美容教と健康教(3) | この国のタブー

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 続編ですので、前回の投稿はこちらをご覧ください。
 →美容教と健康教(1)
 →美容教と健康教(2)



カネボウが大変なことになってるようですが、こっちもちょっとガッカリです。
前回記事の続きとなる今回は化粧品をテーマに決めていたのですが、途中まで書いて放置していると、事件はやっぱり起こるもの。別に先に書いたからって、何かを予測したってことじゃないんですが、でもちょっとだけ凹みます。

今回の報道内容を調べてみましたが、もうWikiに上がってました。何やら、白樺やメグスリノキから抽出した問題の「ロドデノール」という成分には美白作用があるそうで、これはカネボウ化粧品が開発した医薬部外品有効成分とのことです。しかも新しい成分なだけに、「白斑様症状」の原因は現在究明中ですって。発売前に散々テストしたと思いますが、これでは消費者はたまりません。
しかも同社は、業績不振によって花王傘下に入り間もないですから、ブランドが存続できるかはここが瀬戸際かも知れませんね。
 参考:Wikipedia記事「ロドデノール」



【化粧品成分は危険?】

これは程度の問題ではないかという感じが否めませんが、ご存知ない方もいますので最初に触れておきます。

一般的に使われている化粧品成分の一部には、発癌性や変異原性(遺伝子に変化を引き起こす性質)、催奇性(奇形を生じさせる性質)があるものが含まれています。最も有名なのは口紅に多く含まれるタール色素です。タール色素の一部は、食品添加が禁止されている成分も含みます。
 参考:無添加ネット.com「第1位 タール色素」

他にも、化粧品だけでなくシャンプーやクレンジングに含まれる合成界面活性剤も、多量に使うのはリスクがあります。合成界面活性剤は油脂成分と水成分の混合を促す成分ですので、肌への浸透を促し、汚れを落とし易くするなどの様々な効果があります。ただ、浸透力が強いということは、先のような化粧品成分が肌により浸透するわけです。つまり肌の状態を悪化させる原因にもなります。
 参考:Pure Skin Club「合成界面活性剤について」

もちろん、これらは通常使う程度の量ならば健康に影響はないそうですし、肌トラブルなどを引き起こす方は一部だろうと思います。個人差というか、恐らくは程度の問題なのだと思います。

ここで、女性を敵に回す覚悟であえて書きますが、化粧とはそもそも、皮膚の表面にできた微細なシワを埋める+着色の作業です。反面、化粧品成分は皮膚表面の水分や油脂を必ず奪いますから、ハリとツヤは失われていきます。さらに加えて、化粧品成分の毒性もまた、シワを更に広げる作用が働きます。
その結果として、美容液や乳液で肌を保湿する必要性が生じる訳です。しかし、化粧品による保湿はあくまで外部に頼ることなので、これを繰り返すと肌自身の保湿力も失われていきます。

何だかシャンプーのリンスの関係に近いですが、シャンプーとリンスにも合成界面活性剤が入っていますので、益々ややこしい。



【燃える男の化粧品】

さて、こんな他人事な記事は、私が男だからこそ書けるのだと思います。私の世代の中年男性は、当然ながら化粧品にはあまり縁がありません。せいぜい、整髪料と頭皮ローションと、髭剃りローションくらいでしょうか。中には美白している方とかも居そうですけど。
でも、そんな私だって若かりし青春時代には、年相応に眉毛を整えてみた事くらいならあります。それから、もうひとつ記憶に残っているのが毛穴パックです。
 参考:花王「ビオレ毛穴すっきりパック」

これ結構皆さんも、一度は試してるんじゃないでしょうか。やってみると慣れるまでは少し痛いですよね。しかも毛穴が小さくなると聞いていたのに、実際はそんな感じでもない。んで、また翌日やるともっと痛くて、毛穴は一層広がるみたいな悪循環にはまりました。
今更ながらググってみると、やっぱり当時は同じ意見の方が多かったみたいですね。
 参考:教えて!goo(2004/09/03)「ビオレの毛穴すっきりパックって・・・



【今でも売ってるのはなぜ?】

でも、じゃあ何で今でも売ってるんだろ?って素朴に疑問が膨らみます。で、さらに掘ってみると、今度は「オロナインパック」なる裏ワザのサイトを複数発見しました。方法はこんな感じです。

(以下、livedoorニュース(2007年02月02日)「【独女通信】クチコミで広がる「オロナインパック」とは?」より引用)
 ①オロナインを1ミリ程度の厚さに塗り、5分から10分間放置
 ②ぬるま湯できれいに洗い流す
 ③毛穴パックをいつもと同じように貼る
(引用ここまで)

なるほど。要するにパックの前に角栓を取れ易くするってことですね。誰が考え付いたのか知りませんが、これが意外と好評だったらしく、上記2つのリンク先日時から推察するに、3年の期間を置いて再ブレイクしたって感じでしょうか。


てあ、やばい。なんかこの記事、美容サイト見過ぎで明らかに感化されてますよね・・・。
こんな調子で書き進めたら大幅に脱線しそうな予感。しかし、化粧品をどうこう語ろうにも、男が参考書を立ち読みしたところで、サッパリなんですよね。。。

・・・
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・・・・・・・
しばしの思案の結果、今度は広告方面をちょっと調べてみることにしました。



【クチコミの大賞って?】

化粧品を探そうとググると、出てくる出てくる広告ページ。半端ではありません。化粧品と健康食品は、世の中に流通するあらゆる商品の中でも、ひょっとするとネット広告の最大顧客かも知れません。

最初に発見したのは、「ベストコスメ大賞」というキャッチコピー。化粧品のネット販売会社が実施しているランキングで、サイトに投稿されたクチコミに基づいて大賞が決定するようです。なるほど、消費者アンケートで決めるという訳ですね。
 参考:日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme

ただこのサイト、どうやら不正クチコミに結構苦労してるっぽいですね。ってそりゃそうです。たった900人のクチコミで上半期大賞の口紅が決まっちゃうようですから。ちなみに、メーカーであるカネボウ化粧品は連結従業員数10,000人です。なるほど納得です。(おい)

しかしそもそも、クチコミで1位になるなら、少数生産の高価な化粧品は事実上、対象外ですよね。価格に見合うくらい不満も出そうですしね。ということは、安価で無難なジャンルの化粧品第1位が大賞ってことになる・・・っていうのは穿ち過ぎでしょうか。



【モンドセレクションって何?】

さて、次に発見したのが「モンドセレクション最高金賞受賞」というキャッチでした。

私は酒飲みですので、賞自体はかなり前から知ってます。20歳の頃、ウィスキーのような味の長期熟成焼酎の王様は「百年の孤独」と思っていましたが、この賞を受賞した「千年の眠り」を飲んだ時、こっちのが上かなと感じました。
 参考:(株)篠崎「千年の眠り」

しかし一方では、このモンドセレクション。最近は大変怪しいコンテストであると、少ならぬ人が指摘しています。まず、最高金賞受賞商品はひとつではなく、数十とあるそうです。それは、このコンテストが相対評価ではなく絶対評価であるためで、一定の水準を達成した商品は全て受賞する仕組みなのです。
ただしこの「一定の水準」は非公表です。って、何だかタブーな香りです。

モンドセレクションは年々その選考ジャンルを広げ、最近は化粧品にも手を出しています。最も有名な受賞商品は、例の小麦粉アレルギーを生じた緑色の石鹸です。となれば、審査基準には疑問を感じざるを得ませんね。
 参考:(株)悠香



【添加物の裏ワザ】

ところで、これら件を化粧品学専攻の知人に話したところ、彼は即答でした。

「そんなの普通。化粧品なんて嘘っぱちだらけだし。」

確かに調べてみると、色々と虚偽情報が溢れている世界のようです。
私が特に気になったのは、「パラペンフリー」や「無添加化粧品」が肌に良いと言われている一方で、無添加化粧品は腐るから危険と警鐘を鳴らすサイトも複数あったことです。
また友人曰く、化粧品原料の多くは保存料が無いと簡単に腐敗するため、そもそも原料のほぼ全てに最初から保存料が含まれているとのこと。或いは別の、もっとリスクのある添加物が入っているケースもあるので、パラペンだけチェックしていると痛い目にも遭うとか。

ってこの仕組み、コンビニ弁当のタブー構造によく似てます。おかずの材料や調味料に合成保存料が含まれていても、弁当メーカー自体が添加しなければ、合成保存料不使用と称しても全く問題ありません。反対に、本当に保存料ゼロだったら、工場生産の弁当を買って帰るのは食中毒のリスクが高いです。要するにどちらもグレーゾーンなんですよね。



【化粧品の減価率は?】

男からすれば、あれだけの価格の製品でもグレーなことをやるの?って感じがしますが、考えてみれば化粧品は、とても特殊な商品です。未だに高い人件費を投じて対面販売や訪問販売をしますし、大量のサンプルを配っては、大量のCMも流します。
パッケージもそうです。「口紅容器は男性器の形」というのはあまりに有名な逸話ですが、実際には容器の形状のみならず、重量や材質や質感までも、心理学や人間工学を駆使して設計しているそうです。投じるコストの規模が違います。ひょっとするとコーラと同じで、中身の減価など高々知れているのかも知れません。

それでも女性は、より高価な化粧品を使いたい。男にはわからないけど、何となくはわかります。でも、行き過ぎるとやっぱり宗教に思えてきます。素性のわからない情報に溢れた世界ですから、余程注意してなければ簡単に騙されてしまいそう。そして信じ込んでしまいそうです。

今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。



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