくっているでしょうから、汚染がどうのということなど、一切気にしなくてよいのでしょうね。

でも、もしそうなら、なおさらなぜ清掃工場が存在していないようふりをするのでしょうか？

その点がまったく解せません。このイメージイラストは嘘です。

【追記：　不都合なものがそれと分からないように描かれたイメージイラストは、実質、正直な実態を隠す結果となっているいと考えます】

◆その2　豊洲新市場はこんなんじゃないでしょう。

もうひとつ、豊洲新市場予定地区は、しっかり市場ができている絵となっています。

なるほど、このために、2014年までに汚染を残して突貫工事をしようということだったのですね。

ここが工場跡地のまま放置されていたり、コンクリートで封印されているより、選手や観光客の皆さまに食べ物を安心して扱える場所がある、しかもほら、こんなエコで緑化されているでしょ、と言ったほうが単に見栄えがいいから、そのために無理をしてでも、被害が出ても、見かけ優先で移転しよう、という意図があるのでしょう。

けれど、屋上緑化ならまだしも、豊洲新市場開発の構想では、汚染と液状化の懸念に対応するために、一部の緑化にとどめると、と説明していましたから、このイメージイラストは嘘です。

◆その3　環状2号線（マッカーサー道路）が突っ切っています。

その晴海のスタジアムと豊洲を結ぶ赤い線でマークしたのが環状2号線開通の様子です。

築地市場を無理やり高架で突っ切らせて、地上げしようというアレです。

オリンピック道路という明言もなされていました。

やっぱりここもゆりかもめが予想以上に機動力では使い物にならない以上、通しておかなくては面目が立たなかったのでしょう。まだ開通が決定したわけでないので、嘘というのか、まあ妄想図です。

◆その4　豊洲の再開発地区がただの公園になっていますが？

もうひとつは黄色い矢印で示した部分ですが、これは東京電力の豊洲6丁目再開発地区ですね。

高さ150メートルのツインタワーなどを建てるはずだったのに、なんだか公園のような緑地で示されていて、この秋から着工だと聞いていましたが、どういうことでしょう？

日経BP　ケンプラッツ　
2008/07/17
【開発】江東区豊洲で延べ床28万m2の複合開発、東京電力

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/nfm/news/20080715/524366/

　東京電力が江東区豊洲6丁目で進めている大規模開発の概要が明らかになった。約7万1500m2の敷地を五つの街区に分け、オフィスビル、コンピューターセンター、住宅、商業・生活利便施設などを建設する。総延べ床面積は約28万1400m2。2009年秋から順次着工し、オフィス棟は2012 年3月に完成する予定だ。街区全体の完成は2016年3月を見込んでいる。

あ、もう立候補ファイルでは着工にめどなし、ということが織り込まれた、と理解してよいのでしょうか？

ともかく、イラストひとつ見てもこの有様です。

「平和のため」、「エコロジーがどうのこうの」「スポーツ振興」というイシハラ都政の上っ面の言い分の根拠のなさ、金と権力を駆使して見境なき行動に出ている実態は、こうしたあからさまな嘘から理解できると思います。

9兆円の壮大な無駄遣いの中に、市民のためになる経済効果などありません。

【参考】

イシハラ氏の欺瞞については、以下のNPJ通信をぜひお読みください。

◆五輪招致に憲法持ち出す二枚舌

――知的誠実さのかけらもない石原慎太郎都知事――
弁護士　内田雅敏
http://www.news-pj.net/npj/uchida-masatoshi/20090315.html

また、下記は弊ブログの最近の関連エントリーです。

2009-2-9
憲法25条を守ろう！オリンピックのための9000億円の行き先

http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10205348083.html

2009-2-12