ゴジラ伝説ライヴ! 開催! | ヤマダ・マサミ ART&WORK 検:ヤマダマサミ

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主に仕事に関わる、特撮、怪獣がらみのブログです。
ときどき、猫が登場します。

吉祥寺のバウスシアターでやった「ゴジラ伝説ライヴ」へ行って来ました。
ヒカシューのメンバーだった井上誠さんは、82年頃、独自に「ゴジラ伝説」というアルバムを出しています。
ゴジラなどの怪獣映画の音楽をやった伊福部昭に傾倒していた井上さんが、オーケストラの楽曲を電子音楽に置き換えての意欲作でした。
当時のヒカシューは、テクノポップブームの先駆者の一つで、勢いがあった。ボーカルの巻上さんの声量はものすごくて、意味のあることないこと力強く声を震わせて、呪文のようにヒカシューの世界へ観客を引きずり込みました。いま聴いても素晴らしいです。
「ゴジラ伝説」はキングレコードの英断で3枚、企画されています。
83年に、渋谷の東横劇場でやった公演「ゴジラ伝説ライヴ」は、ヒカシューの活動とは別にして、井上さん個人の音楽活動では最大級のものだったでしょう。
ゴジラとイベントは、相性が良くて、ゴジラが公開される度に、徹夜して初日の映画館へ並ぶ風習が出来ました。
オールナイトで、テロップが出ると、「イフクベ!」などと銀幕へ向かって合いの手をうつ人もいます。
今日のお客さんは、80年代の共通体験がある人ばかり。
200席の9割が埋まりました。
白髪が多い(笑)。40代以上がほとんどかもしれません。
80年代から怪獣を応援していた人たちの同窓会です。
あちこちで、久しぶり!の挨拶が聞こました。
バウスシアターのこの爆音企画は、4つの特撮映画を連日上映していて、ライヴは、この1回だけ。あと、オールナイト。
みんな、口を合わせて、オールナイトは無理ですわ・・・と嘆く。
いや、ぼくも、ふだん歩くようにしているんだけど、映画館に2時間半いたら、腰がすっかり痛くなりました。空調のせいで喉も痛い。

曲目は、「ゴジラ」「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」「怪獣大戦争」「地球防衛軍」「海底軍艦」そして間に、「わんぱく王子の大蛇退治」。歌唱は不気味社。
怪獣映画も良かったんですがね、一番は「わんぱく王子の大蛇退治」でしたね。
綺麗な映像。少年の冒険(その影には失敗や失望もあった)。大蛇の怖さ。アマテラスを呼び出す神々の踊りの滑稽。それらが、お伽噺なんだけれど、ドラマチックに脳髄へ訴えかけてくる。
柔らかい線の美しい絵、力強い曲、情感のある曲を、体がとても喜んでくれます。
あの震災によって、日本人は疲れています。仕事もどうなるか分からないし、健康だって、分からない。将来への不安ばかり。
「わんぱく王子の大蛇退治」の穢れのないスコアが疲れた心を癒してくれた思いです。掛け替えのない日々への追憶がかなった。感謝感激。
こっちが映画の予告編。
http://www.youtube.com/watch?v=FXMsSm3OuFw
これも見つけた。こっちは井上さんの演奏。2年前?
http://www.youtube.com/watch?v=1c0mMEfbxzE&feature=related
伊福部家のご先祖さんは、記紀に名前が出て来るそうです。神話を曲に出来る人としてはうってつけなのだ。
ちなみに、伊福部先生のお父さんが林野庁にいて、北海道へ渡り、幼少期からアイヌの音楽に親しみ、オスティナート(繰り返し)を技法に採り入れたのだとか。
そのオスティナートのおかげで、ぼくら怪獣少年は、いつも頭の中が、ゴジラの曲がこだましている。

ライヴが終わって、残った人がたくさん居て、新宿で朝まで、というので、ぼくは退散しました。吉祥寺で、だったら、便宜上残らないといけないんですが。まぁ、体力がもちません。
井上さんは、ご苦労様でした。またやって下さい。

写真は、今日のライヴの模様。会場の外の風景と映画館の中。楽器を置けるスペースがある。キーボードの左で司会進行を兼用しているのが井上さん。左は、指揮の吉田友美。ドラムは、ともだしんご。右手は不気味社のみなさん。
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