【怪しいおやぢ】です。

 『類聚 世話 百川合海』

 (るいじゅ せは ひゃくせん かっかい)から……


諧(かたこと)ながら、「か」の字の部。

『川立は川で果る、楽屋で声嗄し』

(かわだちはかわではてる、がくやでこえからし)


 川立(かわだち・かわたち)は、水練の達者なもの、あるいは水の中を商売にしている漁師などをさします。

 河童を退散させる歌で、『かわたちおとこ』と出てきますが、水練達者のことです。

 

 その水達者が川の中で果てる……。

 河童の川流れ、猿も木から落ちる、弘法も筆の誤り……。

 と同じ類のことばです。


 同じように、浄瑠璃や義太夫唄いが、楽屋で喉を嗄らしている……という図です。

 プロとしてはあるまじき姿として、揶揄しているのでしょう。


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