18禁としての岡田尊司~X指定もしくはZ区分~ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

『「誰の言う、どんなことに信用を置くか」という判断は、個人の価値観にめでたくも任されているということだ。虚と実の間の境界線はあくまで個人の判断に委ねられている。そんな「自由」そのものが既に人間の社会を移ろいやすく危なっかしいものにしている。』

                      「SOCIETY」

今までの5回の委員会で坂元先生がこつこつとそもそもメディアによる影響の程度がどの程度かという部分について、現在のところ科学的に証明されていない。だから、影響を前提としてもするならば慎重な調査、対応が必要であると説明してこられて、それが中間報告にそのまま反映されたはずなのに…。それが第六回 バーチャル社会の弊害から子どもを守る研究会 でいきなりちゃぶ台返しが炸裂しました。

参考;警察庁の『漫画・アニメ・ゲーム表現規制法』検討会問題まとめ @Wik


で、今回の主犯、実行犯たる岡田尊司氏の言説、主張について集中的に調べてみようというのがこのエントリーの趣旨です。再度発言を引用するところから始めると、

【D委員】(=岡田委員)
>今のご発言に関してなんですけど、性犯罪が増えていないというのはどういう事実を持って言われているんでしょうか。

【E委員】(=坂元委員)
>強姦の件数が二、三十年前でしょうか、大変な数だったのが今数分の一になっていると伺っておりますけれども。

【D委員】(=岡田委員)
>例えば、戦後の混乱期と比べてというようなことですか。

のように岡田氏の脳内環境としては、前提条件として青少年の犯罪や性犯罪が現在、激増しているということになっています(「戦後の混乱期」と比べてですかなんて意見初めてお目にかかりました)。その部分については今までもさんざん批判してきた部分でもあり、また既に女子リベさま「岡田尊司氏の論考について」 という鋭い批判もあるので今回は省略…いやまずはなにはともあれ犯罪統計を抑えて、小学三年生でも理解できるグラフを見ようよというのが常にこの種の問題に対する根本的な批判なんですけれどね。

ちなみにその後の詐欺発言↓

【座長】(=前田)
>今のことは増えているかどうか難しいんですけれども、強姦罪は60年代がやっぱり1つのピークで、減ってきて、ただ最近は若干増えて、強姦は確かにそんなに増えていないかもしれませんが、強制わいせつはものすごい勢いで増えているんです。だから、これは効果論をあんまりここで議論するとまたあれなので、ちょっと置いておいたほうがいいと思うんです。

浜井先生「犯罪統計入門」をあげるのは今さら言うに及ばずですが前田の犯罪統計を恣意的に用いる部分については↓も参照の程を。

【参考】
http://www2.gol.com/users/mct/
http://kogoroy.tripod.com/hanzai.html
http://newmoon1.bblog.jp/entry/288351/

で、話を元に戻して、岡田の前提条件が現状認識として事実に基づいていないというのはさておき、そもそも「脳内汚染」の主張それ自体の信頼性はどうなのかというと…

「はげひげ」の脳内メモさま「脳内汚染」
>脳内汚染という本を読んだ。内容はさておき、引用者って気楽でいいなあ、とつくづく思った。本の中に、信大寺沢らと行った調査が引用され、ロジックのひとつのキモになっていたからだ。70年以降、子どもの注意力、抑制力に問題が生じているかもしれないというヤツ。前頭葉機能テストの一つGO/NO-GO課題によるものだ。

あの統計処理をしたのは私で、正直、ギリギリなデータだった。とにかく肝心の60年代データが少数過ぎる。いくつかのテクニックを駆使しないと統計的には何もいえない程度のものだ。だから私自身、このデータに言及するときは、相当言い訳がましくなる。しかし、引用者では、~~では**、とすんなりいえる。確か、バカの壁でも同じように引用されていた。

岡田さんはお気楽でいいですね~まあ、犯罪統計一つ読めない人が統計データをもって自説の補強をとかいってもまあそれ自体が笑い話にしかなりませんが。ちなみにこの寝屋川調査に関しては、魚住絹代氏がその後自著でもってその稚拙さを遺憾なく晒してくれたのでとってもありがたいです。

【参考】
http://newmoon1.bblog.jp/entry/278379/ (魚住著書)
http://newmoon1.bblog.jp/entry/279397/ (魚住インタビュー)
http://newmoon1.bblog.jp/entry/303540/ (第二回のゲストスピーカーでもありました、そして江川氏、坂元先生に批判を受けてまともに答えられていません)

またリヴァイアさん、日々のわざさま「岡田尊司氏の「脳内汚染」について(3月2日追記)」 はコメント欄含めて一読をお勧めいたします(情報が集積されています)。

要するに岡田氏は現状認識もできていなければ、自身の調査自体が信頼性に乏しい代物であって、彼が主張できることなど何一つなかったということです。岡田氏の脳内環境を持って現実を解釈しようということそれこそを「脳内汚染」と名づけるべきでしょう。

続けます、ただ今回、岡田氏は自身のオリジナル「脳内汚染」に拠らない部分、欧米での研究では~みたいなこと「も」主張されているのでそこも潰しておきます。該当箇所は以下の通り。

【D委員】(=岡田委員)
>もう既に海外では、ゲーム依存症というのは、随分前に診断基準も出ておりますし、ゲーム依存症の実態ということについては、調査とか何かされているんでしょうか

【D委員】(=岡田委員)
>今、海外の研究では、約2割の青少年がゲーム依存の状態にあると。日本の調査でもやはり同じぐらいの割合で依存の傾向があるということを裏付ける結果が出ておりますけど、それは人口比で言いますと、ニコチン依存と匹敵するような問題であると思われます。

で、この部分について、

【E委員】(=坂元委員)
>先ほどの調査の件なんですけれども、先ほどコンピュータエンターテインメント協会のほうから、調査をしていないというお話がございましたけれども、それは依存症に絞った実証的な調査をしておられないという意味だと思うんです。私もテレビゲームの問題性について、CESAの委員会などでお話しをさせていただいたり、それから、CESAではたびたび調査事業を企画し実行しておられて、その中には、テレビゲームの問題性について有識者
から意見を集めてレビューするというようなことも行っておられます。そういう意味での調査は行っておられ、私もそれに関与したことがありまして、事情を存じ上げておりますので、少しその点を申し上げさせていただければと存じます

と坂元先生が説明されようとしたところに…。

【B委員】(=竹花)
>まず、CEROにお伺いをいたします。今のご説明で確認をしておきたいんですけれども、要は、CEROを通らないソフトというのは、ゲームの世界には、家庭用ゲームソフトとしては、日本の国内にはないのだと考えていいわけでしょうか。

竹花がいきなり横から口を挟んで妨害した(岡田の主張を規制の根拠にしたいので批判は困るということでしょ)部分でもありますヽ(`Д´)ノウワァァン!!

※長くなるので結論から先に言うとネット中毒、せいぜいネットゲー中毒としては依存症として確かに岡田の主張するとおり診断基準に該当するものがあります。ただしそれをもってゲーム全般それも性・暴力の依存に拡張するのは根拠がありません。つまり、接続時間といったそれこそ先のフィルタリングにおちついたものと同様に表現「内容」の規制を正当化するものではまったくありません!

「情報化が子どもに与える影響(ネット使用傾向を中心として)」に関する調査報告書 に集積されていますが、うち学術的な部分を抜粋しておきます。

■「インターネット中毒」について

>中毒や依存といった概念は化学物質の存在を前提としている。DSM-4では物質関連障害として認めているニコチンは化学物質であり、身体依存と耐性の成立による使用量の増加、離脱症状の惹起などの特徴を備えている。

その意味で「インターネット中毒」は買い物中毒・ギャンブル中毒といった比喩的な中毒。臨床的には放火癖や病的賭博と並列の位置にある「特定不能の衝動制御の障害」に分類される。過食・コンピュータゲームなどの行為嗜癖(behavioral addiction)の一種と見なす立場もある。

その立場からグリフィス(Griffiths;1998)は「インターネット中毒」にも適用可能な中毒の概念として、以下の6つの基準を提唱している。

岡田が言うところの診断基準はグリフィスもしくはヤングのいずれかのことでしょうが…性・暴力表現に関する依存症ではないことは明らかです。

1.(特定行為への思いが)突出していること。
2.(その行為中、周囲から見て)雰囲気が変ること。
3.(その行為に対して)耐性ができてしまうこと。
4.(その行為を中断・禁止されると)落ち込むこと。
5.(その行為によって自己の内外で)葛藤が生じていること。
6.(長年の禁止やコントロールの後でも)ぶり返しが起こること

ヤング(1998)は、耐性の成立に伴う接続時間の増加は見られるとし新しい臨床疾患であると高唱した。「インターネット依存」の先駆的研究者はオーザック博士であるが、世に知らしめたのはヤングであり、以下の8項目にイエスと応える人々を「インターネット中毒」、5項目以上を「インターネット依存」としている。

(1)自分がインターネットに心を奪われていると感じるか?
(2)インターネットでより多くの時間を費やさねば満足できないか?
(3)インターネット使用に関して、自制しようとか、やめようとか、使用時間を短くしようと何度も努力しながら、うまくいかなかった経験があるか?
(4)インターネットの使用を控えよう、あるいはやめようと試みているとき、気分が落ち着かなかったり、機嫌が悪くなったり、いらいらしたりしたか?
(5)最初に考えていたよりも、長時間、オンラインで過ごしてしまうか?
(6)大切な人間関係、仕事、または出世の機会を、インターネットのせいで失いそうになったことがあるか?
(7)インターネットにどれだけ傾倒しているかについて、家族やセラピストなどに嘘をついたことがあるか?
(8)現実の問題から逃避したり、落ち込んだ気分を盛り上げる目的でインターネットを使うか(たとえば無力感、罪悪感、心配、不安など)?

中毒・依存にまつわる定義が曖昧なため、その批判はされている。他の精神障害を治療することで「インターネット中毒」が軽減される可能性があるとする報告がある(Shapiro;1998)。重症「インターネット中毒」者14名を診察したところ、躁鬱病11、恐怖症7、摂食障害6、感情抑制障害4、アルコール等への依存8であったという。多様な精神障害の症状の一つとして二次的に「インターネット中毒」が出現している可能性を示唆している。グリフィス(1998)も指摘しているように、同じ行為嗜癖でもe-mailや情報検索、ファイルの収集、ロールプレイ・ゲームなどのように、嗜癖化する行為による違いがあるのは当然であろう。今日広く認められている多くの疾病単位や心理的現象が、出現当時は常に際物視されていたことを考え合わせると、今後「インターネット中毒」もスチューデント・アパシー程度の社会的認知を獲得することは十分考えられる。

そしてそれすらもまだ批判があるどころか、その他の依存症、精神病こそが病因である可能性も示唆されています。いずれにせよ、最低限表現「内容」とは無関係であることが分かります。

■「インターネット依存」の定義

>「インターネット依存」はアルコールや薬物への依存とは異なり、身体依存が起こらないという意味では、あくまでアナロジーとしての依存である。すなわちギャンブルや買い物依存と同様、行為の過程への依存と見なされる。DSM-4では「インターネット依存」は「312.30 特定不能の衝動制御の障害」に分類されよう。同様にICD-10でも「F63.9 習慣および衝動の障害、特定不能のもの」に分類されよう。但し一方で、他の精神疾患に由来する二次的疾患であるという立場も無視できない。

誰も買い物依存症の人がいるからといって物を売るなと言わないでしょということです。いや、竹花辺りは言いそうか?

>小林ら(2001)の定義に従えば「インターネット依存」は「寝食を忘れてインターネットにのめり込んだり、インターネットへの接続を止められないと感じるなど、インターネットに精神的に依存した状態」とされる。本格的な研究の乏しい現状では、一定の見解を得るには到っておらず、操作的な定義を免れ得ないものの、一般的に依存・嗜癖・中毒状態の患者が自ら訴え出たり治療を希望したりすることが極めて稀であるという事実を鑑みれば、幾つかの状態像を網羅的に掲げたチェックリストなどの何らかの客観的指標を媒介にして同定していくのが妥当であろう。

もうこの辺で十分、岡田の脳内汚染を補強するような診断基準ではないことが明らかでございます。寝屋川調査の使い方といい、何を主張していて、どういうものが実証となりうるのか自分自身で分かっておられないのでは?以下は一応の知識としてメモ。

 「インターネット依存」の大枠としての指標は、
(1)インターネット接続の時間
(2)「インターネット依存」状態の持続期間
(3)離脱症状、もしくはそれに類する状態像の存在
(4)結果として引き起こされる悪しき事態の無視や軽視
(5)慢性的な状態像
などが挙げられる。

(1)インターネット接続の時間について
ヤング(1998)の診断基準では38.5時間/週、ブレンナー(1997)の調査では19時間/週。
(2)「インターネット依存」状態の持続期間
ヤングの研究(1996)では薬物依存にならって12ヶ月。 但し、子どもを念頭に置くならその影響の重篤さを鑑み、より短い期間(例えば3ヶ月)を指標とすべきであろう。
(3)離脱症状、もしくはそれに類する状態像
利用時間を制限されたり離脱した時に、精神依存を裏づける何らかの反応が起こる場合。不安、抑鬱、情緒不安定、インターネット上で起こっている出来事への妄想的思考、次の接続の機会に心奪われる、制御不能とそれに伴う無力感、などの反応。
(4)問題の軽視や無視
インターネットへの過度の耽溺によって精神的・身体的・社会的・職業的な問題を抱えてしまう・しまっているにもかかわらず事態を軽視したり無視する態度が形成されている。
(5)慢性的な状態像
・別人格へのなりすまし ・現実の生活における劣等感 など

>以上のような諸点を踏まえ、今後以下のような記述的諸特徴を持つ場合に「インターネット依存」と見なすことを提案したい。基本的に接続時間以外の項目については、報告者自身の主観的報告による。但し、15歳以下の年少者の場合は、保護者による判定が望ましいと思われる(15歳に根拠はない)。

>依存症というのは一種のストレスコーピング、ストレスに対する対処行動である。初めはストレスが誘因・契機となって逃避する形で始まが、一旦依存症が形成されるとストレスと関係無く続く。初めは小さな刺激で満足する。だんだん進行するにつれ、より強い刺激でないと満足できなくなる。要するにだんだん重くなる。依存症は進行性の病気と似ている。DSM-4では、こういういろいろな依存症はもう病気に入っている。幾つかの依存症は合併しやすい(クロスアディクション現象)。アルコール依存症の人は大体過食症である。うつ病・強迫神経症・精神分裂病などの人がインターネットに病的にのめりこむことが時々ある。こういう場合、元の病気を治療するということになる。また他の依存症の回復期に、インターネットに依存することも見られる。

>ある程度健康な病理を持っている人、ある程度セルフ・コントロールでき、ある程度大人、思春期青年期のような人格を持っている人は、「インターネット依存」に陥ることは少ないと思われるが、セルフ・コントロールできない未熟な人格、特に小学生、中学生についてはセルフ・コントロールできないので、危ない可能性がある。依存症というのは自己コントロールを失うほどのめりこむことをいう。アルコールやコカインには薬理作用として依存性があるので誰でも依存症になる可能性がある。

>パチンコなどのギャンブルはアルコールなどとは違って絶対的な依存性はないが、報酬を期待し続けることができるという意味で心理的に依存する要素がある。「インターネット依存」も心理的なものである。テクノロジーそのものの中に依存性があるわけではない。依存しやすい性格や、自己コントロールの不十分さが大きな要因といえる。

心理的なものでテクノロジーそのものの中には依存症はない…こんなに分かりやすい回答はありませんね。

おまけ;オンラインゲーム依存傾向と抑うつの関係

一応、他国の調査も上記一覧にありますが、そもそも無関係なものなのでそこまで見る必要はございません。これで今回、岡田が自信満々に語っていた部分について総て単なる岡田自身の「脳内汚染」に過ぎないことが明らかになりました。根拠も無いのにさも根拠があるふりをして大言壮語していただけと。


…で、です。岡田は小説家でもあることを皆様、ご存知でしょうか?ペンネームは小笠原慧です。

「DZ(ディーズィー)」(著)小笠原慧
「手のひらの蝶」(著)小笠原慧 の二冊は角川書店から文庫化もされており、普通に子どもが手に取ることも可能であって、このような立派なことを主張される岡田先生の著書ですからさぞかしユートピアな内容になっているものと思ってみれば…。


【注意】以下、これらの小説の一説を引用していきますが、暴力シーンやグロテスクな表現、性描写が多分に含まれています。小さなお子様には向きません!

>ムイの下半身が垂れ下がった白い布の向こうに隠れた。自分の陰部に窓から射した光が当たっているのを感じた

>忌まわしい幼児の死体が思い浮かんだ。肛門を抉られ、青アザや内出血だらけの二目と見られない小さな体

>石橋の腕が涼子を引き寄せた。唇を唇が覆った。石橋の大きな手が涼子の上をややぎごちなく這いながら前をはだけていく。甘い熱に溶かされそうになった時、体がこわばった。石橋の肉体が涼子を切り裂こうとしていた

>石橋の体は延髄と脊髄錐体路を破壊され、血を吐き出しながら痙攣していた。グチャグチャになった後頭部から脳漿と一緒に飛び散った脳実質が流れ出す血の中で幼虫のように蠢いていた。痙攣がやむと石橋は動きを止め、静かに血の海に転がっていた。もう呼吸していなかった。

>グエンとの完璧な営みを思い出す。思い出すだけで体が痺れ、膝が震え、全身の毛が逆立ち、乳首が勃起してしまう。めくるめく陶酔の瞬間、奥深く体の内側と外側を裏返しにされたような交接

>グエンの腕が白衣の上からウエストに食い込むのを感じながら、もう叫び出したい程の熱と渇望が体に取り憑いている。「グエン・・・・・・・」ヤンは身をよじりながら我を忘れてグエンの唇を貪る。体の芯から湯気を立てながら溢れ出したものが硫酸のように粘膜を爛れさすのを覚えながら。

>台の上には腹を切り裂かれた新生児が、腸管を飛び出させて転がっていた。取り出したぬるぬるした膨らんだ管のようなものを培養液を張ったシャーレの上でピンセットとクーパーを使ってほぐし、ピペットで吸い上げて、培養ディッシュに移していく。

>ウエディングドレスを着たまま、ヤンは抱擁に身を委ねた。手袋を取った手がグエンの手と重なり合う。指と指が絡まりそのままベッドに押し倒されながらヤンはいつもと変わらない興奮に身を任せようとした。グエンの体の重みがシルクの布の上から乳房や下腹を押し潰していく。舌の根まで引き千切られそうなキスを交わした。二人は手をほぐすと自由になった指先で互いのホックやボタンを外していく。「待って」ヤンは立ち上がってドレスを脱いだ。グエンもシャツをとった。もう一度二人は抱き合う。グエンの焔のような手がヤンの脾腹を這い上がり、ヤンの指先もグエンの背中に滑る。(中略)
グエンの手がブラジャーの下から零れ出した乳房を掴んだ瞬間、ヤンは思わず、小さな悲鳴を上げ、体を強ばらせた。

>腹にずしんとした衝撃を覚えて、二、三歩後ずさった。反射的に手のひらで傷口に触れるとねとねとしたものが拍動しながら溢れ出していた。足元の豪華な敷物がどす黒く染まっていく。

>足元でイシカワは白目を剥きぶるぶるしていた。床板に尿の黒い染みが広がる。

以上、「DZ ディーズィー」からの引用でございました!


>意外にふくよかな体つきをしている。裸にするとタイルの上に寝かせた。細い首が項垂れたおうにくの字に曲がっている。気道が潰れて窒息しないようにそれをまっすぐに直す。頚動脈が拍動するのが手のひらに感じられる。その場所を見極めると甘皮のような皮膚を貫いた。

>目の前に白い乳房が揺れていた。膨らんだり、しぼんだりを繰り返す。赤い唇とほっぺに唾液が込み上げる。乳房から溢れ出す暖かい血が口中一杯に広がる。目の前の裸体、引き裂かれた白い体。真っ赤な血が噴き出していた。

>絡まりあったままベッドの上に倒れる。筋肉質な体は見かけよりもはるかに分厚く強靭だった。不自由さが残る指先が伊緒の体を撫でるとせつないばかりの喜びが航跡のように肌に波だった。妬ましい程、西澤の動きは冷静で無駄がなかった。伊緒は自分だけコントロールを失いそうなことがひどく口惜しくて、声を漏らすまいと必死だった。最後の覆いが足首から抜き取られたとき、掴まれた腰がふわっと浮いて固く肥大したものが入口にあてがわれた。伊緒は閉じた唇の間から、漏れ出す声を噛み殺すように手術痕の残る肩に唇を押し付けて吸った。

以上、「手のひらの蝶」からの引用でございました!


単なるエログロ小説でした(団鬼六も真っ青なね)!小説としての面白さについてはここでは問いません。岡田が主張する表現「内容」規制は性・暴力表現を対象とするものであって、作品性とかテーマとかは問うものではありませんから。

ですから、きっと岡田自身が描いている上記程度のことは性・暴力表現にあたらないものとして許されるということになるのでしょう。こんな性描写や残酷シーンが許されるとすると一体なにを取り締まるのか本当に不・思・議発見!

岡田は、岡田自身の主張に拠るならばという前提つきですが、性や暴力的表現といった刺激は、依存症を招きしかも刺激に対する要求がどんどんエスカレートしていくとしているのですからね。そんなことを主張している本人が犯罪者を生産するような刺激溢れるものを書かないだろうし、書いたとしてもそのような確信を得た時点で文庫化までして金儲けしようとは思わず絶版・回収もしくはビニール本にするはずですから。

というわけでとっても安心いたしました!

ちなみに岡田は著書の中で「悪のポジティブ・フィードバック理論」(;人格が事件の進行によって変容していく、最初は慎重にことを犯していた犯罪者が次第にずさんさと残虐性を増していくというもの)なるものをものしているのですが、岡田自身の主張自体が「(頭)悪のポジティブ・フィードバック」に陥っていないことを祈るばかりです。


Comments
24-589さん、こんばんわ(長文とか一切気になされないでください!)。

>犯罪者がゲームをやっていた過去があれば2.と絡めて「ゲームのせい」ですし、やっているにも関わらず普通の社会人であれば「個人差のせい」になるわけです。

仰るとおりこの辺りがポイントなのでしょうね。岡田にしてもあるいはこの委員会に名を連ねている藤岡氏にしてもその異様なまでの自信や断言は「だっているんだもん」という彼ら、彼女らの実経験に尽きているのでしょう。勝手にあなたがたの一事案を一般化しないでくれ、全体としての統計を眺めてくれというような当たり前の批判に対しても耳を貸すつもりがないと。

これは「体感」治安の問題にも通用することだけど、印象の強い具体例を出せるって強いよね。コストだとか他国、時系列的比較を!みたいな意見に対しても、じゃあたとえ確率が低くかろうが、現時点では科学的証明がなかろうが、そのような特殊事案が起きたらどうするんだ、責任取れるのか!みたいな強弁が罷り通る、耐性の低いそれこそ学力崩壊社会ですからね。

書いていたらなんか落ち込むわー
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/11/25 03:08
すみません、ちょっと仕事がたてこんでてご返答が遅れました。

>岡田のオモシロ言動
ご存知のようにぶっちゃけ、ありとあらゆる分野に無知でありながら口は出したくて仕方ない、という、完全に前田や竹花と同類ですので挙げてくとキリがないんですよね(苦笑。

ただ、肩書きが医者&作家である以上、作家としての稚拙さ・残虐表現についての指摘と、医者としてのトンデモ発言の指摘が一番効果的なのかな?とは感じます。

医者としてのトンデモ発言としては、やはり何らかの“行為”によるドーパミンの放出と麻薬の摂取を同列に扱っている点が最大のポイントであると思われます。

また、脳内汚染自体が岡田の医者という肩書きのもとに科学書であるかの様に販売されながら、実際にはただのトンデモ本である、という証明も有効だろうと思っています。
脳内汚染での岡田のゲームに対する指摘は、

1.ゲームは開始した瞬間から大量のドーパミンを脳内から発生させる
2.主に(リアルな)映像がその根源であり、仮にゲームを一定時間で止めたり、過去にゲームをやっていた、といった場合でも影響から逃れられない
3.その影響の度合いには個人差がある

といったものでs。
1.は根拠が不明ですが、おそらく海外のトンデモ論文をそのまま引用しているのだと推測されます。論文は学会の発表だけならほとんど誰でも可能ですし、一応論文としての体裁が整う要件である雑誌への掲載にしても、場末の雑誌であればそれほど難しくはありません。従って、論文の掲載された雑誌の“格”が重要なのですが、それを示さない以上、意味が無い言説なわけです。

2.は「だからゲームは全廃すべきだ」とする岡田の主張の根源ですが、これまた根拠は一切なく、3.と絡めてゲームが長期にわたって発売されながら統計上犯罪に影響していないこと、ゲームと関係がないにも関わらず重犯罪を犯した者で、幼少期にゲームをやっていた、といった人物をゲームと牽強付会するための理屈だと思われます。

3.は岡田の言説が“非科学である”ことを表す最大のポイントです。犯罪者がゲームをやっていた過去があれば2.と絡めて「ゲームのせい」ですし、やっているにも関わらず普通の社会人であれば「個人差のせい」になるわけです。具体的な個人差の数値が示されていない以上、どんな状態を持ってきてもいくらでも言い逃れが可能なわけです(苦笑。

論理としては間違っていないため一見もっともらしく見えますが、こういった一切の反論ができない主張は反証主義により「非科学である」と断定できます。ID理論と同列の主張ですね。

他にも「ゲームによって犯罪者が急増する」と主張する以上、岡田の職場である今日と医療少年院収容者のゲーム人口比は社会のそれよりも明らかに高い必要がありますが、CESA調べ8割を超える家庭にゲームがある状況に対して、岡田は「バイク族(これまた謎な定義です)に対してゲーム族が少数派である」ことを著作で述べてしまっています。

長文申し訳ありません。・・・それにしても、こうしてざっと挙げただけでも無茶苦茶ですね・・・。改めて読むと本当にあきれ返ります(苦笑。
commented by 24-589
posted at 2006/11/24 11:34
freak-kさん、コメントありがとうございます。

まー一度は全面的に否定したはずの表現「内容」規制を、手のひら返していきなり主張する連中ですから、言うことなんかなにひとつ信用できないですね。

>そうしたものを規制するというのは、それはもう全然だめだろうと。

せめてどうして「もう全然だめ」なのかその判定基準を示してもらわないと♪
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/11/20 03:32
りずさん、こんばんわ。

義家といい、岡田といい、まさに「お前が、お前だけは言うな!」という類の俗物であることが明らかです。こんな状況が罷り通る、本来その任を果たすべきマスゴミが看過するどころか、むしろそれぞれ押し上げている(きた)という状況に眩暈しかしませんよ…。

>竹花は竹花で裏が取れてませんが女性スキャンダルの噂があるみたいだし。

先日、りずさんのページで紹介されていたので見ましたよ!そしてりずさんおっしゃるように現時点ではまだ弱いネタですね、せめて写真なりあれば別なのに。竹花、前田に関しては義家、岡田のような頭の悪い、分かりやすい連中と比して狡猾、きちんと事実認識した上での確信犯ですから悪質ですよ。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/11/20 03:18
24-589さん、こんばんわ。

とりあえず、これで岡田の主張については「脳内汚染」含めて過不足なく全否定できていると思うんですが、まだ他にも何かいかにも論拠あるかのごとき岡田の主張を落としているとしたら教えてくださいませ。

Wikiの文章いいですよね(上書きされるかもしれないしメモしておきます…バーチャル略のWikiノートでのやりとり拝見させていただきました、本当にお疲れ様です)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E5%86%85%E6%B1%9A%E6%9F%93
>「手のひらの蝶」は少年犯罪をテーマにしているが、専門家の見地よりも「外的要因により子供が狂わされている」と言う作者の思い込みが先立つ内容となっており、これが後年の「脳内汚染」へと繋がっているのではないかと言う指摘も有る。

◆そもそも犯罪について生物学的要因(脳・遺伝)を重視しておきながら、そこに稚拙な突然変異(種が分化する場合、それは単独の個体から始まるとしても、前種とは交接不能なほどに分化しておいて、偶然にもヒロインとは交接可能って…そんな進化ありえない)とか、寄生虫ですからね。それらも環境の一部といえばそうだけど、一発で変わるというのは、ゲームやらアニメ等の刺激によって徐々に反社会的な子どもになっていくという主張とは真っ向から異なるものですよね。岡田氏の中でどう整合性をとっているのか、それこそ虚構と現実をきちんと分けていないと無理なんですが、分けていられるとすれば岡田氏の「脳内汚染」の根拠を自ら否定することになると(笑)

>最低限公務としてやっている分野くらいはちゃんと勉強してほしいものです

しかし、こんなんでも横溝正史賞大賞を受賞してしまっているんですからなんともはや…きちんとした描写はエロ描写と殺害・死体描写だけかと思われるんですが。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/11/20 02:55
岡田(小笠原あむ)について追記しておきます。

文庫にはなっていませんが、最も新しい「サバイバーミッション」では首狩り殺人がデフォルトになっており、その首切りシーンもまた細かく描写してたりします。
また、このお話は(さすがに推理とは銘打てなかったのか)近未来SF的体裁を採っているのですが、科学的な記載が間違っていたり、ありえない描写になっているのは(調査をしない岡田ですから)まぁお約束として、歴史的事実や単純な日付計算も間違えている、といった、同人小説でもありえない様な有様になっています。
また、精神科に関する記載も比較的根幹に関わる部分で出てくるのですが、これまた現在ですら否定的な判断が下されている、数十年前の精神鑑定方法をごく当たり前に持ち出してくるなど、専門分野の知識すら危ういことが判る記述もあります。
※くどいようですが、“近未来”スプラッタ小説です(苦笑。

まぁ岡田(小笠原)も小説家としては売れなければ淘汰されるだけですから勝手なのですが、脳だの法だの小説だのに(何も調べず)手を出す暇があるのであれば、最低限公務としてやっている分野くらいはちゃんと勉強してほしいものです・・・。
commented by 24-589
posted at 2006/11/19 13:35
小説作品に関しては、今回の会議内で竹花氏が予防線張ってますよ、根拠なく♪

>「ロリータものというのも、1つは、言葉で
>書かれたもの。小説とか、そうしたものを
>規制するというのは、それはもう全然だめ
>だろうと。
commented by freak-k
posted at 2006/11/18 17:17
こんにちわー
まさかとは思いましたが、竹花に続いて岡田も自分のことは棚にあげて~なおっさんだったんですねw
なんつーかこいつらに憲法すら揺るがしかねないこの議題を語る資格すらないと思いました。

本当竹花は竹花で裏が取れてませんが女性スキャンダルの噂があるみたいだし。
自分が汚れたおっさんだからこそ綺麗事を言いたがるのでしょうか?
自分に都合が悪いからw

本当こんなもん実装されたなら犯罪率の増加だけに留まらず免疫性のないガキが大量生産されることになるのに。
無菌状態のキャベツはうまく育たないんですよwwwww

とりあえずうちのブログでもかいときましたが、女性スキャンダルの件ハットきますねw
裏が取れてないので笑い話程度に読んでくださいなw
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/08/2003.html

であであ失礼しました。
commented by りず
posted at 2006/11/18 16:49
お疲れ様です。
岡田に関してはその他に、初期のペンネームが“小笠原 あ む ”という、アンタどこのぽえまーですか??というネタもあります。
また、DZでは、妹孕ませ、という要素もありますね(苦笑。

ちなみに、脳内汚染で犯罪白書のデータを持ち出してきていますので、(老年性健忘症で忘れた、あるいは、学者であるにも関わらずデータが読めない、とでも主張のでない限り)性犯罪の現象傾向については岡田は認識しているはずです。

この辺の話をオフ会などでよく人に話すのですが、皆一様に「それなんてエロゲ?」と苦笑が漏れるのはお約束だったりします。
commented by 24-589
posted at 2006/11/18 09:47