あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地


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今年はNHKのブレイブシリーズがTV番組としては出色の出来で録画してあるものを事あるたびに見返してます。しかし、第三弾は東芝ではなく日本が失ったものの大きさ、しかも現在進行形に思いを致すと最後の後ろ姿と重ね合わせてクラクラ。翌日、東芝社内で殺人事件が起きても不思議ではない内容。ソニーは出井の傷を癒やすのに10年かかったが虎の子のメモリーすら手放す東芝はどうなんでしょうね…。

 

今月のおすすめは微妙

言葉が独り歩きしてきた山田教授が満を持してだから言ったじゃないか論を展開。パラサイトシングル、希望格差、婚活(これは当緒では触れられていない)全て世に出す時に、パラサイトシングルではいずれ介護が浮上するためキリギリスに過ぎず、格差は希望そのものに行き着き、婚活はむしろ社会保障の一種として夢見るちゃんではなく必要とか…ただ、世の中で曲解して流通するに至りそこに未必の故意はあったように私は思うけどね。社会学の予言(の自己成就)を考えるに山田教授は考察に値する存在であることは間違いない。

今回、私が知らなかったのは親密犯罪の実数。いまや、ストーカー事案2万件、DV11万件と莫大な数に達していること。警察の人的資源がそんなところに割かれていると見るべきか、そんな数を引き受けられるほどに治安が良化して資源が避けていると見るかはヒトに依るでしょうね。あとは死刑の存廃を巡り、具体的に顧客(被害者)満足度で測るテキサスとミネソタ州の対比で考える下り(終止符論の否定)は面白かった。

前回の升田VS大山に続きライバル同士の対決は熱い。あと刊を出せそうなのは、中原VS米長、羽生VS谷川ぐらい?米長が名人にそして会長になれたのは大山が亡き後だったからとはしばしば言われていること。

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いよいよシンギュラリティが現実化…今後の(人類の)未来を占うに最適の一冊が降臨。

 

 これは今年の一冊ではなくて、就業者・就学者にとって自身の未来・将来を考えざるを得ない時代が到来したという問題意識のもとに読まざるを得ない一冊。20年前に語られた「IT革命」という不確かな宣言ではなく、今回はホンモノの可能性が高い。それは同著であげられる専門家群とそれに呼応するAI・IOT技術が提供(しつつある)サービスを見比べれば腑に落ちるはず。同著ではまず、「専門家」の定義が語られるところから始まるが、その役割がタスクごとに分解・融解されることで脱神秘化され、それはAI・IOT技術に呑み込まれていくだけでなく。むしろAI・IOTの方がうまくやりうる。

 このことは同著の例では語られていないが、チェス・囲碁・将棋でもたらされた事態はむしろAI同士の研究を専門家こそ後追いする時代になっている。

 考えてみると、認知科学・脳科学の発展はかつてブラックボックスとして扱っていた脳をコンピューターで行われていることを類推することで始まっている。知的労働こそAI・IOTに馴染むのは自然。情報を蓄積する媒体に、「検索」機能が加わったことで膨大に蓄積された、そしてされる情報を分析・活用する「チカラ」が備わったのが今日。ではヒトに残された仕事は―同著ではその点も語られるが是非ともその賛否の態度は保留したとしても読んで考えるべき。それこそ現在資本主義を支える人類の能力主義は終焉を迎える可能性すらある。成果主義からプロセス(努力・雰囲気)評価主義へ―。

 

 社会学者として一人社会を変えつつある内田先生の新作。要は、教職をその他一般職業と同じく労働として捉え直すという言われてみれば当たり前の話だが、どこか社会では無意識に聖職としてその点を看過してきた。その矛盾が露わになるのが「部活動」。

 あくまでも自主的な活動のはずが、参加を強いられる―支えるのはただの教師の奉仕。私も知らなかったのだが、給特法において教師の残業は教職調整額としてあらかじめ4%増額されることで事足れりとされている。しかし、就業時間数という観点からはブラック企業が平伏すレベルに達している。

 その病理が「部活」。同著ではその異常さを改めて冷静にひとつひとつ突きつける。そして提言される解決策も極めて現実的、同議論に対して有効な反論は皆無と思われる(その先にもたらされるであろう学校(化)社会の解体についてはノーコメント)。

 単に経済成長率が増加するだけでは、社会は豊かにならず。増えたパイが「公正」に分配されるかどうか、「格差」に関する問題はここ数年世界のホットワードとなっている。その最先端(末端?)を英国の底辺託児所のエピソードの一つ一つを見つめることで「知る」。悲しいことに不況下よりも、英国が順調な経済成長を遂げたあとの政権交代後の「緊縮財政」がもたらしたあとの方が悲惨さを増すということ。そしてエンディングはハッピーエンドとは程遠い―。日本も今後、法人減税と消費増税の組み合わせで「緊縮路線」に再び戻るようだが欧州の惨状について少し思いを致すことは他山の石として必須かと思われる。

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リベラルに関する混同がある。マイノリティー・弱者保護という観点と、自由擁護という観点が混同されるのは欧米同様によくあることだけど、少なくとも個人に対する仁義はあってしかるべきというのは私も歳を食っただけだからかもしれないけどね。

同ブログ当初に記した通り元々は少女漫画について、否もはや―慣れし故郷を放たれて 夢に楽土求めたり―かな。あとのTweetは今月読書より―。

 

 

 

 

行動経済学については人口に膾炙したが、学問の中身もさることながら提唱者であるカーネマンと、トヴェルスキーに焦点を合わせた書物。天才の栄光と孤独が染みる―私が気に入ったのは心理学か、哲学を専攻するかを迷った際に心理学を選んだ理由が、哲学はプラトンの時代に既に干上がった油田であり、かつ標本数「1」(=自分)の学問であると談じた下り。

現在、大学(教育)改革の一環として、文系特に文学や哲学の有用性に疑義が突きつけられる中、まさに歴史、政治、思想、教育といった学問横断的に「教育問題」を分析し尽くした一冊。現時点で、おそらくここ前後10年のスパンで考えてもこの一冊で教育問題は論じられるだけのデータと、問題点の指摘に溢れた一冊。皮肉ではなく哲学者が書いた書籍とは到底思えない、Tweetの通り教師も追い詰められている―。

これは直近の一番関心があるテーマ。こうやって何冊も読むことで腸内微生物が免疫系に働きかけ、免疫系は脳の発達に繋がる―さらに言えば遺伝子の乗り物としての人間としたときに、それはヒトのDNAだけではなく、水平遺伝子伝播を可とする圧倒的多数の微生物の乗り物としての進化、シンビオジェネシスとして考える必要がある。糞便移植からプロバイオティクスのような健康文脈で語られている「何か」も、ヒトの思考・自我にも影響を及ぼしうるグランドセオリーたる可能性を真剣に考えるべき地点にたった。

これは今年の一冊確定。この書はタイトルよりサブタイトルの「エビデンスにもとづく幸福改革」の方が誤解なく手に取ってもらえると思う。タイトルだけ見るとスピリチュアルな印象を与えかねないが、内容はEBMとしての心理学、そして統計・福利厚生としてのEBMに基づく精神医療の効用検証、英国の社会的実験(IPAT:心理療法アクセス改善)から成り立つ。この手の議論は全て日本でも、精神病院大国である日本の場合尚更参照すべき議論となっている。

上、3冊と比すれば若干推奨度は落ちるが、進化生物・人類学として「キレる」という現象を考える。ポイントは「キレる」というリアクションは全てマイナスであれば残らない(肥満と同じ)。キレるに至る機序としてLIFEMORTSと称されるポイント、生命の危機、無礼、家族、環境、仲間、秩序、資源、部族、抑圧というポイントを理解することで、現代社会において進化史に反し怒りを制御すべきポイントを知ることから第一歩を記すべし。

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戦争継続に利用されそうになった大本営発表
 

 親泊大佐、佐々木克己大佐、広石中佐が入ってきて、いつものように大本営発表文を読み上げた。
これで明日の新聞には、この大本営発表(=ポツダム宣言受諾の大命に背き徹底抗戦を訴える内容)が掲載されるはずだった。
クーデター派の親泊は成功を確信したことだろう。ところが、ここで記者たちが疑問の声をあげた。
長年報道部で仕事をしてきた記者たちは大本営発表を細部に至るまで知り尽くしていた。
そのため、彼らは目の前の大本営発表の異常さに気付いたのである。
「全面的作戦を開始せり」という文言は、単なる戦況報道のそれではない。政治的・外交的な問題を含んでいる。こんな重大な発表をここでやっていいのか―。
ほかにも記者たちはまるで小役人のように事務手続きの不備を衝いた。
「参謀総長と作戦関係の第一部長、第二課長のところは赤鉛筆でスミと書いてあるだけですね、これでいいんですか」
「次長と大臣の花押が変だし、軍務局長の判もいつものと違いやしないかな」
そしてついに同盟通信の記者が、「この発表をとりやめるわけにはいきませんか」というに及んで親泊は焦ったらしく、
「生意気なことを言うな!貴様の言っていることは統帥権干犯だぞ。一新聞記者の分際で大本営発表を取りやめろとは何だ!無礼なことを言うな。文句を言わずに発表を社に送ればいいんだ」と怒り出してしまった。

結局、記者たちが政府筋に「これでよいのか」と確認したところで戦争継続派による捏造であったことが発覚。

 

                                        辻田真佐憲「大本営発表」

 

フェイクニュースやオルタナティブ・ファクトとの付き合い方は、既に日本は実地経験済。あの戦争を忘れない系の企画が戦争の悲惨さ(もしくは美化)ばかりなのはもったいない―こういう現在との地平線上にあるものこそメディア自ら掘り起こすべきだろうに―そしてできないからこそ軽蔑される。

 

 

教育再生会議をウォッチしていたものとしてはアフターフォロー。日本の教育を再生させるために選ばれた委員の実績は「このレベルの」子育てです。非専門家が専門家ヅラで介入できる敷居の低さが日本の教育問題の根幹の一つ。

 

これだけ何冊も連続して面白いと感じるのは、著者の問題意識が「合う」ということでしょう(―別段全ての社会学者・思想家を半径3m社会学者と見下しているわけではない)。同著は、自由・市場化を前提とする社会においては選択が増えることを無条件に善と扱いがちだが、選択するには一定の負荷・コストがかかるということ。なればこそ一定のパターナリズムの下に選択を無くしてしまうことを称揚する。たぶん過去の著作もそうだったが、同著者の問題意識は奈辺、長らく無批判に受け入れがちなものを科学や社会システムが進展した現代において再考することにあるのだろう。

7月~8月はどうしても戦争に関する諸々を考える諸作が並ぶが、戦前の諸反省に根付く戦後思想については何故か批判的に保守・右派系言説でしか熱心に語られない。「自我」の確立について西洋的近代の輸入ではなく、日本の歴史から救い出そう、リバイバルしようとした丸山、吉本両氏の言説は肯定的に保守派は語るべきだし、左派もまた左右の分断ではなく国民を統合する言説を評価すべき―。個人的には「忠誠市場」という発想が発見だった。市場において独占が起きた時、ロシアツァーリズムの例のように反動もまた強烈。

この時期だと「失敗の本質」を褒めるのが時節柄だけど、失敗の本質が各戦場において抽出される要素が似たものばかりで日本人として悲しくなるばかりなのに比して中立的に読める名著―思わず別に職場用図書として購入しました。飛行機業界を立て紐として、医療業界、法曹業界など比較的昨今の事例がふんだんに盛り込まれる。同著内でも戒められているように魔女狩りや事後解釈バイアスではなく、正当に問題分析から学ぶことの重要性はやがて、失敗を積極的に小さく・早くすることを求めるに至る。

AIに知的仕事が取って代わられる恐怖が語られるようになってきていますが、現時点で言えることとして蓄えるだけの知は既に外部化されている。その知をどうやって取り出すかは、検索力や検索するための基礎教養だったりするわけですが、それらをも包括する新しい知として「質問力」をフューチャーする。幼いころにはあれだけ質問を重ねていたはずなのに、やがて質問をしなくなるのはどうしてか?―これもまたア・ビューティフル・クエスチョンたりうる。

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少子高齢化社会において朱鷺と同様に保護(増産)対象に過ぎない「若者(論)」よりは、「老人論」で炎上したほうがマーケティング的には美味しいのではないかと思う今日このごろ―。妄想で語った凶悪化も、モラルも、教育も、健康も、家族問題etcリアルな「問題」として語るネタは山のようにあるはずなのに。「不良債権としての団塊」「あと30年で日本は甦る」「楢山節考再考」とか今のうちに©とっておきたい気分。

 

 冒頭にテーマとして掲げられている「情けは人の為ならず」が皮肉として効いている。まさに同箴言が誤用されているように、犯罪(治安)論は、現実ではなく虚構に基づいて語られることばかり。それでも治安と体感治安は別問題であるという理解、治安悪化が語られること自体がなくなったその事自体が我が事のように嬉しい。そしてそれはただただひとえに同書責任編集の任に当たられている浜井浩一教授の力によるものといって過言ではない。、90年代後半から00年代半ばまでの狂気の言論を今、冷静に振り返り、そしてこれからをさまざまな角度から分析する。

 (ピナル)ポピュリズム犯罪政策を過小も過大評価もすることなく「あすの会」の歩みによって整理した数章および、刑罰の効果(特別予防)を検証した1章がオススメ。死刑判決や、執行に犯罪抑止効果があるのか、重罰化があるのか、失業率があるのか―。あと足りないのは、体感治安と同様に体感刑罰感(実際より重い刑罰と、軽いイメージの誤差)に関する議論。法家思想から直近なら飲酒運転を巡る言説などは一顧に値するかと。

 「人は一人でも反省は出来るが、一人では更生できない。」素敵な言葉だ。

「1968」を「雑誌」をコアに前と後ろに拡張した本。コンパクトだが面白かった。この本で「マルクスみかん水」という言葉を初めて知って一発で気に入った。

角道を開けたままの振り飛車に未だに抵抗感あるわたしは旧世代(当然ゴキ中は指せない)―。

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「人工知能は天使か悪魔か2017」にて既にアメリカでは仮釈判断で一部の州で取り入れられ再犯率10%減とか、人材派遣業における辞めそうな気配を察するなど着々とAIは高度知的産業でヒトに取って代わりつつある。羽生三冠が述べておられたようにAIの導入は避けるべくもないが、AIは判断理由を示さない、即ちブラックボックス化していくことをどう捉えるかが問題となる―冒頭のAlphaGo同士の対局など見てもさっぱり理解できない次元に到達している―。ちょうど同番組のナレーションが林原めぐみだったこともあり、マギシステムのように、あるいは将棋の文殊システムのようにAI合議制でもって担保するのではないかとぼんやりと思う今日このごろ。

 

 早くも今年最高の1冊と断言!ここ3年の著作「だれもが偽善者になる本当の理由」「暴力の解剖学 神経犯罪学への招待」「土と内臓」と読んで正しく「腑に落ちた」ことは、進化理論が一層と拡張されたということ。その過程で正にかつて愛読した「自我の起原」「「魍魎の匣」の一節のように人体が外に開かれていく、、、このビジョンが降りてきたときに身が震えた。

 具体的には、脳自体も進化の産物であるということ(前頭葉、側頭葉、大脳皮質etc)、そして進化の過程で得た脳の機能は時宜に応じてその能力を発揮する。ここに自我同一性は失われる。次にその進化に影響を及ぼした主体は、ヒトマイクロバイオーム(微生物相)であるということ。人の体内に棲まうDNAの9割以上は人類のDNA起因ではなく、腸内細菌群―。

 そしてこの書が教えることは、ミミズを見ればわかるように、脳より腸が先にありき。腸は脳内化学物質を作り出し脳に直接的に影響を及ぼす。それだけではなく、猫由来のトキソプラズマもおそらく3人に一人は脳内に蠢く(統合失調症がヨーロッパ史に登場するのが猫の飼育と軌を一にしているという示唆も語られる)。もはや自由意志というものは、人体内細菌群がお互いの生存確認を高めるための統合機関、国会程度の地位に成り下がる。

 神経寄生生物学、精神神経免疫学こそが、もしかするとグランドセオリー足るのではないかとそう予感させる一冊(そしてこの書の長い手はヒトの有する嫌悪感は衛生観念に由来し、それこそ宗教に代表される文化もまた含まれる―)だが、エメラルドゴキブリバチの逸話など単発Episode集として楽しめる。

 ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランス、アメリカ、ベルギー、、、その末尾として日本まで含まれるが、一国ごとに植民地化の歴史を丹念に追う。その過程で植民地・帝国主義全盛期前にウィリアム・ペティやフランソワ・ケネーの植民地採算性への疑義(資本の輸出は本国への投資を犠牲)なども挟まれる。この点は石橋湛山の小日本主義を彷彿とさせる。ただし、諸国事情はあれど、随所に見られるのは社会生物学的な発想であることは抑えておかなければならない。20世紀はマルクスの世紀と語られることはあるが、その意味で言うとダーウィンの世紀は前著含め延々と続いている。

富国と強兵 富国と強兵
 
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 制度経済学、粗く言うと言語と金融(集団・国家ありきの個人)に基づく整理。国家という枠内におけるゴーイング・コンサーン(=一定の方向や傾向をもった運動)の制御が主眼。

 この本も超絶オススメ、言いたいことは現在は各種指標に左右されているが、その指標の由来、成り立ちを知ることで限界をしること。当著曰く「1950年代の地図」で政治算術が右往左往されていることを相対化すること。まさに、現在日本もGDP改訂が遡上にのぼっていることもありタイムリーな一冊。消費者物価指数や、消費者信頼感指数など作られた当初よりも今のほうが影響を及ぼすようになった指標については策定時の限界論を知ることが大事だと教えてくれる。…当著は指標を捨てろと言っているわけではないので、日本語タイトルは少し語弊がある。

 プライバシーを巡る議論の整理、そもそもプライバシーの定義一つとっても、情報収集+情報処理+情報拡散+侵襲まで含むことへの合意が必要。そしてこれからの時代においてはあまり議論になっていない情報処理に関する思考が必要と知らしめる一冊。

 「国民の幸せを祈る人」(女性自身松崎敏弥氏)という言葉に尽きる―ただただ頭が下がるのみ。

 この書の魅力はこの画像ではわからない。実際に書店で手にとって爆笑して欲しい。新書と称していながら750ページで普通に立ちます。内容も通俗な武田勝頼像を一新するものとなっている。私は複雑な外交関係(甲越和与、甲佐同盟、甲江和与)及び、御館の乱の当初は家督争いではなかったということが新鮮な驚きだった。

 この本については色々と言いたいことはあるが、それを書くには余白が狭すぎるというか時が経ちすぎたというのが正直な気持ち。ただし、どうしても一点だけ記すとすれば、北田暁大は「あのとき」本当にこの書で書いているような言動を生み出していたのかね?今になって後藤和智氏という権威を借りることで都合いい歴史修正、切断操作を行おうとしていないかという強烈な違和感が残った。

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分析中身ではなく、文体や若手官僚が国を憂えているというだけで好意的な反応が目立つことに萎える。それこそ「会議でスマートに見せる100の方法」の一つとして使えるかなという次元、普通にリベラルアーツを高めるべきだと思うのだが産業振興政策の先行きは暗いね。

この手の皮肉大好き!ただし冷笑的態度ではなく「本気」でこの本に書かれているような事例の実践をする人間の方が評価される現実があることを踏まえると喜劇なのか悲劇なのか演者(サラリーマン)にとっては分からないけどね。一番のお気に入りは「ホワイトボード戦術 描くだけでスマートに見える21個の無意味な図形」。

 

「ひとの小さなアイデアにケチをつける方法」⇔「ひとの大きなアイデアにケチをつける方法」
―革新的じゃなくない?                 ―革新的過ぎない?
―飛躍的な成長をもたらす?                        ―これをどうやってロードマップに落とし込むの?
―みんなが望む未来がこれ?                       ―方向転換にならない?
―それ、もうとっくに消えたと思ってた。            ―机上の空論じゃない?
―これのどこがすごいの?                            ―ピントがずれてない?
―でも、アップルがもうやってるんじゃない?     ―でも、どうやってテストするの?
 

 

西欧の著名女王・王妃列伝。全盛期や生涯ではなく、最期に絞って照射するのがまさに棺覆いて―を地で行く構成。ブルグント女王やセルビア王妃などこの書で初めて知った人間も多数。一番面白かったのは、ナポレオン皇妃(初代・3代)いずれも旦那が失脚してからの人生がむしろ輝いています。

今年の1冊確定。エッセー的に様々な毒々生物を取り上げながら、毒々生物という具体的観点から人類への影響・未来へとさまざまな観点から知的刺激を与えられた。ヒトの免疫機構を考えたときに細菌やウイルスだけでなく、「毒」も範疇に含まれるというのは盲点。それこそアナフィラキシーショックなど考えれば自然と腑に落ちる―そして、そこから山田風太郎ばりに自家免疫実践者(毒に対する耐性を強める試練)の跋扈に至り笑うしかなくなる。「進化」という観点だけでなく、抗毒素科学という「医療」面で既にその有用性が実証・先行き明るい一面にも触れられた。―「毒」が古来より人気ジャンルであり続けていることに根拠あり。

経済・社会学に続き政治学として三部作たる一冊ということだが、読後感は著者の政治学観として実学として経済学に溶けたという解釈かな。ただ政治がメディア消費材(闘争・選挙勝敗・失言)に堕ちた中で、源流に遡り、民主主義と自由主義を分離し決してお互いが必要十分条件ではないことを理解することや、家政を元祖として経済学と政治学は生まれは同じと知ることの重要性など基礎部分をなぞるだけでも十分楽しい。

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USJを題材としたビジネス本でも、日本のレジャー価格は安すぎる。世界平均の¥10,000を目指すべく着々と値上げしたところ、ディズニーも追随しているというようなことが書かれていた。結局、サービス業に於いて「サービス」という言葉が日本では無料と誤用されていることに引きずられている感満載。

昨今、労働環境と労働生産性の低さが話題になっているが元凶はサービス業―。おもてなしの精神で、「日本すごい系」で盛り上がるときに犠牲になっているものに想いを寄せるのも一興。

 

今月はおすすめ本無し―ただ史料として参考になった1冊だけメモ。

 

「百年の恋は、しょうゆの味がする」(キッコーマン)
「あなたがいま辞めたい会社は、あなたが入りたかった会社です」(リクルート)
「サラリーマンという仕事はありません」(セゾン)
「昨日は、何時間生きていましたか」(パルコ)
「ようこそ、キミは音楽のある星に生まれたんだよ」(ソニー)
「歓喜か、悲鳴か。世界の言葉はふたつになる」(日本アバイア)
「仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない」(リクルート)
「上手な水分補給も、実力です」(大塚製薬)
「カードの切り方が人生だ」(ライフ)
「『明日からやろう』と40回言うと、夏休みは終わります」(Z会)
「墓地を作るのではない。公園を作るという考え方」(いせや)

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NHKスペシャルのタイムラインに載せたTweet一覧。まあ、もはや手遅れ感満載ですし、団塊世代に関しては思うところもあるのであとは生温かく見守るのみ。『花森安治の仕事 ― デザインする手、編集長の眼展を見てきたら保育園が整備されない状況について批判記事が書かれていて面白かった…50年前だけどね(苦笑)

 

 

道徳を考えるに、倫理的利己主義、社会契約説、功利主義、カント説、徳倫理それぞれ具体的事案でその妥当性を検証する―事例ごとに一長一短が有るところを踏まえると多元戦略的功利主義(全有感的存在の利益の最大化)を推奨すると。もともとアダム・スミス以来「共感」は現代資本主義社会の根底に想定されていたものだが、全有感的存在にまですすめることに共感できるかどうかは道徳観による(笑)

走狗 走狗
 
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川路利良を主人公に、正に明治維新後の政権安定期に至る渦中に「ジョセフ・フーシェ」に見立てて暗躍する物語。司法省管轄の警保ではなく、内務省管轄の警察の設立に至る物語の組み立てが実に説得的で読ませる。

仏教を生まれたときの説諭から、経典中身まで簡易に解説した良書。アメリカ人に引き寄せて理解するにマインドフルネスや、葉っぱのフレディやチーズはどこへ消えた?などをうまく取り混ぜる辺りが面白かった。

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労働問題というのは、このブログでも嘗て熱心にあれこれ蒐集と要約を施していたが、いざ自身が渦中になると冷静に振る舞うことは、責任感とのグラデーションで難しくなる―。結局、官邸主導で「働き方改革」が推進され、その中で電通のような大企業が血祭りにあげられることで外部環境の変化に巻き込まれるという或る種の上からの改革により今月から劇的に改善しつつある。

 

怪書探訪 怪書探訪
 
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私のような単なる濫読家が読書を趣味と言うには烏滸がましい気持ちにさせられる一冊。これまでもそしてこれからも1mmも掠ることがなさそうな作家・書籍群がこれでもかと出てきて幻惑させられる。「痕跡本」「満州刊行本」と呼ばれるジャンルなど書の楽しみ方を改めて知らされ失って久しい蒐集する喜びが仄かに疼くものが感じさせられた。

エセ科学批判系の何かもむか~しそれなりに考えた時期があるが、真面目な集大成的書籍(心理学と銘打っているが心理学に限定されない)。

行政行為という名の下に独立王国の体裁の入管政策を巡る血も涙もない事例集―いずれNEWS番組投稿ネタとして判例集を活用予定。

老乱 老乱
 
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結局、過程的介護・医療に戻った今、老後とはそれまでの人生の総決算たるということを突きつける(財産だけでなく家族関係も含め)。高齢者の運転や、徘徊行方不明事案まで時事ネタを綺麗に折り込みつつも高齢者と家族の双方の視点から「老後」問題を己が身にふりかかることとして考えさせる。久坂部先生の長編小説が昨今「最期」優しくなった(救いがある=あっさり死ねる)のが不満といえば不満。

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