第7話『出撃(後編)』
第7話『出撃(後編)』
『マサキ、出撃するぞ!!』
リュウに言われ、僕は思わず息を呑んだ。
『時間がないわ。私達に付いて来て!』
とメグミは真剣な表情で叫ぶと
すぐに走り出した。
三人でブラッドフレームの格納庫近くまで来た時
急にリュウは立ち止まり
『言い忘れていたが、ブラッドフレームに乗った
適正者同士は脳波が共鳴し、相手の声が脳内で聞こえる。
だから、通信を使わなくても会話ができる。
距離が近ければだがな...』と言った。
『そんな事まで出来るのか。凄いな適正者は。』
と僕が言うと
『全くどこまでも忌まわしい能力だぜ!!』
吐き捨てるように言うと、リュウは足早に歩き出した。
僕が急いで付こうとすると、リュウは振り向きながら
『マサキ。訓練と実戦は違うからな。』と言った。
『わかってるよ。そんな事。』
僕は、少しムっとしながら答えた。
『わかってる...か。それなら良いけどな。』
―――ブラッド・フレームの操縦とソウルの扱い方。
この時の僕は、それさえ出来れば戦えると思っていた。
本気でそう思っていたんだ...
格納庫の天井が、徐々に開いてゆく。
左右の操縦桿を握った手に汗がにじみ
呼吸も少し荒くなる。
ブラッド・フレーム‘烈火’に
乗り込んだ僕は意識を集中する。
ソウルに呼応し、コアメタルが輝きを増していった。
『行くぞ!!』と言うリュウの声を合図に
僕は‘烈火’を格納庫から飛び立たせた。
先頭にリュウ、次にメグミ、最後に僕。その編成で
僕達はソウル反応のあった市街地へと向かった。
(第8話 『戦場の掟』
に続く)
総合リンク(完全版) ←どちらもリンクあり