「長野エクスプレス」で同じ略称?253系 | 新田鉄人「久慈だョ!全員集合」

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難病と闘いながらピンの鉄道芸人、その他で活動する、元本物の鉄道の駅員と電気部、さらに保線の経験を持つ、新田鉄人のブログへようこそ!岩手県久慈市公認、北三陸久慈市ふるさと大使。潜水士の資格取得済。

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今月で本職からの引退が決まっている初代「成田エクスプレス」こと253系ですが、3両編成2本が長野電鉄に譲渡されることとなりました。
利用者には「ながでん」とも呼ばれる長野電鉄は、長野駅としなの鉄道と接続のある屋代駅からの路線が須坂で合流、温泉で有名な湯田中までを結び、かつては国鉄の急行電車が上野から乗り入れていたこともあります。
「成田エクスプレス」は略称が「N'EX」ですが、成田と長野のローマ字の頭文字が同じことから、略称を引き継ぐかも興味深い点です。ワンマン化改造が施工されるとのことで、元小田急ロマンカーというよりは自社オリジナルで経年が高くなってきた「りんご特急」こと2000系を置換える可能性が高いかと思われます。
荒川夢悟「テツろぐ」-東急8500系.JPG
長野電鉄には、オリジナルの2000系以外は、元小田急ロマンスカー10000形や元東急8500系、旧営団地下鉄日比谷線の3000系など関東の鉄道から譲渡された車両が活躍中です。
信州中野~湯田中間は勾配がきつく、この区間は入線できる車両が限られています。というのも、車輪をブレーキシューと呼ばれるもので挟んで減速する空気ブレーキをかけ続けながら下り坂を長い間走る、ブレーキシューが発熱して摩擦力が変化し、ブレーキの効きが悪くなります。ここで鉄道ファンが思いつくのが、下り坂で速度を一定に保つ抑速ブレーキですが、これはあるに越したことはありませんが、もっと重要な点があります。
実は、ちょっとマニアックになりますが、電気的なブレーキが使えるかどうかが、下り坂を降りる鍵になります。これには発電ブレーキと回生ブレーキの2種類があり、回生ブレーキは電車の本数が少ない区間では効かないことが多く、元東急の電車が信州中野から先に行けないのはこれが原因です。
「成田エクスプレス」として働いてきた253系は回生ブレーキ。長野電鉄でメカから塗装まで、変化にも注目されます。長野の新しい名物になって欲しいものです。