ボストン美術館 日本美術の至宝 | だらだらするのがすごく好き

だらだらするのがすごく好き

東京から那須塩原市に移住した高年主婦のだらだらした日々
最近政治に目覚めた

東京国立博物館の特別展 です。


アメリカのボストン美術館はフェノロサ、岡倉天心に始まり

以来100年以上にも亘って日本美術を収集していて、

世界随一の規模と質の高さを誇るそう。


今回は全部で90点展示されてますが、特に印象に残ったもの。



■吉備大臣入唐絵巻


平安時代の作品です。

遣唐使、吉備真備人が、唐人の難問に不思議な力で立ち向かうという物語を絵画化したもの。

従者が待ちくたびれて居眠りする様子や

真備が聞き耳を立てる表情など、

登場人物が活き活きと描かれていて、とても楽しい。

平安時代の人がとても身近に感じられます。

個人的には、形式ばった掛け軸や屏風絵より、

こんな軽快な絵の方が断然好き。

絵が上手いな~って素直に感心する。



■平治物語絵巻 三条殿夜討巻


近々、大河ドラマ「平清盛」にも登場するであろう、
1159年平治の乱を描いた絵巻。

当時の合戦の様子が、ダイナミックに描かれてます。

走る牛車の車輪が漫画みたいにぐるぐる輪になってて、

ユーモラスな描写も見られるんだけど、

よくよく見ると、井戸に折り重なった死体やら、

押さえつけられいままさに殺されようとしている武士など、

かなりリアルに描かれてます。

昔はこんな血なまぐさい出来事と隣り合わせの日常だったんだあ。


この絵巻物2点、ケースの前はもうすんごい人だかり!でした。

列は氷河のごとく、動いてるんだか動いてないんだか分からない。

最後まで観るのに40分ほどかかりました。



■雲龍図 曽我蕭白筆


でかいです。

龍の表情、鱗、爪、波しぶき、どれもすごい迫力です。

日本画ではあまり見たことない、陰影が施されていて、立体的。

もとは寺院の襖絵で、胴体のかなりの部分は散逸し、

これでも全体の半分以下しか残ってないそう。

これがあった部屋に居るとこの巨大な龍に囲まれたんですね。

夜とか怖そう。



■弥勒菩薩像 快慶作


ライティング効果と相まって、

神々しくて幻想的。

たよやかで美しい。



ボストン美術館は

国内にあれば、国宝、重文間違いなしとの作品も

多く収蔵されてるとのことで、

明治維新のドサクサに紛れて、お宝持ち出しおってむかっ

など、はじめは思ってしまいましたが、

それで貴重な文化財の散逸やら、劣化やらが防げたのだから、

その貢献は大きいですね。