試合中の状況分析について | 日本で活動中のサッカー監督のブログ

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バルセロナで修行してきましたが、2017年より日本で活動しております。

今日は僕の
試合の見方をご紹介します。
(コーチ視点の場合)

目の前の試合を
どう分析するかってすごく大事なことで
単に正しい「采配」をする上で
必要ってこと以外にも
その試合から適切な課題を抽出して
次のトレーニングにつなげるのにも
大事です。

うまく試合が回っているときは
コーチって全く必要ないんですが
いざ自分たちが不利な状況になったときに
初めて正しく状況分析し
次の手を打つ必要が出てきます。

とはいえ
サッカーのコーチが試合中に
できることって
野球の監督に比べると
かなり限定されます。。

でも
限定されるがゆえに
「その作戦」や「采配」で
試合の流れを支配したり
逆転できてしまうと
恐ろしいほどの快感が味わえます。
(マジ、やばいっす)

ただし
中毒症状が進むと
策を弄しすぎて自滅したり
本来の目的である「育成」が
おろそかになったりするんで要注意です。

以下、箇条書きで
(サカクリでやってたきがしますが、
 僕風にしてみました)

■状況把握のチェックポイント
1、相手ゴールまでボールを運べているか
2、相手ゴールに近い位置でボールを奪えているか


■相手ゴールまでボールを運べない場合
・各選手のサポートの位置と角度は適切か。
⇒味方が相手のマークの陰に隠れていないか、
 攻め急いで、通らないパスを通そうとしてないか
・スペースを有効に利用できているか
⇒狭いところで難しいプレーをしようとしていないか?
・選手同士の意思の疎通は図れているか
⇒パスがどこに欲しいのか、どこにパスを出したいのか
 お互いにコミュニケーションがとれているか

■味方がボールを奪えていない場合
・マークは正しくできているか
⇒守りの基本、マークの受け渡しやマークの位置は適切か。

・正しくプレッシングはできているか
⇒相手を自由にプレーさせてないか。
  プレッシングをかける場所やタイミングは正しいか。
・味方あるいは相手DFラインの位置は適切か
⇒DFラインを引き気味にしすぎて相手にスペースを与えていないか
 逆に高くしすぎて裏を狙われていないか。

これらの原因にあわせて
「修正の指示」などの内科療法から
「ポジション変更、選手交替」の外科手術まで
駆使します。

あまり薬に頼りすぎると
免疫能力が低下するのと同じように
選手も監督の指示に頼りすぎると
自分で判断してプレーしなくなるので
そのさじ加減も大事だったりします。

(オーバーコーチングってやつですね)

・・・最後に一番いらいらする展開


■中盤を支配しているのに
 ゴールが決まらない場合
(日本代表の持病!?)

・サイド攻撃ができているか。
⇒中央が堅いなら横から突くのは戦の常道。
・チームの精神状態はどうか。
⇒選手にチャレンジの意識はあるか?
  1対1で勝負することころは勝負しているか
⇒特にFWが極度の緊張など精神的に参っている
  ときは即交替か、あるいはポジション変更します。
・積極的にシュートを狙っているか。
⇒ミドルシュートを打つことでゴールに張り付いている相手の選手を引き出せます。


次回は選手のポジションの置き方
試合状況に応じての変化のかけ方について。